それでは前回のあらすじ
海に潜む妖怪。その妖怪に海に引きずり込まれた真。そこに居たのはクラーケンのような妖怪だった。
しかし、霊力は水に溶けて使えない。そんな状況で真はどうやって戦うのでしょうか。
それではどうぞ!
side真
俺はクラーケンをじっと観察する。
体長ははっきりと全貌を見ることは出来ないものの、海底から伸びて来ていると考えると相当なものだ。
俺なんか普通のイカにとってのプランクトンと同じくらいの感覚なのだろう。今まで様々な敵に出会ったことがあったけど、ここまで大きな敵は初めてだ。
人型以外の敵とは今まで戦ったことがあったけど、これはどう対処したものか……。
クレアで殴るにしてもダメージは入るんだろうか……。そこだけが気がかりだ。
「でもやるしかないよな」
俺の技はどれもこれも霊力を使うものだ。なので使うことは出来ない。
だから、クラーケンに殴り掛かる。クラーケンはその体の大きさから上手く逃げることは出来ない。だから防ぐしかないと触手で俺の拳を防いできた。
そのまま拳に触手を絡ませると俺の事を振り回して投げ飛ばしてきた。
水の中なのに物凄い勢いで投げ飛ばされたので、体にかなりの水圧が襲いかかってくる。前方からの勢いと後方からの水の圧によって押しつぶされそうになる。
なので体から目いっぱい霊力を出してとどまった。水中でも霊力を出すことは出来るので、前方からの圧と後方からの圧を打ち消すように霊力を放出する。
「いってぇ……もう少しで骨がバッキバキに折れるところだった」
骨が折れても戦えなくはないが、体が痛いので勘弁願いたいものである。
しかし、この大きさはどうやって攻略するのが正解なんだ? 少し間違えたら食われてしまいそうなんだが……。
でもライトならこれを攻略するスペルくらい持っていそうだよな。ライトならこの場面、どう攻略するんだろうか。
クラーケンは俺が留まったのを見ると間髪入れずに俺を触手で叩き潰そうとしてきた。それを俺は足から霊力を噴出して叩き落とされないようにしてからクレア装を発動して受け止める。
なかなかな力だ。両手で受け止めるので精一杯だ。
そんなものだから両手が塞がっていて胴体がガラ空きになってしまったので、そこを狙って触手で叩こうとしてきた。しかし、そんなに簡単にやられる訳にはいかないので受け止めた触手を投げ飛ばして、今来た触手を受け止めた。
これによって何とか触手を受け止めることが出来たが、これではいつまで経っても倒すことは出来ないだろう。なので俺は攻めることにした。
俺は泳ぐことは一応できる。しかし、特段速いって訳でもないので普通に泳いで距離を詰めたとして触手に叩き潰されるのが関の山だ。
なので俺は足から霊力を噴出して空を飛ぶ応用で泳いで距離を詰めていくことにした。
これなら触手の速さにも負けず劣らずの速さで近づくことが出来る。
触手が来たら霊力を全力で噴出して躱す。だが、この泳ぎ方には一つ問題があるのだ。これは霊力の減りが激しいのだ。なのでこれは短期決戦が必須となってしまう。
「これで一発!」
漸くクラーケンを殴れる距離まで接近できたので思いっきり殴る。しかし、全然ダメージが入った気がしない。まるで鉄の塊でも殴ったような感覚だ。
俺はクレアを使っているとはいえ、元々のパンチ力はそんなにないので鉄ほどの硬さのあるものを破壊できる気はしない。
その時だった。急に海が左右に別れたのだ。
綺麗に海が真っ二つとなって、俺たちは実質水の外に出た事になった。
クラーケンの鉄のような頭が少し切れて、緑色の血が出てきている。あの鉄のような頭を斬るのはなかなか難しいはずだ。しかもこの海が切れた、それは自然に起こることではない。
海を割るとか言う話があるが、俺はわかった。これは誰かの技だ、霊力を感じるのでそれは間違いないだろう。でも誰がこんなことを?
すると上空に人影が見えた。その人物は逆光でよく見えないものの、少し急いでいたようで息が上がっているように見える。
その人物が降りてくると段々とその姿が露になってくる。
「全く、これほど情けない戦いをするとは思わなかったぞ、真」
その人物とは――ライトだった。
ライトは海底に降り立つと俺にダメ出しをしながらクラーケンに剣を向けた。
「ライト、どうしてここにいるんだ」
「お前が負けそうになってるから助っ人に来た。ただそれだけだ」
でもライトは山の方に行っていたはずじゃ……。もしかしてもう倒し終わったのか? まぁ、確かに俺の場合、こいつを見つけるまでが時間がかかったし、そこまで驚くことじゃないか。こいつならこれくらい出来てしまいそうだ。
でもどうやって海を割ったんだ? 霊力も使えるようになってありがたいが、この海をかなり先まで割るのは相当な霊力が必要なはず。
「お前も剣を出せ」
「わかった」
言われたので霊力刀を作り出し、しっかりと握る。やっぱり刀がないと俺は戦えないようだ。
刀を握ると俺はすぐに霊力を流し込んだ。クレアを発動中なのでクレアの霊力がどんどんと流れ込んでいく。その事にライトは驚きの表情をして見せた。
「お前、クレアを使えるようになっていたのか」
「ああ、特訓したからな」
するとライトもクレアを発動した。どうやらライトもクレア装を使えるようで、鎧のように霊力を纏った。
海が無くなったことによって俺も本気を出せるようになったし、ここからが本当の勝負だ。
はい!第89話終了
グダグダの話ですみません。次回で妖怪編終了です。
それでは!
さようなら
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