今回は、鎮守府のお話です。
書いてみて艦娘にも個性があって素敵だなって思いました。
文字書きとしては、まだまだですので、期待しないで軽い気持ちでお読みいただけると助かります。
7/6 新たに改変しました。今後の事も考えつつ、書きたい物を書くその気持ちでいたいと思います。
pixivとマルチ投稿をしています。
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=9751142
注意:無断転載・無断加工は厳禁です。
「うーん!いい天気で、気持ちいい~」
本当にいい天気!花が咲いている、小鳥たちもさえずっている、こんな日には。
「弓道場で朝の日課、アーチェリーでもやりましょうか」
弓道場の扉を開けると……
「今日は誰もいない!ツイてるわ!」
いつもなら赤城さんと加賀さんが練習しているはずなのですが……また赤城さんにトラブルでもあったのかしら?
まぁ、それは置いておいて用意して始めますか!
…………
ヒュッ!
ストーン!
「うん!今日も良い感じ!」
私は的の真ん中近くに矢を命中させると、そこに思わぬ来訪者が訪れる。
「比恵ちゃんじゃん!ちぃーす!」
「おはようございます提督……鈴谷?名前ではなくてちゃんと提督と呼んで頂けませんか?」
来訪者は鈴谷ちゃんと熊野ちゃんだ。
「おっ!おっ!比恵ちゃん何それ!何それ!」
「全く聞いていませんね……」
熊野ちゃんの苦労が分かる気がする……それでも鈴谷ちゃんは、ハイテンションで私の弓を指して質問する。
それを私はこう答えた。
「これですか?アーチェリーと言う物なのですよ」
熊野ちゃんは訝しげな顔になり質問する。
「空母の弓とはなにか違いはありまして?」
「いい質問したね熊野ちゃん!違いはありますよ!正規空母や軽空母の弓は和弓と言う物で、アーチェリーは西洋の弓で洋弓です!アークロイヤルさんの弓を思い浮かべると良いかもしれませんね」
私も鈴谷ちゃんや熊野ちゃんに触発され、ちょっと饒舌になって長話になってしまったわ……
でも鈴谷ちゃんは、興味津々そうに弓を見つめて。
「すっごーい!ねぇねぇ!比恵ちゃんも艦娘の才能あるかな〜」
どうなのかなって思っていると、熊野ちゃんが難しい顔をして鈴谷ちゃんを睨みつける。
「鈴谷ったら……提督が艦娘などと……」
そして、私にも睨みつけるかのように。
「何処にそんな無謀な提督がいらっしゃいますの?」
そんな提督はいらっしゃらないのは、熊野ちゃんと考えは同じ。
それでも鈴谷ちゃんは、私の周りをうろちょろしながら饒舌に話す。
「だってだって!伊吹って元々は改鈴谷型の一番艦じゃん!だったら比恵ちゃんは私や熊野の妹となるわけじゃん!」
「あら鈴谷?どちらかというと、提督の方がお姉さまな感じがしてならなくてよ!」
鈴谷ちゃんは私の事を妹にしたがっているけど、熊野ちゃんは、少々しかめ面をしている……なんだか不満そうな感じ。
「ちぇっ、妹が増えるかなって思ったし……熊野にも妹ができればなって」
「私が一番気にしている事、言われてはいただけませんわ!」
そして熊野ちゃんは、顔を鈴谷ちゃんに近づけて。
「提督の邪魔をしては、よろしくありませんわよ……鈴谷?ここでない所で話しませんか?」
熊野ちゃんは、鈴谷ちゃんの手を強く引っ張っているような感じで。
「やめて~痛いし~助けて~比恵ちゃ〜ん」
そのまま弓道場を後にした、鈴谷ちゃんと熊野ちゃんでした……
「鈴谷ちゃん……痛そう……あっ!後片付けしなきゃ!」
そして、私が後片付けし終わって、すぐ赤城さんと加賀さんが弓道場にやってきた。
「提督!おはようございます!」
「おはようございます提督」
赤城さんは満足そうだが、加賀さんは微妙に分かりにくいが不満そう。
「どうしたのですか?加賀さん?」
「提督すみません……もっと早く弓道場へ向かう予定でしたが、赤城さんがお腹空かせていたものですから早めに朝食をすませました」
そしたら赤城さんが、ぷくーっと頬を膨らませて。
「だってお腹すいてしまいましたもの……仕方ないです!あっ!」
赤城さんは、今度は私の方向へ向いて。
「私の事、食べ物しか頭にないような顔していませんでしたか?」
そんなこと……ちょっとあるかも……だけど、いっぱい食べる赤城さんが好きなのです。
「赤城さんすみません……ちょっと考えていました……それでも、いっぱい食べる赤城さんが好きです!」
「そうでしたか……嬉しい」
そしたら加賀さんも、赤城さんを見つめて。
「私も、そんな赤城さんが大好きです」
「あら?私モテモテですか……なんだか恥ずかしいです」
赤城さんは頬を赤らめた後、顔を隠してしまった。
加賀さんは、私の事を睨みつけて。
「提督はもう執務の時間ではなくて?これから私達が弓を引きます」
私は、壁時計を見ながら。
「あら?もうこんな時間!では赤城さん、加賀さん失礼します!」
私は急いでシャワーを浴びて、その後執務室へ急ぎ足で向かった。
トントン
執務室の扉をノックする。
「提督ですね!どうぞ!」
そして扉を開ける。そこには陸奥さんが立っていた。
「あらあら?10分遅れですね提督?」
「陸奥さん……ごめんなさい」
私は今日の秘書艦である陸奥さんに深々と謝った。
「まぁ私は咎めませんが、他の艦娘なら何か罰があったかもよ」
私は少し凍りついた感じになって。
「ひぃ……」
そしてその事を気にしながらも、黙々と私と陸奥さんは書類のチェックをしている。すると。
「あら?ここの所おかしくない?」
陸奥さんは、書類とにらめっこしながら、こう言っている。
「どれどれ?備品にタブレット?たしかスマホとパソコンは支給品となっているわよね」
私の鎮守府ではスマートフォンは支給品。
艦娘達のコミュニケーションの活性化と、何か変な物を見ていないかのチェックの為。
「そういえば申請者の名前は……秋雲ちゃん?」
秋雲ちゃんは絵が上手だ。もしかしたらプロになれるのかもって程に。
「あらあら?秋雲さんなら絵を描く道具かしら?しかも30万円するのね……備品としては認可できないわね」
それでも秋雲ちゃんに問いたい。どんな理由かはわからないから。
「陸奥さん!私、秋雲ちゃんに聞いてくる!他にも理由あるかも知れないし」
「艦娘との直接的なコミュニケーション……提督らしいわね……後は私に任せて行ってらっしゃい」
「ありがとう!陸奥さん」
こう言った後、私は廊下に出て秋雲ちゃんに電話をした。
プップップ……プルルルル……プルルルル……
「はい!秋雲さんですよ!」
「提督です……備品の件でお電話いたしました」
「げっ!あの事かな……」
あの事?やっぱり絵の件かな?
「秋雲ちゃん今どこにいる?直接話したいから」
「ん~提督に隠していても仕方ないか……今、秋雲さんは部屋にいるから上がって大丈夫だよ!」
「わかったわ!今すぐ行きますね」
ツーツー
私は電話を切った。
そして私は、足早にかつ廊下を走らないように秋雲ちゃんの部屋へ行くことにした。
今、私は駆逐艦寮の秋雲ちゃんの部屋の前にいる。
トントン
「提督いいよ~」
「失礼します」
そして私はドアを開ける。
「いらっしゃい!秋雲さんのアトリエへ」
すごい……画材道具がたくさん……そして上手な絵まで……秋雲ちゃんが描いたのかな?
「すごいですね……秋雲ちゃん」
「えへへ~すごいでしょう~」
秋雲ちゃんのそんなにやけた様子から、急に真剣な顔になって。
「提督!あのタブレット認可させて!秋雲さんサークル活動したい!」
サークル活動?聞いたこと無いからとっさに?
「サークル活動とは何ですか?」
「ありゃ~そこからなのかな?」
そしてここから秋雲ちゃんの怒濤の説明が入る。
「秋雲さんは絵を描いている……提督も承知しているよね」
「ええ、そこはわかりますよ」
それは前々から言っているし理解しているけど、秋雲ちゃんのやりたい事はそれを超えていた。
「それでね!薄い本もとい短編のマンガを描きたいの!それを同人即売会で、製本して売りたいの!売れれば鎮守府も潤うじゃん!それが狙いなの!」
薄い本?同人即売会?製本?よくわからない言葉が出たけど、秋雲ちゃんはお構いなしに。
「その薄い本を製本するためには、デジタル技術が必要で、その為の画材がタブレットもとい液タブなの!」
液タブというまたわからない用語が出てきたけど、秋雲ちゃんの怒濤の一言。
「パソコンは最新のが支給されているから、後は液タブだけなの!液タブだけは高価で手がでなくて……パソコンのソフトとか製本は私のお給料の中でやるから!お願い提督!私の夢、叶えてよ!」
夢……夢と聞いて私は、一人の女子として秋雲ちゃんに。
「わかりました、私は許可します!ただし」
「うん……」
「まず売り上げの一部を鳳翔さんに!鳳翔さんも将来小さな居酒屋を開く夢があるし!それと変な絵は描かないようにしてください!あと必ず私に、内容を見せてください!それを約束出来れば備品として認可します」
「わかった!秋雲さん約束守るよ」
夢……鳳翔にも夢があるのに……私の夢って何だったかな?
「ん?どうしたの提督?考え事?大丈夫!一般向けに描くから」
そうじゃない……私の夢は……涼月ちゃんとケッコンする事。
「じゃあ!私はそろそろ!なるべく早めに支給するから楽しみにしていてね!」
「はい!秋雲さん楽しみにしているね!」
そして足早に秋雲ちゃんの部屋を去った。
急ぎ足で執務室へ。
バン!
「陸奥さん!」
私はノックを忘れて執務室へ入った。
「ひゃ……どうしたのですか提督?」
我を忘れていたのか、陸奥さんを驚かせてしまった。
「すみません陸奥さん……少しお話があるの……涼月ちゃんについて」
私は閉め忘れた扉を閉めた後、相談した。
「私、涼月ちゃんとケッコンカッコカリする!場所は響灘沈艦護岸」
響灘沈艦護岸……艦娘の涼月ちゃんじゃない……防空駆逐艦涼月が埋まっている場所。
「あらあら提督?やっと踏み切ったのね……私も調べた事あるのですが……遠い場所ですよ」
「福岡県北九州市ですね……それでもこれが私の夢なのです」
私は新たな夢を発見した!久々の高揚感。
しかし、陸奥さんはちょっと待ってくれと言わんばかりに私に語りかける。
「う~ん……考えは悪くないんだけど……も~っと、涼月ちゃんとのケッコンカッコカリするいい所あるのよ、お姉さんに耳かしていい?」
いい所?響灘沈艦護岸以外にあるわけ無いと思いつつも、陸奥さんに耳をかした。
ゴニョゴニョ……
「えっ!そんな所で?」
「そうよ!その場所で指輪を渡したらいいんじゃない?」
思い付かなかった答えだった。
「わかりました!ありがとうございます陸奥さん!その時に合わせます」
今の気持ちを一言で表すと、胸の高まりが抑えきれない!
「あら提督?高ぶる気持ちは分かりますが、何か忘れていませんか?」
「あっ……」
忘れていた。
「秋雲さんの備品はどのような案配になったのかしら?」
私は秋雲ちゃんとお話をして、この答えを導きだした。
「秋雲ちゃんのタブレットは備品としては認可しません……私のポケットマネーから買います!」
「あら?結構大胆な事しますね提督」
「そうですよ陸奥さん。秋雲ちゃんの夢を捨てたりはしません」
陸奥さんは微笑みながら。
「夢……いい言葉ですね……私の夢は……」
陸奥さんと私の夢……時に笑いながら時に共感しながら一緒にたくさん語った……秋雲ちゃんの申請書類を机にしまいつつ。
今回のテーマは夢です。
夢は子供の時はあの職業につきたいとかあったのですが大人になると忘れがちな事です。
しかし、とても大切な事だと思い夢について考えてみました。
皆様の夢が叶うよう、私も祈っています。