それでは前回のあらすじ
今度、真の病室に入ってきたのは永琳とこいしだった。
こいしは真に送迎会の宴会の予告をしに来たのだ。
そして、たんたんと何事も無かったように真の前では振る舞うが、こいしはもう限界が来てしまい、一人で泣いてしまう。
やはり、真には行って欲しくないのだ。
それではどうぞ!
side真
「お世話になりました」
「ええ、もう来ないことを祈るわ」
また来たら俺が無茶をしたということになる。だから、この言葉は冷たいように聞こえるが、多分俺を気遣っての言葉なのだろう。もう無茶はあまりするなと。
まぁ、それを守れるかは分からないけど、
「まぁ、善処します」
こいしにもあまり心配はかけたくないしね。今回のことは仕方がないとして、この一件が終わったらすこし、戦闘の方から離れてもいいだろう。だいぶ疲れてしまったし、この幻想郷にはライトや燐火、それに龍生や音恩だって居る。
俺が少し休んでいる間は彼らが何とかしてくれるだろう。それに、霊夢もかなりの強さだ。
《無想転生》を使っている霊夢には俺は勝てる気がしない。
「それじゃ、気をつけなさいよ」
「分かりました」
今日、俺の送迎会があるらしい。そのタイミングに合わせて俺は退院した。
俺の回復能力は凄まじいらしく、どうやらもう既に激しい運動をしても大丈夫なくらいまで回復していると言うので、これで安心して地獄に向かうことが出来る。
でも、そのことについてこいしは不安を感じているはずだ。その不安をどうにかして取り払ってあげたいものだが……。
そんなことを考えながらまずは人里に向かう。
もう少し時間があるので、少し人里を見て回ってもバチは当たらないだろう。
この人里には本当に色々なものがある。
地底にいた時も、確かに地底にも色々あるが、人里の方が品ぞろえがいいので、結構人里で調達していたりもした。まぁ、屋台の食材なんかは地底で買ったらバレるかもしれないので、毎回人里で買っていたというのもある。
そんな訳で、人里を物色していると、とある気になるものを発見した。
そして、それを見た俺は人目もはばからずに叫んでしまった。
「これだっ!!」
この瞬間、周囲から俺へ痛い視線が飛んできたのは言うまでもないだろう。
送迎会の時間。この宴会の参加者は全員博麗神社に集まっていた。いつもの宴会とあまり変わらない雰囲気だ。
一つ違うのは、これは異変の解決を祝うものではなく、俺を送り出すための宴会であるというものだ。
かなりの人数がいた。その中でも、霊夢がみんなの中心となっていた。やはり霊夢は人望があるようだ。
そんなのを横目で俺はある人たちを探していた。それはもちろん、地霊殿の人達だ。
多分、みんなもこの宴会に参加していることだろう。まぁ、こいしはどうかは分からないけど、恐らく龍生くらいは居る。
まぁ、今は地霊殿組と言ってもいいのか分からないけどな。言うとしたら紅魔館組になるのかもしれない。
そして俺はポケットに手を突っ込むととあるものがあるのを確認する。
「よし、大丈夫だ」
無意識に落としていたら大変なので、こまめに確認するほど、心配になってしまうものなのだ。
なにせ、これが俺にとって今日の一大イベントなのだ。
かなり緊張する。心臓がうるさくて、周囲に響き渡っているんじゃないかと思うほどだ。
そんな感じに共同不振でみんなを探していると、奥の方でみんなを見かけた。
駆け寄ると、こいしは暗い表情で俯いていて、みんなもお通夜ムードとなっていた。正直、大切な人でも死んだのかと思うほどの雰囲気を出しているため、正直入って行きづらい。
「こいし、大丈夫よ。いつも真は生きて帰ってきたじゃない」
「そういう問題じゃないよ……だって今回のは格が違うもん」
正直、俺も不安だ。俺がパラレルワールドの俺に勝てるのかどうか。
あいつの力は俺も戦って痛いほど味わった。そして、あの力にはまだ及んでいない気がする。
確かに、俺たちは地上で妖怪たちを倒してパラレルワールドの俺を弱体化させたのかもしれない。だけど、本当にこれで俺が勝てるのか?
正直、あそこからあいつも修行していたのだとしたら勝ち目なんて……でも、ここで俺が暗くなっても仕方がない。
「よ、みんな」
『真っ』
一斉に俺に気がついたようで、こっちに顔を向けた。
だが、ただ一人、俺に顔を向けずにそっぽを向いてしまった人がいる。
「こいし、どうしたんだ?」
「なんでもない」
声が震えている。泣いているのだろう。そんな顔を俺に見せたくないと言ったところか。
どうしようか。この状況、こいしを安心させてやりたいんだけどな……俺も正直不安だからどう声をかけるべきなのだろうか。
いや、不安を拭えるかもしれないものが一つだけある。本当はここでやるつもりはなかったんだが、こいしの不安を拭えるかもしれないなら羞恥心なんて捨ててやる。
今から言うのは俺が地獄に行ってしまってもう帰って来れなくなる可能性がるからでは無い。
必ず帰ってくるという意思表示だっ!
「こいし」
「ふぇ?」
俺が急に手を取ってこいしの体をこちらへ向ける。すると釣られてこいしは俺の方を向いた。
そんなこいしと面と向き合うと、かなり緊張してきた。
しかも、こんなに大人数がいる中でだ。そして、俺が大声でこいしの名前を呼んだせいでみんなこちらを見てしまった。
こいしの注意を引くためとはいえ、これはきついものがある。だが、俺は止めない。こいしの為ならば羞恥心を殺すと決めたからだ。
そして、俺はこいしの手を強く握りしめ、言い放った。
「結婚してくれ」
はい!第99話終了
ついに書きたかったシーンがかけましたよ。
各章、大体の構図はできているので、このシーンを書きたいと前々から計画していたんですよね。そして、やっと今回書けました。
それと、計画していたということなので、少しこの先のネタバレをすると地獄に行ったら暫くほのぼのとした日常編は恐らくないと思われます。かなりシリアスになるかと。
なので、ほのぼのとした話が好きな人は今のうちに楽しんでいただけるとありがたいです。
まぁ、もしかしたら予定が変わって日常編が入るかもしれないので、その時は日常編をお楽しみくださいということで。
それでは!
さようなら
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