無意識の恋 Second stage   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 シャロ、彼方を引き連れて紅魔館へと帰ってきた真。

 そこで真はどうにか彼方からクレア王のことを聞き出せないものか考え、酔わせて油断した隙に聞き出すことにしたのだが、なんと彼方は全く酔わない。どうやら少しのアルコール量だったら体内に入った瞬間に破壊されるらしい。

 その事にガッカリしながらも罪悪感を感じる真だった。



 それではどうぞ!


第113話 聞き出そう②

side真

 

 あのあと俺と彼方は店を後にしてそのまま紅魔館へと帰ってきた。

 早めに行動したいのだが、彼方の意思が硬いのでなかなか進展がない。

 

 とりあえず酒を飲ませる作戦は失敗だ。あれからもっと強い酒を飲ませた。あの居酒屋にある一番強い酒を飲ませてみたが下がヒリヒリするとは言っていたものの、全く酔う気配はなかった。

 恐らく彼方の破壊ではこの市販にでまわっている程度のアルコール度数じゃすぐに破壊されてしまうのかもしれない。

 

 そして次の日、今日もまた彼方に聞き出すつもりだ。

 昨日寝る前に考えた作戦としては彼方は神様をやってはいるものの、精神年齢は子供のままで止まっている。つまり、買収ができるということだ。

 実際、この前買収をしようとしたら揺らいでいた。

 

 彼方は人里の料理とかがかなり気に入っている様子だった。なので、今日も彼方を引き連れて人里に行く予定だ。

 

「よし、行こうか」

「やった!」

 

 人里で食べ歩きと聞いてテンションが上がっている彼方。

 だが一方で少し不機嫌になっている人がいた。俺の事をジト目で睨んできている。

 

「シャロ、どうしたんだ?」

「べっつにー」

 

 本当にどうしたのだろうか。

 別にとは言ったものの、雰囲気からは不機嫌さが隠しきれていない。

 困った、シャロを怒らせたら不味いことになるかもしれない。今度お世話になるんだから機嫌を取っておいた方がいいのは確かだ。

 別にこの食べ歩きは俺と彼方じゃなきゃいけない訳でもない。

 

「じゃあシャロも一緒に行くか?」

「え、ほんと!?」

 

 俺が提案した瞬間、とんでもなく輝いた表情を見せてきた。やはりシャロも一緒に行きたかったのだろう。

 珍しいメンバーだがこれも悪くない。このメンバーで俺たちは人里へ向かった。

 

 ☆☆☆☆☆

 

 人里へ辿り着くともうお昼時になっていた。というか、昨日は夜更かしして作戦を練っていたので俺の起きる時間が遅かったというのもある。

 お昼時なのでとても美味しそうな臭いが漂ってきている。それを嗅いで彼方はとても目を輝かせている。

 

 人里に来て外食をするのはたまにあったけど、こういう風に食べ歩きメインで来るのはかなり久しぶりな気がする。

 

「シン、シン! これは?」

「煎餅だな」

 

 和菓子屋の前に来た彼方は煎餅を指さして目を輝かせる。

 そういえば煎餅はここ数年食べていないな。久々に食べてもいいかもしれない。

 

「煎餅三つください」

「あいよ」

 

 俺は煎餅三つ分の代金を支払って煎餅を受け取る。

 煎餅からは醤油のいい香りが漂っている。それを二人にも渡す。

 気になるのは彼方の反応だ。あの様子だったら彼方は食べたことがないのだろう。どうだろうか、口に合うだろうか。

 彼方はパクリと一口。そして彼女の口から出た言葉は――

 

「おいひい」

 

 完全に蕩けたような表情をして幸せそうな声で言う彼方。それだけで本気で美味しいと思っているんだろうなということが伝わってきて微笑ましくなる。

 それを見てから俺も一口食べる。

 

 うん、この幻想郷に来てから煎餅って食べたことがないんだけど下手したら日本で食べた煎餅よりも美味い。

 醤油の風味がとてもいいアクセントとなっている。

 

 次にやってきたのは、

 

「いらっしゃ――あ、真さん」

「よ、ミスティア」

 

 ミスティアの屋台だった。

 やっているというのは聞いていたものの、地味に来たことがなかった。

 霊夢たちはよくミスティアの屋台で飲んでいるという話を聞いていたので来てみたくなったのだ。

 

「後ろに連れているのは――」

 

 そこでミスティアの表情が険しくなる。

 

「真さん」

「はい?」

「ダメじゃないですか。彼女さんがいるのに他の女性をしかも二人も侍らせて」

「いや、これは違うんだ」

 

 彼方はよく分からないと言った表情をしているが、シャロは明らかに不機嫌な表情だ。どうやら俺とそういう関係だと見られたのが嫌だったようだ。

 それからしっかりとミスティアにこの二人はそういう関係じゃないと説明して少し腑に落ちない様子だったけど何とか納得してもらうことに成功した。

 

 というわけで注文をするのだが、ここにはどういうメニューがあるのかが全く分からない。

 

「何がおすすめなんだ?」

「そうですね、ヤツメウナギなんてどうでしょうか」

「ヤツメウナギか……じゃあそれを三つ貰うよ」

「はーい」

 

 注文をすると直ぐにヤツメウナギなるものを焼き始めた。

 率直な感想を言うと見た目がかなりグロい。だが、行為物に限って美味かったりとかするから侮れないのだ。

 

「はい、ヤツメウナギです」

「じゃあ、これ勘定」

「はい、ありがとうございます。またいらっしゃってくださいね」

「あぁ」

 

 ヤツメウナギを受け取って代金を支払う。

 二人に配ってから再度その手の中にあるヤツメウナギを見てみる。

 やはりグロい。だが、ミスティアのオススメなのだ。食べてみよう。

 そして俺は意を決して一口。

 

「美味い」

 

 見た目はかなりグロかったもののその味はとても美味かった。

 二人の様子を見てみてもとても美味しそうにヤツメウナギを食べていた。

 これはいいものを食べさせてもらった。今度見かけたらまた来てみよう。

 

 さて、次はどこへ行こうか。




 はい!第113話終了

 食べ歩き前編ということでね。

 果たして真は彼方からクレア王の使い方を聞き出すことが出来るのだろうか。

 それでは!

 さようなら

好きな神は?

  • シャロ
  • 紅蓮
  • 彼方
  • シャドウ

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