無意識の恋 Second stage   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです

 投稿遅れてしまい、すみませんでしたぁっ!



 それでは前回のあらすじ

 地獄を水晶で見ている地上のメンバー。

 その中に映る真を見てこいしは心配が尽きない。

 しかし、パラレル真の略奪は真には通用しないと判明し、一安心。

 果たして真はパラレル真に勝利することが出来るのだろうか。



 それではどうぞ!


第105話 奥の手とは言わないだろうな

side真

 

 あいつは俺から能力を奪うことが出来ない。つまり、事実上、本当にあいつを攻略できるのは俺だけだってことだ。

 なので、あいつが使えない技を使えばあいつの不意を突けるかもしれないけど、今攻撃してみて俺は気を引きしめる思いだった。

 なにせ、この幻想郷にもまだ俺の知らない人もいるはずだ。知らない実力者、霊夢とかなら結構知っているから対処出来るかもしれないけど、そういう人の技を使われてしまったら俺もあいつと同じ状況になってしまう。

 

 あいつが俺の技のことを知らないのと同じように俺もあいつの技のことを知らないのだから。

 

「く……まさかお前が俺の一番の障害になろうとは、全く思わなかった」

 

 初めて未来の俺が苦悩の表情を浮かべた。

 その表情を見れて俺は安心する。もしかしたら俺は全然未来の俺に迫ることが出来ないのではないかとすら思っていたのだから。

 だけど、未来の俺は今、俺を倒すために全力で頭をフル回転させている。

 

 パラレルワールドとはいえ、未来の俺だ。あっちの方が経験は上だろう。

 攻略法がわかったところで厳しいのは俺の方だろう。だが、着実に俺は未来の俺に迫ってきている。そう感じる瞬間でもあった。

 多くの人の力を借りて俺はこの場に立っているのだ。負ける訳には行かない。

 

 それに――

 

「ふふっ」

 

 こんな状況だって言うのに俺は笑みがこぼれてしまっていた。だが、相手は未来の俺だ。集中しないと直ぐに足元を掬われる結果となるだろう。

 なので、油断だけは絶対にしない。そして、じっと未来の俺を見据える。

 

 未来の俺は遂に霊力刀を作り出した。それを見て俺も霊力刀を作り出す。

 この体での霊力コントロールはなかなか難しいものの、先程の一連のやり取りでコツを掴むことが出来た。これは恐らく能力の賜物だろう。

 俺の能力【都合が異移状況を作り出す程度の能力】。あまり役に立たない能力ではあるものの、こういう時に不意に発動してくれるのでだいぶ助かっていたりする。

 

 しかし、剣を使って戦うのにはもう一つ懸念点がある。

 

「筋力の差はどれほどなのだろうか」

 

 俺はかなり筋力トレーニングを積んできたつもりだ。しかし、それでも戦ってきた期間を全て埋めることは出来ないだろう。

 だから少しでもその筋力差を埋められるように動く必要がある。今までよりも頭を駆使する戦いになりそうだ。

 

「それじゃ、行くぞ未来の俺っ!」

「っ。いくら努力しても必ず埋められない差ってものがあるってことを証明してやるっ!」

 

 俺は未来の俺に向かって走っていく。それに合わせて未来の俺も剣を構えた。

 このまま真っ直ぐ正直に突っ込んだとしても俺が力負けする未来しか見えないので、俺は横に飛んだ。

 

 しかし、さすがは未来の俺だ。かなりの反射神経の持ち主のようで、俺のことを目で追ってきている。絶対に俺を視線の先から離さないその動体視力はさすがと言えるだろう。

 だが、俺も伊達に修行してきたわけじゃない。その力を一度試してみようか。

 

 そう思い立った俺は剣の持ち方を変え、大きく後ろへ振りかぶった状態で、未来の俺に剣を向ける。

 そして俺はその剣を未来の俺に真っ直ぐ投げた。

 すると、当然未来の俺は俺が投げた剣を剣で弾いたのだが、俺だから知っている。一つのことに集中したらもう一つのものが見えなくなる。

 

 そのことを知っていたので、俺はその剣を囮として一気に未来の俺に接近をする。

 そして弾いた後に俺が迫ってきていることに気がついたのか、ギョッとして状態を反らす。だが、今気がついたところでもう遅い。

 

 俺は右手のひらに霊力の玉を作り出して、それを俺は思いっきり未来の俺の腹に叩きつけた。

 

「霊縛波っ!」

「ぐ、はっ!」

 

 これには未来の俺もさすがに対処しきれない。もろにくらった未来の俺はものすごい勢いでぶっ飛んでいく。

 途中にある岩などはぶっ壊しつつ、ものすごい勢いで飛んでいく未来の俺を見て俺は小さくガッツポーズを取った。

 今までだったら一撃すら与えることが出来なかったはずだが、今回はまともなダメージを与えることが出来た。その事に少し感動すら覚えていた。

 みんなが俺に力を与えてくれる。

 

 俺は確実に強くなっていたんだ。

 

 すると、今度は向こう側から何がものすごい速度で俺の方に突撃してきているのが見えた。

 さすがにあの速度だったら今から回避しようとしても間に合わない。なので、近くに落ちていた大きい岩を使って縦のように構えた。

 

 すると、ものすごい勢いで突っ込んできた何者かが俺の持った岩にぶつかると俺にものすごい衝撃とレーザーを放ってきた。

 

「ぐっ」

 

 その勢いに負けてしまい、少しだけ吹っ飛んでしまう。

 何がぶつかったのだろうか。そう思っていたら、そこに居たのはやはり未来の俺だった。

 しかし、今のはどう見ても霊縛波。この技は俺が最近会得したもの――そういうことか。あっちの世界の妖忌さんと戦ったのか。

 妖忌さんから霊縛波を奪った。そう考えれば辻褄が合う。

 

 そして、恐らくクレアの方は未来の俺が闇落ちした時にはライト――ダークはまだクレアを会得していなかったし、燐火たちに関してはあの頃はまだ露見してきていない。

 そもそも、あいつらにとって世界を破壊している人を止める道理はなかっただろうし。

 

「さて、今のが奥の手とは言わないだろうな」

「当たり前だ」

 

 確かに、最高火力が通用しないかもしれないのは辛いが、それでもまだ策が無いわけじゃない。

 絶対に俺は未来の俺を超えて、自分の力を、みんなの力を証明してやる。こいつが捨てた全てを、その強さを味わわせてやる。




 はい!第105話終了

 もう少しこの章は続きますかね。まぁ、僕もどれくらい続くかは分からないんですけどね。

 それでは!

 さようなら

好きな神は?

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