無意識の恋 Second stage   作:ミズヤ

126 / 285
 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 ついに地獄へ突入した真。そこにはやはりパラレル真が居た。

 そんな様子を地上組が映姫の持ってきた水晶で見守る。

 果たして真はパラレル真に勝利することができるのだろうか。



 それではどうぞ!


第103話 自分から能力を奪ったことってあるか?

side真

 

「ほう、なおも俺にかかってくるというのか。俺に手も足も出なかった貴様が」

 

 確かにあの頃は手も足も出なかった。だが、今は違う。あの時とは違ってものすごい特訓を重ねてきた。

 妖忌さんには霊縛波を教わり、彼方にはクレア装を教えてもらった。

 

 恐らく未来の俺がああなったのはかなり早いタイミングだった。だから、俺のように色んな人に技を教えてもらうことなんてなかっただろう。

 独学だ。確かに独学であそこまで強くなり、終いには力神である紅蓮には勝てなかったものの、神にあそこまで渡り合えるほどの力を身につけた。

 そこにはものすごい苦労があっただろう。だが、一人で強くなれる力なんて上限があるはずだ。いつかは限界が来るはずだ。

 

 俺は今の今まで色々な人の力を借りて強くなってきた。あいつと俺の違いは助けてくれる仲間が居たかどうかってことだ。

 その点では俺は負けない!

 

「行くぞ、未来の俺!」

 

 俺は霊力刀を作り出して走り出した。

 対する未来の俺はポケットに手を突っ込んだまま俺の事を観察してきている。

 恐らく俺がどう来るのかを読んでいるのだろう。そして石を手に取った。俺の行動を先読みして直撃させる気だろう。しかし、そう簡単には捕まらない。

 

 俺は霊力刀を持っていない方の手で霊力の玉を作り出すとその玉を殴り飛ばした。

 その俺の行動に一瞬驚いた様子の未来の俺だったが、直ぐに避けるモーションに入った。しかし、この俺の弾幕からはなかなか逃れることは出来ないはずだ。なにせ、これは遠距離戦が苦手だという事を克服しようと思考錯誤した結果なんだからな。

 

「銃撃『拡散する一撃(ショットガン)』」

 

 すると、未来の俺の近くに霊力の玉が行くと、その周囲で玉が拡散し、四方八方に飛んでいく。

 そんな弾幕をいくら未来の俺といえども初見で躱し切る事が出来るはずもなく直撃した。

 

「ぐっ! これは」

「これは俺が最近作ったスペルカードだ。他人の力を当てにして戦っていた俺では作り出すことは出来ない独自のスペルカードだ」

 

 俺のスペルカードに狙撃《スナイパー》という遠距離技があるが、これは一発のみのため、かなり使いどころが難しいスペルカードだった。少しでもミスれば当たらない。

 しかし、このスペルカードはこのスナイパーの当てにくさという欠点を克服したスペルカードだ。ただ、拡散する分、威力はスナイパーよりも劣るが、ダメージを与えるには申し分ない威力だ。

 

 そして、このスペルカードはダーラを倒した後の世界線の俺、つまり俺自身が最近作りだしたスペルカードだ。

 さすがに違う未来の結果は同じにはならないだろう。つまり、このスペルカードは俺しか持っていない。

 

 今までの俺はこのパラレルワールドの俺の劣化版だった。だが、今回の俺は未来の俺と完全に区別できるほどの力を持っている。

 

「ほう……お前もお前で強くなってきたという事か……しかも俺にはないスペルカードまで……だが、」

 

 そこまで言うと未来の俺はにやりと口元を歪ませた。

 なんだろうか、嫌な予感がする。

 

「俺の能力は他人の技を奪う……能力だけではなく、スペルカードも例外じゃない。今までのお前は完全に俺の劣化版でしか無かったから力など奪わなくても良かったが、そのスペルカードは貰っておいて損はない」

「っ!? まさか!」

「その力、頂くぞ!」

 

 俺に手のひらをかざす未来の俺。その手のひらからはレーザーのようなものが放たれた。

 直感的にそのレーザーに当たったらまずいと判断した俺はそのレーザーを躱し、なるべく距離を取る。

 しかし、回避してもどんどんと俺の事を追ってくる。未来の俺が操作しているのだ。

 ホーミング性能こそないものの、操作しているのが未来の俺なので、回避するのもかなり厳しい。

 

「逃げても無駄だ。早く観念しろ」

 

 そう簡単に諦めてたまるかよ。

 この霊体にはまだ慣れていないからあんまり強い力は使いたくなかったが、使うしかないようだ。

 俺は霊力を操作し始める。

 

 走っているので、あんまり集中することは出来ないが、これだけ操れるのなら問題は無いだろう。

 

「クレア、発動!」

 

 俺はクレアを発動させ、強化した霊力の玉を未来の俺目掛けて放つ。

 すると、レーザーの方ばかり集中していた未来の俺は回避することが出来ずに直撃、一瞬苦痛の表情を浮かべたが、直ぐに笑顔になった。

 

「お前、クレアまで使えるのか。……面白い、これでお前から技を貰う理由がまだ一つ増えたぞ!」

 

 そうか、このクレアも最近、燐火と彼方から教わったものだ。つまり、未来の俺は教わる相手もいなかったから会得していないのか。

 ってことは、クレア無しにあの力を持っていたのかよ。一体、どれだけの人から能力を奪ってきたんだ?

 

「さぁさぁ、必死に逃げねぇと俺に能力を奪われるぞ?」

 

 まずい、恐らく俺と未来の俺の力は似ているから取られない技もあるかもしれないけど、あいつはショットガンとクレアにご執心だ。

 この二つを奪われてしまったら、もう勝ち目はないし、そこまで行ったら紅蓮だって未来の俺に勝てるかが怪しくなってくる。

 

 しかし、もう限界だ。あいつのレーザーから逃げ続けるのは……もう無理だ。

 

「ぐあああっ!」

 

 ついに俺はレーザーに直撃してしまった。

 そんな俺を見て未来の俺は不敵に笑った。

 

「これで俺は最強だ!」

 

 しかし、俺に全く身体的変化はなかった。

 能力を奪われるとか言っていたので、力が抜けていくのかと思ったが、全くそんな気配はない。

 不思議に思い、未来の俺を見ると未来の俺の顔に焦りが見えていた。

 

「なんで、奪えないんだ!」

 

 なんと、身体的変化がなかったのは、どうやら俺から能力を奪えていなかったかららしい。

 しかし、なんで能力を能力を奪えていないんだ?

 

 そこまで考えた時、俺は一つの可能性が頭に浮かんだ。

 

「お前、自分から能力を奪ったことってあるか?」

「自分から? んな事できるわけ――そういうことか!」

「そう、俺はお前自身。今言ったよな、自分から能力を奪うことは出来ないって……つまり、お前は能力を能力を奪うことは出来ない」




 はい!第103話終了

 衝撃の事実。真の力では今までは未来の真に勝つことは出来ないと思われて来ましたが、本当は未来の真の弱点とは真だったんですね。

 自分自身からは能力は奪えない。それは、例え別世界の自分だったとしても自分であることには変わりないということなんですね。

 この調子で未来の真の隙を突いて勝つことは出来るのでしょうか。

 それでは!

 さようなら

好きな神は?

  • シャロ
  • 紅蓮
  • 彼方
  • シャドウ
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。