それでは前回のあらすじ
彼方にクレア王を教わろうと必死に彼方から聞き出す方法を模索する真。
だが、彼方のガードはなかなか固く、聞き出すことが出来ない。
そこで真は最後に太陽の畑に向かい、修行することにした。
それではどうぞ!
side真
「なんでよりにもよって……」
「あ? クソガキ、何か言いたいことがあるのか?」
「別に〜」
彼方はいつもの調子のようで、幽香さんに突っかかって行っている。
暫く色々なことがあったせいで久々のように感じるが、ついこの間までここで修行をしていたんだよな。
……まだまだ教わりきれていないことが山ほどある。
幽香さんの本気がどれくらいのものかは知らないけどもものすごく強いというのは分かっている。
だから再び俺はこの幽香さんに修行をつけてもらいに来たのだ。
恐らくクレア王にはなんらかの秘密があるのだろう。そこに彼方が俺に言いたくない理由が含まれているはずだ。
確かにこいしをやったやつを仇討ちしたい。だけど、それをする上で彼方を悲しませたいとは思わない。
とりあえず今は俺自身で出来ることをしよう。
「幽香さん、俺に修行をつけてくださいっ!」
「ほう?」
幽香さんは俺の事をじっと見すえてくる。
顔がかなり怖いので迫力があるが、俺は目を背くことはせずにじっと幽香さんの目を見る。
すると優香さんは額に手を当てた。
「ふ、あははははは」
「へ?」
そして急に笑い始めた。
あの目は何をしてくるか分からないと覚悟をしていたが、急に笑い始めたもので、拍子抜けをしてしまった。
「あの小僧がすこし地獄に行っただけでここまで変わるか……。最初に来た時とは訳が違う。その目は今までとは違う、覚悟をしたものの目だ」
「そうですね」
こいしを失って心情が変わったかもしれない。これ以上、犠牲を出さないために俺は強くならないといけない。
それにこいしたちを襲ったやつを野放しにしていたら幻想郷が危ないかもしれない。だから俺はそいつらと戦うだけの力が欲しい。その為ならば何でもする。
「シン……」
すると彼方が一瞬、悲しそうな表情になったのが見えた。恐らくクレア王に関係することなのだろうが、どうして今の流れで悲しそうな表情になったのかが分からない。
「ふむ、じゃあどれほど強くなったかまずは組手をしようか」
「え」
まさかあの幽香さんがいきなり組手をしようと言ってくるとは思いもしなかった。
いつもならば特訓メニューを与えて家の中に篭ってしまうのだが、これはチャンスかもしれない。
この戦いで幽香さんの戦いを少しでも盗む気持ちで戦おう。
恐らく今の俺の全力でも幽香さんには敵わない。だけど、一発でも攻撃を加えて認めさせてやる。
幽香さんは少し広い場所まで移動するとそこで立ち止まってこっちを向いた。
「それじゃあ来な」
「行きますっ」
俺は幽香さんに向かって走り出す。
幽香さんはと言うといつも通りに日傘をさして余裕の態度だ。しかし隙は全くない。そこら辺はさすが幽香さんと言ったところだろう。
だが、今の俺だったら幽香さんの攻略法を編み出すことが出来るはずだ――
「ぐはっ」
近づいた瞬間、俺の体はいつの間にか宙を舞っていた。
ものすごい衝撃で、周囲にも衝撃波が広がって行っている。
今の攻撃、全く見えなかった。
くそ、今回も一矢むくいることは出来なかった。その悔しさを胸に俺は意識を手放した。
☆☆☆☆☆
あれ、ここはどこだ? 手足の感覚がない。真っ暗な空間だ。
顔は動かすことは出来るが、動かしたところで真っ暗で何も見ることが出来ない。
すると急に目の前に映像が映し出された。
少し砂嵐のようになっていて白黒で見にくいもののハッキリとその映し出された人物を認識することが出来た。
――彼方だ。彼方が泣いているのだ。
よく見えないからどうして泣いているのかはハッキリとは分からないけども恐らく原因は彼方が抱きしめている人物。
これは嬉しくて抱きついて泣いているようにも見えなくもないけども俺は雰囲気で察してしまった。なにせ、彼方の顔はとても悲しそうなのだから。
すると今度は映像だけでなく音までもが聞こえてきた。
『……って言ったじゃん』
言った? 何を言ったんだ?
『死なないって……言ったじゃんっし――」
そこで音が途切れ、映像が切れた。
その瞬間、俺の意識は別の場所に移った。
目を開けてみるとそこは幽香さんの家の一室だ。俺はそこのベッドに寝かされているのだ。
そういえば幽香さんと組手をしていて瞬殺されてしまったんだっけか。……なさけねぇな。
結局一発も入れるどころか近づくことすらも出来ずに終わってしまったんだ。
こんなんじゃダメだ。もっと力を手に入れないといざと言う時にまた仲間を守ることが出来ない。
それにしてもあの夢はなんだったんだ? あの映像、内容がとても気になるものだった。
俺は彼方が泣いている姿を一度も見た事がない。なのでとても不思議に感じた。
恐らく状況から考えてあの彼方が抱いていた人物は……死んでいた。ということは彼方はその事について泣いていたいのだろう。
どんなやつだったかよく見えなかったから分からなかったけども上半身は裸で、黒髪の男だった。そして全身ボロボロで恐らく戦って死んだのだろう。
どうしてあんな夢を見たのかは分からないけども何となく俺の勘が言っている。あの夢は重要だって。
side幽香
あの瞬間、私は咄嗟に攻撃してしまった。本当はあんな攻撃をするつもりはなかった。だけど出てしまった。
それは何故か、身の危険を感じたから。
海藤 真。本来ならば軽く攻撃を捌いて終わらせるつもりだったんだけどもあいつの覇気を浴びてやらなきゃやられるという危機を感じた。それで咄嗟に出てしまったのだ。
確かにあいつは成長している。だけどもその成長の方向が一歩間違えたら奈落という方向に成長してしまっているような気がする。
「あれは目を離したら直ぐに自分の命をかなぐり捨てるぞ」
はい!第115話終了
果たして真は幽香との特訓をしてこいしたちの敵討ちをすることが出来るのでしょうか。
そして彼方が秘密にしたがるクレア王の秘密とは一体。
それでは!
さようなら
好きな神は?
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紬
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シャロ
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彼方
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シャドウ