男子も戦車道に参加できる世界   作:カット

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最初の方はちょっとふざけました。



27、破られた約束

 

『大洗、知波単フラッグ車走行不能!よって、グロリアーナ、プラウダの勝利!』

 

 

今日は大洗&知波単vsグロリアーナ&プラウダのエキシビションマッチが行われていた。そしてその試合はグロリアーナ&プラウダ高校が勝利した。決着後、IV号とヘッツァーからみほとりく、チャーチルとT34からダージリンとカチューシャが降りて来ている。

 

 

「あのタイミングでギリギリとは…さすがですねりくさん」

 

「撃ち落とせれば勝てる可能性あったんだけどな、残念っすね」

 

「いくら悪魔の砲撃とはいえ、普通あの速度で出てきてあんな精度で撃てないわよ!さすがリクーシャね!」

 

「どんな速度で出てきたんだろ……」

 

 

位置的に最後の攻防が見えていたダージリンとカチューシャは、褒めると同時に驚いている。一方みほは自分の斜め後ろから撃たれていたため見ることができていない。

 

 

「どんな速度って言われても……チャーチルの後ろにT34がくっついていったのが見えて柚子さんに飛ばしてもらって……IV号が曲がった方から俺らも曲がってすぐに照準合わせて撃っただけだぞ?」

 

「「「(なに平然と言ってるのこの人)」」」

 

 

りくの言葉を聞いた3人はみんな同じことを思った。妹のみほでさえ……

 

 

「まぁりくりくの砲撃の腕がすごすぎるってことは置いておいて、どうだい?私らと一緒に温泉に入って疲れを取るっていうのは?」

 

「いいですわね」

 

「カチューシャも賛成よ!」

 

「私も大丈夫です」

 

「もしかしてりくさんと混浴できるのでしょうか?」

 

「…………へっ?」

 

「りくと混浴!?入る入る!?」

 

「沙織まで!?」

 

「いいアイディアね!」

 

「そのようですね」

 

「カチューシャさん!?それにノンナさんいつの間に!?」

 

 

4人で話していると会長が温泉に入らないかと誘ってきた。ダージリンもカチューシャもみほも、断る理由はなかったので受け入れた。だがダージリンの言葉で一気に騒がしくなった。カチューシャ、そしていきなり入ってきた沙織やノンナも賛成してきていた。

 

 

「みんなさえ良ければそれでもいいんじゃない?」

 

「いや杏さん、俺が何されるかわからないし怖いからやめとくわ」

 

「「「「そんな……」」」」

 

「(私は家で一緒に入ることできるね)」

 

「みほ、家でも一緒にとかないからな?」

 

「バレた!?」

 

 

この場にいる女性陣が良くても、りくは良くないということでりくは別となった。普通なら一緒になると男のりくの方が警戒されるだろうが、今回は逆でりくが何されるかわからないため見送りとなり、みほの思考も読んでいた。

 

結局女性陣のみで温泉に入ることとなったが、その途中で会長が急に呼び出しを受けることとなった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「何よこれ!?誰がこんなことしたのよ!?」

 

「どういうことだ……柚子さんと桃さん何か聞いてますか?」

 

「私は聞いてない、桃ちゃんは?」

 

「私も知らないぞ」

 

「もしかして杏さんなら何か……」

 

 

大洗のメンバーは学校に戻ると、立ち入り禁止状態となっているところに直面した。風紀委員も生徒会も、どちらも何も聞いていない。りくはここで会長なら何かを知っているのではと考えた。おそらく呼び出された時に何か言われたのかと……

 

 

「君たち」

 

『っ!?』

 

 

すると突然、メガネをかけたスーツを着た男性が声をかけてきた。

 

 

「勝手に入られると困るよ」

 

「俺たちはこの学校の生徒ですよ?」

 

「君たちはもうこの学校の生徒じゃない、君から説明しておきたまえ」

 

「おい待て!」

 

「りくりく!!」

 

「っ!?」

 

 

こうなった理由を会長に話させることとして、スーツを着た男性は去っていった。それを追いかけようとしたりくだが、それは会長によって止められた。

 

 

「今の人は文科省の人。大洗学園は8月31日をもって廃校が決定した」

 

「……は?」

 

『……っ!?』

 

 

会長から告げられた言葉……それは大洗学園の廃校が決定したということだった。優勝したら廃校が救えると信じていたみんなは、何を言っているのかすぐには理解できなかった。

 

 

「どういうことだよ…優勝したら廃校は撤回されるって…」

 

「それに廃校にしても3月だったはずでは…」

 

「あれは確約ではなかったらしい。廃校にしても3月では遅いらしい」

 

「なんで繰り上がるんですか……」

 

 

どうやら廃校撤回の約束も確約ではなかったらしい。そして、廃校も3月から8月に繰り上がっての廃校だった。

 

 

「さっきの人はまだ近くにいるよな!?」

 

「……何するつもり?下手したら転校できなくなってどこの高校にも通えなくなるよ」

 

「知るかそんなこと……ちょっ!?離せよ!?」

 

「お兄ちゃんそれはダメ!!」

 

「それなら学校に立て籠もって……」

 

 

さっきの文科省の人に何かしようと思ったのか、りくが駆け出そうとすると、みほと河島と小山の3人で抑え込んだ。

抑えながら河島が呟くと、

 

 

「本当に廃校なんだ!!残念だけど本当に学校は無くなるんだ…」

 

「会長は本当にそれでいいんですか……」

 

「……もう離していいぞ。何もしないから」

 

 

会長が本当に無くなることを告げた。河島を始めみんな納得できない中、会長の表情を見たりくや小山は冷静になった。

 

 

「みんな聞いたよね?寮の人はそれぞれ荷物の準備を…実家の人も家族と引越しの準備を進めてください」

 

 

小山がそう言うと、みんなはそれぞれ自分たちの家に戻っていった。会長とすれ違う時にりくは、

 

 

「杏さん、力になれることあれば言ってくださいよ」

 

 

と伝えてみほと一緒に寮に戻っていった。

 

 




書き終わってから思ったけど短っ!?
次回とりあえず他の作品の方を投稿してからの予定です。

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