それでは前回のあらすじ
ついに始まった幻想郷決闘。今回の対戦カードは古明地 こいしVS海藤 真。
そして、今回の部舞台は岩山に決定し、物凄い険しく、一番過酷なフィールドに決定した。
そんなフィールドで二人はどのように戦うのか?
それではどうぞ!
side音恩
「ねぇ、ねん君。もっと見やすい位置に行こうよ」
「面倒」
「えーだって、真さんとこいしさんの戦いだよ」
僕は今、姉ちゃんたちに無理やり決闘を観戦しに連れてこられました。
しかも、龍生さんまでいるので姉がもう一人増えた感じで気が滅入りそうです。真さんも苦労しているんですね……。
それにしても、真さんとこいしさんの戦いか……。僕も地味に気になっているところはあるから、抵抗せずに着いてきた。
二人は確か一度も戦ったことがなかったはず。その二人の戦いはどうなるか全く予想がつかない。
理論だけで言ったら真さんが勝ちそうだが、こいしさんもなかなか強かったはずだし、何よりこのフィールドだ。
足場がとても悪いこのフィールドでは走るだけでもかなりの体力を奪われる。そんなフィールドで長期戦なんかやったら妖怪で体力が上回っているこいしさんには勝てなくなる。これは短期決戦で決めたいところだな。
そこで司会の文さんががスタートの合図を出した。それと同時に二人は走り出す。
どちらも今回は肉弾戦。それに加えて三発のスペルカード。それで勝敗が決まる。
まずはスペルカードを温存して二人は拳をぶつけ合った。筋力は互角のようだ。妖怪のこいしさんはかなりの筋力もあるようで、最近は筋トレバカと化している真さんと互角の殴り合いをしている。
そこで真さんは一旦距離を置くために後方へバックステップ。しかし、こいしさんは逃がさないとばかりに真さんが逃げた分だけこいしさんも距離を詰める。
真さんは剣を持たない場合、遠距離が強くなる。主に遠距離タイプのスペカの使い手だからだ。
その事はこいしさんが一番わかっているからだろうか。絶対に距離は取らせないとばかりにベタ付けをしている。
妖怪だからか近距離での殴り合いはこいしさんに分があるだろう。その証拠に真さんはなかなか厳しそうな表情をしている。
だが、真さんには奥の手として霊力刀がある。そろそろ使ってくるだろう。
そう思って見ているとこいしさんのパンチを普通に腕でガードして受けた。
ここら辺で使うかと思っていたら、まさかの使わなかった。もしかしたら真さんはこいしさんの得意な体術で勝つことによって認めてもらおうとしているのかも知れない。
しかし、それはあまりにも無謀すぎる。なにせ、種族の差は超えることが出来ないのだから。
「どう? そろそろ降参した方がいいんじゃない?」
「いや、まだ大丈夫だ」
すると、真さんは後ろに動きながら両手に弾幕を出し、強引に投げた。
真さんの十八番、狙撃《スナイパー》だ。
対するこいしさんは確かにこの近距離で遠距離技を使ったことに驚いたようだが、当たらない。
このくらいの距離だと遠距離技を当てるのは遠距離に当てるよりも難しい。
だが、その弾幕こそ当たらなかったものの、こいしさんが回避の動作を取ったその隙を突いて真さんは蹴りを放った。
その蹴りもこいしさんはガードをして防ぐものの、強引に蹴り飛ばされ、かなり距離を取る事となってしまう。
恐らく、この強引な弾幕も真さんがこいしさんの隙を突くために態と強引にはなった一発ってことだったのか? まさか作戦の内だったとは……真さんの頭の回転の速さは本当に尊敬するよ。
そして、遠距離戦となったら真さんが強い。
真さんは目の前に掌サイズの弾幕を作り出す。
「弾幕よ、飛んでいけ。狙撃《スナイパー》」
そして真さんは手をでこぴんの掌が上のバージョンにして作り出した弾幕を弾いた。
するとすごいスピードで飛んでいく弾幕。その速度の弾幕を放てるのはこの幻想郷を探しても真さんだけだろう。そのことを考えると真さんはやはり凄いと改めて思うが、それを軽々と避けるこいしさんも流石だ。
そして、そのまま真さんに向かって走っていくと、もう一発真さんが放ったので横の方に跳んで回避する。
このままではさっきと全く同じ展開に戻ってしまう。
こいしさんは真さんの真横に来てジャンプし、エルボーを放つ。それを真さんは片手で防いで受け流した。
確かに妖怪といえども体制を崩されるとさすがに力が思うように出せないようで、軽々と受け流されてしまった。
するとこいしさんは体制を崩しそうになるが、そこはさすがと言うか体制を持ち直す。
「今のを受け流すんだね」
そして横腹に蹴りを放ってくる。
すると今度は何を思ったのか真さんは防ぐこともせずにその一撃を食らう。
その次の真さんの行動を見て僕は目を見開いた。
真さんは利用したのだ。こいしさんの強烈な蹴りを、そしてその勢いを利用して距離を取った。
その作戦は一歩間違えれば敗北ルートまっしぐら。気を失って敗北か、勢いづきすぎて部舞台から落ちるかのどちらかだ。
しかし、真さんはそのどちらになることも無く、距離を取ることに成功したのだ。その真さんの度胸にはさすがに感服してしまう。
そして、今まで真さんの事を見続けてきたこいしさんですら呆れた様子だ。
これが真さんのバトルスタイル。そう考えるとこいしさんが心配になるのも頷ける。
だが、こんなに距離が離れると真さんのペースになってしまうんじゃ……。
はい!第94話終了
多分次回、決闘は終了します。
それでは!
さようなら
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