前回のあらすじ
「あの真とか言う奴には才能があるかもしれない」
それではどうぞ!
side真
「疲れた……」
「はは、この広さだもんね。はいお水」
「サンキュ」
俺はこいしが渡してきた水をがぶ飲みする。
恐らくそろそろ秋に近づいてきている時期だろう。だが、スノーランドが年中冬ならばここは向日葵に適した季節、"夏"だろう。
だからこの暑さが俺達の体力をどんどん奪っていく。
初めて抗議してから更に1週間。俺は毎日幽香さんに挑み続けた。
ある日は正面突破、ある日は奇襲、ある日は雑談して油断させたところに……全部簡単に躱されて返り討ちにあったけども。
だけど特別に修行とかは一切していないのだが、日を追う事に強くなってる実感がある。
「それにしても毎日鞭で叩かれに行くって真はドMなのかな? 私、ご主人様がドMってちょっと嫌なんだけど……」
「ちげーよ。あの幽香さんに一撃でも与えて抗議を通す。これが俺の野望だ。その為には鞭に叩かれるのも致し方ないってだけだ。叩かれに行ってる訳じゃない」
「でも真ってそういう傾向があるから心配だな。彼女としてしてあげれることはしてあげたいけど……もしかして女王様をやった方がいいのかな?」
「要らない! そういう気遣い要らないから! そもそもとして俺はドMじゃない!」
と、そんな会話を繰り広げている時だった。
「皆、随分頑張ってるわねぇ」
幽香さんだ。
幽香さんは向日葵畑を見て満足そうに笑う。
「何の用件で……」
俺は少し期待を膨らませる。
普段はあまり家から出てこない幽香さんが家から出てきて俺達の前に現れた。
普段とは違うシチュエーションだ。
「ああ、それね。あなた達に新しい課題を与えようと思って」
「新しい課題?」
「ええ、その新しい課題は──」
俺はゴクリと音を鳴らして唾を飲む。
俺にとってはすごい緊張の瞬間だ。
「寺子屋の教師よ」
「「「……え?」」」
俺達は声を揃えて驚いた。
それは何故か? ──課題の内容があまりにも予想外すぎたからだ。
「寺子屋の教師、ですか?」
「ええ、あなたは私に修行を付けてもらいたがってたわね」
「は、はい」
「それならば人に戦いを教えれるくらいの技量が無いと私はその価値が無いと判断するわ」
確かにこう言うのは人に教えれるようになってからが一人前ってのはある。
言いたいことは分かる、がまた修行はお預けなのかよ。
「まぁ真、気を落とさないで1回幽香さんの言う通りにやってみようよ。ね?」
「それもそうだな。で、その寺子屋はいつからなんですか?」
「今よ」
「「「……え?」」」
「よくぞ来てくれた。私は講師の
「はい。海藤 真です」
「古明地 こいしです」
「紬でーす」
俺達は早速幽香さんに送り出されて寺子屋にやってきた。
そして寺子屋に到着すると慧音先生が俺達を歓迎してくれた。
ちゃんと俺たちが来ることは伝わっていたらしい。
「よろしく。早速だけど良いかな?」
俺達を慧音先生は教室に案内してくれる。
「みんなーお待ちかねだ! 今日は幽香さんのもとから限定講師が三人来ているぞー」
「楽しみだねチルノちゃん」
「でもあたいの方が強いけどな。なんたってあたいは」
「チルノはバカなのだー」
「ち、ちがう! あたいはバカじゃない!」
「いつもの調子だね」
「だな。今回はどんな人達なんだろうな」
教室の中から話し声が聞こえてくる。
俺は元々のコミュ障だったりあがり症だったりと既にガチガチだった。
落ち着け。落ち着くんだ。
そうだ。いつも通りに振る舞えばいいだけじゃないか。
「それでは講師の皆さん! どうぞ」
そして呼ばれた俺らは俺を先頭に教室に入っていく。
全員の視線が俺達に集まる。それだけでガチガチに、ロボットみたいな動きになってしまいそうだ。
「……あれ? 真さんとこいしちゃん?」
「あ、お前らは海藤 真と古明地 こいし!」
「あー。あの時の人間と妖怪なのだー」
俺は三人の声を聞いて思い出す。
そう言えば俺が幻想郷に来て間もない頃にあった紅霧異変の時にあった三人組、大妖精・チルノ・ルーミアだ。
すごい久しぶりに会った。
そして向こうも覚えていたのか。年単位で会わなかったし接点もあまり無かったから忘れてると思ったんだが。
「あれ? 三人とも知ってるの?」
「まさかの知り合いだったパターンか?」
だが、あと二人は初めましてだな。
「既に見知ってる人も居るみたいだが、自己紹介を開始する。まずは講師の皆さんから」
「えー。まず俺から、海藤 真だ。えーと、まぁ剣士をやっている。戦闘経験は結構あるから教えられることは結構ある……と思うからこれからよろしくな」
パチパチパチと拍手。
これだけで歓迎されてる気になるから拍手ってすごいな。
「はい! 次は私、古明地 こいしだよ! ルーミアと同じで妖怪。私も戦えるから教えられることはいっぱいあるはず。よろしくね!」
「最後は私だね。紬でーす! 私はね、ここにいる海藤 真のかのむぐっ!」
俺は咄嗟に紬の口を押えた。
またこいつふざけようとしたな。
ふざける時と場所と場合、TPOをわきまえてくれよ。
「私、つまらない冗談は嫌いなんだよね」
こいし様が不機嫌に。
紬のせいでちょっと苦労しそうだな。と一人で肩を落とすのだった。
はい!第79話終了
新たな課題は寺子屋の講師でした。
果たしてここからどんな風に物語が展開していくのでしょうか?
それでは!
さようなら
好きな神は?
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紬
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シャロ
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紅蓮
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彼方
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シャドウ