それでは前回のあらすじ
病院で目が覚めた真。そこに紫がやってきた。
紫は真に決闘中に使った力のことを聞くが、真はその力について全く知らないので、何も言えずにいた。
そこにもう一人、彼方が来た。そこで、彼方なら何か知っていると踏んだ紫は彼方に聞くことにした。
すると、何か様子がおかしくなった彼方は怒ってその場を後にしてしまった。
それではどうぞ!
side真
紫が帰ってから少し経った。
そして、その間俺はずっと彼方のことを考えていた。
なにせ、紫の質問に対して異常に反応した上に、何やら様子がおかしくなってしまっていた。若干怒鳴っている様子だったし、恐らくあの力のことは知っているのだろうが、何かがあるのだろう。
まぁ、確かにあの力を使えたらものすごく強くなれそうだし、教えてもらいたいというところはある。
だが、彼方のことも考えるとそれはいいのか悪いのかわからなくなってくる。
俺にとってはあれを使えたらみんなを守りやすくなるから使えるようになりたい。だが、彼方のあの様子だと使えるようになって欲しく無さそうだ。
そんな感じで悩んでいると、今度は正規の入口から一人の人物が入って来た。
「あら、目が覚めたのね」
「あ、永琳先生」
久しぶりに永琳先生とあった気がする。最近はこの妖怪の治癒力のおかげで永遠亭に来なくて良くなっていたので、あまり来ていない。
今回は多分霊力の枯渇かなんかだろう。
「あなた、霊力が枯渇していたわよ」
やっぱり霊力が枯渇していたらしい。まぁ。あれだけ派手に戦えば霊力も枯渇するか。
「それと、あなたにお客さんよ」
「客?」
そう言って入ってきたのは、緑の服を来た少女。こいしだった。
こいしは少しバツの悪そうな表情をしている。そんなこいしに対して俺はなんで言葉をかけるべきか。そう考えて出てきた言葉が――
「こいしが倒れなくて良かった」
「え?」
倒れたのが俺だけでよかった。
使用妖力を見たらこいしだって倒れてもおかしくなかったのだ。だが、それが俺だけで本当に良かった。
まぁ、俺に関してはあの力を使ったせいで余計に霊力を使用してしまったというのはあるだろうな。
「もう……今そんな優しい言葉を投げかけられたら、笑顔で送り出せなくなっちゃうじゃん」
「ん? 何か言ったか?」
「なんでもない」
すると、こいしは一枚の紙を取り出して俺に見せてきた。その紙を見てみると、何やら大きく見出しが書いてあった。
『海藤真。送迎会開催』
多分例の文屋の仕業だろう。宴会のようにするつもりらしい。まぁ、元々はそんなのをやるつもりはなく、直ぐに行くつもりだったが、どうやら送迎会を執り行うらしい。
別にそこまでしてくれなくてもいいのにな。とも思ったが、多分この幻想郷には宴会が好きな人が大勢いるから宴会形式にして送り出したかったんだろうなと勝手に解釈しておくことにする。
期日は明日らしい。かなり急だな。俺が目を覚まさなかったらどうしたんだよ。
「まぁ、あなたを明日には退院させようと思っていたからね」
「目を覚まさなかったらどうしたんだよ」
「その時は……丁度、試してみたい薬があったのよね。ふふふ」
今、これほどまでに目が覚めてよかったと思ったことはなかった。多分、この人は俺のことをモルモットとしか思っていないのだろう。
まぁ、でも一人でひっそりと地獄に向かうよりもみんなに送って貰えた方が、俺としても嬉しい。なので、この宴会には賛成だ。
「じゃあ、このことを伝えに来ただけだから」
「あぁ、そうか。じゃあ、また明日な」
「うん」
そしてこいしは病室を出ていった。その後ろ姿はやはり無理している感があった。
こいしとしてはやはり行って欲しくないのだろう。だが、無理して送り出そうとしている。
こうなったら俺も全力で生きて帰ってこないとダメだな。今までこいしの願いを聞いてこなかったんだ。だから今度の『死なないで』という願いだけは絶対に叶えないと。
しかし、相手はあのパラレルワールドの俺だ。かなり手ごわい相手だろう。
多分、時系列的には俺よりも先に行っているだろう。つまり、俺よりも戦闘経験は豊富だ。
その上、あっちの世界でのみんなの力を奪ってきていると来たものだ。さて、どう戦うのがいいのだろう。
前のように崩壊は使うことが出来ない。なにせ、あの力はこいしと力を合わせないと使うことが出来ない。
つまり、今度の戦いは俺だけの力で……全てを終わらせなくてはならない。
大丈夫だ。今の俺は色々な人に修行をつけてもらって強くなっているはずだ。
妖忌さん。彼方。幽香さん……にはそんなに修行つけてもらっていないけど、今の俺はみんなの力が見に着いている。
今度こそあいつに勝って……。
sideこいし
私は真に伝えることだけ伝えて病室を後にした。
みんなはもう切り替えて真を送り出そうと準備を進めている。だけど、私は全然そんな気になれなかった。
いつも無茶をする真。しかし、そんな真でもいつも何とかする。だけど、今回は格が違う。パラレル真だ。
あいつとは以前に戦ったことがあるからわかる。あいつは信徒は格が違うくらいに強い。どんな修行を積めばあそこまでなれるのかが知りたいくらいだ。
だから、今回ばかりは死んでしまうんじゃないかと恐ろしくなってしまう。
「行かないで欲しい……よぉ」
ついには泣き崩れてしまった。
真の前では泣かないようにしていたけど、もう限界だった。泣かずにはいられなかった。
溢れてくる涙。もう止まらない嗚咽。それらを零しながら私は永遠亭を後にした。
はい!第98話終了
次回、宴会編です。
こいしは泣き崩れてしまいましたが、本人の前で涙を流さないなんてかなり強いですよね。
でも、大切な人にはそんな戦場に行って欲しくないというのは当然の感情ですよね。
それでは!
さようなら
好きな神は?
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シャドウ