それでは前回のあらすじ
真とこいしの決闘。お互いの策がぶつかり合い、白熱した戦いとなっていたが、その戦いも突然終わりを告げた。
こいしは降参したのだ。このまま行っても真には勝てないと判断したのだ。
そして、真の勝利――だったのだが、真は力尽きてしまって、その場に倒れ込んでしまった。
それではどうぞ!
side真
「ん?」
俺は目を覚ました。すると、俺の目の前には天井が存在した。しかもこの天井は見た事のある天井、そしてあまりいい思い出のある天井ではない。
永遠亭の天井だ。
確か俺はこいしと決闘していて、力尽きて倒れてしまったんだったよな。
それにしてもあの力はなんだったんだろう。
こいしに追い詰められた瞬間、力が湧いてきたのだ。多分それは勝たなければいけないという意思が発動させたのだろう。
しかし、あれは俺の使えるどのクレアよりも強化倍率が高く、そして若干《
確か《限界突破》は神の領域の技、つまりあの力は神の力に通ずるものがあるのか?
今度、しっかりと彼方に聞いてみる必要がありそうだ。
俺は体を起こす。もう完全に動けるくらいまで回復したようだ。さすが永琳先生と言ったところだろう。
体を動かしても全く痛みを感じない。
その時だった。目の前の空間が急に割れたのだ。この力はスキマ。そして、その中から出てきたのは、金髪の女性、八雲 紫だった。
「あら、元気そうね」
「あぁ、永琳先生の薬はすごいな」
「そうね。だけど、それよりも凄まじいのはあなたの回復力なんだけどね。あなたは単細胞生物の道を歩み始めているのではないかしら」
「つまりあなたは俺がアメーバの様になるかもしれないと?」
「可能性としてはゼロではないわ」
ぐ、反論が出来ない。
確かに俺の回復能力は尋常じゃないけれど、俺の肉片からまた新たな俺が出来上がるなんて普通に嫌なんだけど……。
まだ、フランの《フォーオブアカインド》のようなスペルならまだしも……俺が増殖するなんて気持ち悪すぎるだろ。
「そういえば、真、あなたは決闘中に新たな力を使っていたようだけど……あの力は知らなかったわ」
紫には一切俺の技の事は言っていないが、紫の情報収集能力をもってしたら、それくらいの情報を集まるのは朝飯前なのだろう。だから、他の技は知られているはずだ。
しかし、あの技が出てきたのは俺も予想外の出来事だった。正直、あのタイミングであの力が出てこなかったら負けていただろう。
「あの技は……俺も予想外だったんだ。あの技は知らない」
「そうなのね」
紫のことだからもっと聞いてくるかと思ったら意外と直ぐに引き下がってくれた。
でも、これ以上粘られても知らないものは知らないんだから答えられるものなんて無いけどな。
すると、もう一つのスキマも俺たちの前に出現した。
今日はどうやらスキマ感謝デーらしい。どいつもこいつも正面から入ってくるんじゃなくて、スキマで入ってくる。
その中から出てきたのは――彼方だった。
「彼方、スキマを使えたのか」
「神として当然」
神だったら当然の力なのか……つまり、その理論だったら紅蓮も使えるのかな?
うちの神様は使えないようだけどな。
「そうだ、彼方様。決闘で真が使った力、なんなのか知らないかしら?」
「え、その……し、知らないかな〜」
十中八九嘘だ。
この白々しい態度、それを見ていたら一目で嘘だという事がわかった。
でも、なんでこのタイミングで彼方は嘘をついたのだろうか。その事が気になるが、それは紫も同じようだ。
そして、紫の性格上、危険になりそうなものはとことん追求する。
紫は彼方の態度を見て、危険そうだと判断したのだろう。
「知っているのでしょう? もう一度聞くわ……教えてくれないかしら」
「だから、知らないと」
「あなたの目を見ていればわかるわ。それは嘘だって、ねぇどうしてもダメなのかしら」
「……」
そこで彼方は黙りこくってしまった。
俺は彼方の表情を見る。すると、悲しそうな表情をしていたので、このことを追求するのは果たしていい事なのか疑問を抱き始めた。
「知っているなら――」
「黙れっ!」
その瞬間だった。大気が揺れ、空間にヒビが入ってしまった。
その日々は直ぐに修復されるが、その声には確かな怒りが入っていた。もうこれ以上追求するなと言わんばかりの怒りに、さすがの紫も怯んでしまって、動けなくなってしまった。
「何も知らないくせに……」
とても小さな声、だが確かに俺の耳には届いていた。
恐らく何かがあったのだろう。だから、彼方はあんなに嫌がっているのだ。
「じゃあね、真。元気でね」
それだけ言い残すと彼方は直ぐにスキマを開いてどこかに行ってしまった。
事情を知らなかったとはいえ、大変悪いことをしてしまった。今度あった時は何か飯でも奢ってあげようか。
「でも、気になるわね。その力」
あれほどの怒りを目にしてまだ諦めていない様子の紫。その紫を見て俺は呆れてしまう。
「とりあえずお大事に」
そして、紫もスキマに入って行ってしまった。
side彼方
私には助けたい存在がいる。それは、命を投げ打ってでも助けたい存在だ。
しかし、いつも助けることは出来ない。
どうしたらいいのか、どうすれば助けることが出来るのか。そんなことを探っていたらもうかなりの時間が経ってた。
もうすぐ運命の時が来る。そう確信したのはあの決闘のときだ。真が王の力を手に入れてしまったら、もう助けようがなくなってしまう。それだけは阻止しなくてはならない。
そのためには紫の存在が厄介となる。
紫は幻想郷の為ならば、どんな人が犠牲になってもいいと考えている。そのため、なぜ隠すのかの理由を説明しても、バレた瞬間に真に言って使わせようとするだろう。
嫌だ、嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ。
でも、例え助けられなかったとしても、私は諦めない。
はい!第97話終了
最後のシーンに少し意味深なシーンを書いてみました。さて、どうなってしまうのでしょうか。
それでは!
さようなら
好きな神は?
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紬
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シャロ
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紅蓮
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彼方
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シャドウ