「俺の方は終わったけどみほどうだ?」
「こっちも……これで全部」
「そっか」
りくとみほの2人は今、荷物の整理を行っている。学園艦から出て行くことになってしまったからだ。他の人たちも準備をしているところだ。
「それじゃあ行くか!」
「行く?………あ、そうだね」
荷物をまとめた2人はとある場所へと向かった。向かった場所は学校だった。そこに到着すると、あんこうチームとカメチーム以外は揃っていて、2人が到着したすぐ後にあんこうチームもやってきた。
「2人ともやっぱりここにいたー!」
「もう家を出た後だったのですね」
「みんなここに来ると思ってたからな……って麻子?」
「なんだ?」
「麻子さん……ここで寝るつもりなの?」
「もうこれで最後かもしれないから……」
麻子は学校に枕を持ってきていた。これで最後かもしれないと思ったからだ。あんこうチームがやってきた少し後に、大洗学園の校庭に大きな飛行機が降りてきた。サンダースのC-5Mスーパーギャラクシーだ。そして生徒会の3人も一緒に現れてきた。
「サンダースで戦車を預かってくれることになった」
「いいんですか?」
「紛失したという書類を作りました」
「な、なんて作戦……でもこれなら戦車を守れる」
「お待たせー!」
「まったく、手間をかけさせるわね」
「さぁみんな!ハリアップ!」
サンダースがやってきた理由は、大洗学園の戦車を預かるためだった。本来はいけないことだもは思うが、柚子が戦車を紛失したという書類を作ったため、なんの気兼ねもなく戦車を預けることができる。みんなで協力し戦車を全て乗せることができた。
「ケイさん」
「りっくー!………あれ?なんでいつもみたいに避けないの?んん!?なんで抱きしめてくるの!?///」
ケイの元に向かったりく。いつものようにケイは抱き着こうとしてきたが、りくは避けなかった。しかもりくからも抱きしめている。さすがのケイも驚いているようだ。
「本当にありがとうございますケイさん。こ!なら戦車だけでも守ることができる。この学校での戦車道はかけがえのないものだから……戦車まで手放したくなかった。だからありがとうございます」
「ど、どういたしまして///」
「そろそろ離してやってくれないかりく?ケイが赤くなりすぎてる」
「へ?……あ、すみません!?」
「い、いいのよ///もっとしてても…///」
ケイにお礼を言ってしばらく抱きしめあったままの状態でいたらナオミに声をかけられた。そこでケイの顔が赤くなっていることに気付き慌てて離れた。スーパーギャラクシーも飛び立つ準備ができケイも乗り込んでいった。
「場所が決まったら連絡して!」
「届けてあげるわ」
無線で話した後、スーパーギャラクシーは飛び去っていった。そして次の日、大洗学園は学園艦とお別れをし、全員の転校手続きが完了するまで山の上で過ごすこととなった。
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キィィィン
「あれって!」
学園艦から降り、大洗学園の生徒はそれぞれ別々のところで過ごしていて、戦車道を受講している生徒は山の上にまとまっていた。
それぞれチーム毎に過ごしていると大きな音が聞こえてきた。その音の正体はサンダースのスーパーギャラクシーであり、預けていた戦車を運んできてくれた。
「ちゃんと届けたわよー!」
「ありがとうございます!!」
「この借りは高くつくわよ!」
「え?」
「来年の大会で私たちが大洗を倒すんだからね!続けなさいよ!」
「はい!」
「俺らも負けねえよ!」
帰り際に無線で話し、サンダースは去っていった。大洗の方は戦車を見て安心しているようだ。
そして次の日も、戦車道受講者はチーム毎に行動をしていた。その中であんこうチーム+りくはコンビニへ買い物に行っていた。戦車で……
「まさか戦車でコンビニに行くことになるなんて思わなかったよ〜」
「戦車の免許が役に立ったな」
「それよりりくは上で大丈夫なの?無理矢理になっても中に入れるよ?」
「大丈夫大丈夫、子どもの頃はよく姉ちゃんが操縦する戦車の上に座ってたから。な?みほ」
「そうだね。お兄ちゃんのその様子を見ると懐かしく思うよ。それに麻子さんの運転なら大丈夫」
「そっか!それより写真くらいもっとちゃんとしなよ〜私のはお見合いでも使えるんだから!って思ってたけどりくがいるからその必要はないね」
「無駄に気合い入ってますね」
「もうりく殿と一緒になる気でいるのは気になりますが……あっ」
「どうした優花里?」
話をしている途中で優花里が何かを思い出したかのような反応をした。その内容とは……
「コンビニからバスが出ていたので時間を調べておかないと」
「何かあるのか?」
「1度実家に戻るんです。転校手続きの書類にサインしてもらうために」
「あ……」
「りく殿?まさか忘れてたなんてことは……」
「ないぞ」
「……本当ですか?」
「ないぞ」
「ではそういうことにしておきます」
転校手続きの書類にサインをしてもらうために実家に戻る必要がある。それは優花里だけでなく他のみんなも同じだ。りくは忘れていた反応を示したが、忘れてたわけではない。実家のことを言うとみほが暗くなるから話に出さないようにしていたのだ。だから今回のは忘れてた反応ではなく、しまったという反応だった。
「みぽりん大丈夫?」
「私も一緒にいきましょうか?」
「大丈夫、お兄ちゃんも一緒だから」
「そうですか……」
「また今度遊びに来てね」
「はい!」
「優花里だけじゃなくて他のみんなもな」
「うん!挨拶考えておかないと」
「その必要はないだろう。だが私も西住さんたちの家は気になる」
「是非行かせていただきます」
「あ、止まって!」
みんなもみほのことを心配していて優花里は一緒に行こうかと言っているいるが、兄のりくがいるから大丈夫だも断った。その時にがっかりした様子だったためか、今度遊びに来て欲しいと伝えておいた。もちろん優花里だけじゃなくて他のみんなも。沙織のは置いておこう……
突然みほが止まるように指示を出して戦車を後退させた。何かの看板を見つけたようだが……看板のところまで戻りみほが見つけたものを見たりくは慌て出した。
「俺先コンビニ行って……ぐぇっ!?」
「わぁ!コンビニは後にしてここに行こう!麻子さんお願いします!」
「お、おう…」
「そ、それよりみぽりん!?りくのこと離してあげて!?」
みほが見つけたのはボコミュージアムの看板。ボコのことになると他が見えなくなるくらい好きなことを知っているりくは、戦車から降りてコンビニに行こうとしたが、みほに襟元を掴まれて降りられなかった。そしてそれはボコミュージアムに到着するまでその状態だったため、りくは気絶寸前だった。
「わあぁ!こんなところがあるなんて!」
「今までで1番テンション高い…」
「みほはボコのことになるとこうなる…」
「そうなんだ…というか復活したんだねりく」
「なんとか……(もう1人こうなるやつがいることは黙っておくか)」
「おう!よく来たなお前ら!」
「生ボコだぁ!」
「おい!何をする!やめろー!」
「何もしてないよ!?」
ボコミュージアムに到着したみほたち、みほのテンションはかなり高くなっていて、それにりく以外は驚いている。みんなも気付いているが、見た目はボロボロで他に客はいないようだった。
中に入ったあんこうチームは色々なアトラクションを周り、今はショーを見ている。
「みんな〜オイラに力を〜」
「頑張れボコ……」
「もっとだ〜」
「ボコ頑張れ…」
「もっとだ〜」
「頑張れボコー!!頑張れー!!」
「(愛里寿!?)」
ショーの途中、ボコが力をくれるようにお願いしてきた。ショーの定番といえば定番だろうが、みほは恥ずかしいのか最初はあまり声が出ていなかった。だがボコがもっとと求める度に大きくなっていき、大声を出そうとしたその時隣の椅子に座っていた少女が立ち上がって応援をし始め、負けないと言わんばかりにみほも大声で応援し始めた。
……その立ち上がった少女のことをりくは知っているみたいだ。
「よーし!みんなのおかげで力がわいてきたー!」
みんなの声援で立ち上がったボコは再び挑みに行ったが、あっさりやられてしまった。
「何これ?結局やられてるじゃん…」
「それがボコだから」
みほのお決まりのセリフと同時に幕が閉じた。
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「凄く頑張ってたねボコ!」
「そう?」
「楽しめたみたいだなみほ」
「うん!あ、残り1つだって!」
「そういう手だから…」
「でも可愛いし……あっ」
ショーが終わりショップに来ていたあんこうチーム+りく。残り1つの商品を見つけたみほがそれに手を伸ばすともう1つ手が伸びてきた。先程ショーにいた少女だ。
「私はまた来るから、はいっ」
「……//」
その少女はみほに譲ってもらったが赤くなって走り去ってしまった。
「愛里寿」
「えっ……あ、り、りくお兄ちゃん!?」
だが出入り口付近にいたりくがその少女、愛里寿を呼び止めた。愛里寿はりくがいることに驚き、みんなは愛里寿がりくのことをお兄ちゃんと言ったことに関して驚いている。
「恥ずかしいのはわかるけどちゃんとお礼を言わないとな」
「う、うん…あの…さっきはごめんなさい。ありがとう//」
「ううん、気にしないで?大事にしてね」
「うん//」
ちゃんとお礼を言った愛里寿はそのままショップを出て行った。みほたち……いや、みほも買い物を済ませるとボコミュージアムを出て、当初の目当てだったコンビニに向かった。
そして次の日、みほとりくの2人は転校手続きの者類にサインをもらうため、熊本にある実家に帰っていった。
今回はここで終わりです。この調子だと年内はあと1話、多くて2話になりそうです。