「なんとか距離は取れたね」
「でも黒森峰の戦車は俺らより強力だ。ここからはどうする?」
「できれば1vs1の状況に持ち込みたいかな」
「みぽりん!前方にIII号がいるよ!Jかな?Hかな?ってか一目で型がわかるのって…」
「III号なら突破できます!主力が来る前に倒しましょう!」
黒森峰の主力部隊より先に市街地に到着した大洗。走っていると前方にIII号がいることに気が付いた。突破しようと追いかけて路地に入ると……
「ん?なに?壁?……戦車!?」
「来ちゃった…マウス」
「史上最大の……超重量戦車……」
「すごい…動いているところ初めてみました」
III号を狙える……そう思った時、黒森峰の重戦車のマウスが現れた。優花里は動いているところを見て感動しているが、そんな場合ではない。
「全車後退!」
「な、なによ!でかいからいい気になって!こうしてやるんだから!」
「バカ下がれ!」
ダーンッ!
…………シュパッ
マウスを見て慌てて後退の指示を出したみほ。だがカモさんチームだけは動けずにいて、単独でマウスに攻撃した。しかし装甲を抜くことはできず、あっさりやられてしまった。
「カモチームけが人は!?」
「大丈夫です!」
「それはよかった…けど何も考えなしでマウスを抜けるわけないだろ!」
「ご、ごめんなさい…」
「まぁ怪我がないのはよかった、後は俺たちに任せろ」
「あとはお願いね。冷泉さん頼んだわよ!約束は守るから!」
「おお!」
「くっ、カモチームのかたき!」
ダーンッ!
カーン
ダーンッ!
……シュパッ
「えっと……カバチーム……今の通信聞いてなかった?」
「す、すまんぜよ…」
「一度全車両後退してください!お兄ちゃんの言う通り無策で勝てる相手ではありません!」
カモチームに続いてカバチームもやられてしまった。これで大洗の残り車両は5両となってしまった。
ちなみに……マウスの後ろにいたIII号に砲撃が当たり撃破している。
「マウスすごいですよね、あれなら戦車の上に戦車が乗っかりそうですよ」
「戦車の上に……っ!?ありがとう優花里さん!!」
「……え?」
「みなさん聞いてください!マウスを倒す作戦を思いつきました!」
「マジかみほ!?」
「うん、カメさんチームにはかなり無理をしてもらうことになりますけど大丈夫ですか!」
「なんでもいい!言ってくれ!」
優花里の戦車の上に戦車が乗っかりそうという言葉で、みほはマウスを倒す方法を思いついた。思いついたがどうやらカメチームには負担をかけてしまうみたいだ。
「では説明します。まずカメさんチームはマウスの下に出来る限り潜り込んでください」
「…………え?」
「そのあとにウサギさんチーム、機銃でいいので横から当ててマウスの砲塔を回転させてください」
「はい!」
「そしてアヒルさんチーム、砲塔が旋回して空いたスペースに乗ってマウスの砲塔を旋回できないようにしてください」
「根性でやります!」
「最後にIV号でマウスを撃破します。お願いできますか?」
「………ぷっ、あははははは」
「ちょっとりく君!?」
「西住ちゃん!りくりくが壊れて笑い出した」
「えぇ!?」
みほが作戦を話し終えた少しあと、突然りくが笑いだした。それをみて会長も小山も壊れたのではと心配している。
「いや〜すまんすまん、戦車の上に戦車で乗っかるとか普通そんな発想でないって!でも面白そうだ、ノった!」
「面白いというか……他に思いつかなくて」
「ただマウスの砲撃を撃ち落とすのは難しいから、俺はマウスの砲撃タイミングだけに集中する。だから他の警戒は頼んでいいか?」
「それはもちろん」
「よし、じゃあ主力部隊が来る前にやっちまうか!」
「うん!」
マウスを倒す作戦が決まった。そして作戦を実行するための場所に移動した。
「柚子さん、大丈夫ですか?」
「大丈夫って何が?」
「いくら特殊カーボンで守られてるって言っても戦車の下に…しかもマウスだから無事かわからない。怖くないんですか?」
「1人なら怖いけど3人が一緒だから大丈夫」
「小山言うね〜」
「ほ、ほんとに大丈夫なのか?」
「大丈夫だよ桃ちゃん」
「強いな柚子さん。今回の桃さんの反応はおかしくないのにさ、つーか面白い作戦だけど俺は怖いぞ」
「ふふ、大丈夫だよ」
「マウスも来たみたいだしやろっか。りくり指示よろしく〜」
「ふふっ、任せろ!」
マウスほどの重量戦車の下に潜り込む作戦など聞いたことがない。特殊カーボンに守られていても無事で済むかわからない。りくは小山が怖くならないか心配になったが、大丈夫そうだった。
マウスが現れついに大洗vsマウスの勝負が始まる。
「行きます!パンツァー・フォー!」
全車一斉に前進した。マウスの砲塔はフラッグ車であるIV号に向いている。
「今だ!右!真ん中IV号もだ!」
「「了解」」
ダーンッ!
マウスが撃ってきたが、りくの指示でIV号もヘッツァーも躱すことに成功した。
「柚子さん行け!」
「はい!」
マウスの攻撃をかわした後は全速力でマウスに突っ込んでいき、作戦通りマウスに潜り込むように入ることに成功した。
当然これを見てるケイやダージリンは
「ワーオ!」
「まぁ」
と驚いている。りくも笑ってしまうくらいの作戦だから当然といえば当然だ。
「よし!梓頼む!」
「はい!機銃撃て!」
「……よし、砲塔が旋回した。典子!」
「行くぞ!そーれ!」
みほの作戦は上手く進行していき、M3の機銃攻撃で砲塔を旋回していき、八九式はマウスの上に乗り旋回できなくした。
「おい!そこの軽戦車どけ!」
「嫌です。それに八九式は軽戦車じゃないです」
「中戦車だし〜」
「この〜振り落としてやる!」
「させるかー!」
「根性で押せー!」
「いや意味ないから」
マウスの上に乗っている八九式を振り落そうと、マウスは強引に旋回しようとしている。それを落とされないように耐えている。
ちなみに……中からも押しているがそれはまったくもって無意味だ。
「やっぱり特殊カーボンでもきついか、3人ともなるべく頭は守っておいてください」
「りく君もね」
「わかってますよ、みほ!頼む!」
「任せて!華さん!後ろのスリットを狙ってください!」
「はい!花を生ける時のように集中して……ここです!」
ダーンッ!
……シュパッ
華の砲撃は見事一撃でマウスを撃破することに成功した。観客も大盛り上がりだ。
撃破した後八九式は慎重に降り、ヘッツァーも後ろに下がった。
「この音……どうやら俺たちはここまでっぽいな」
「「「えっ」」」
「みほ、後頼んだ」
「えっ?どういう……」
……シュパッ
マウスを倒したすぐ後、ヘッツァーからも白旗が上がってしまった。やはりこの戦法は無理があった。でもこの代償に見合う活躍はできた。
「すみません」
「謝るな西住隊長」
「そうだよ西住さん。西住さんがいなかったらここまで来れなかったんだから」
「そうそう。だからあとは頼んだよ」
「……はい!」
「みほ!」
「お兄ちゃん?」
「姉ちゃんや母さんにももちろんだけど、黒森峰にも見せてやれ!今のみほの戦車道をな!」
「お兄ちゃん……うん!」
みほは自分の無茶な作戦のせいでヘッツァーが行動不能になったと思い謝った。実際にこの作戦の影響ではあるが謝る必要はない。カメチームも全員怒っていない、むしろ感謝しているからだ。
強力なマウスを倒すことはできた。勝利のため残っている車両は動きだした。
「マウスが!?」
黒森峰の方ではマウスを撃破されたことに驚いている。
一方大洗の方では、勝利のため最後の作戦が開始されようとしていた。
今回はここで終わりです。
次回アニメ編最終話となります。お楽しみに