無意識の恋 Second stage   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 幻想郷へとやってきた真と一輝

 そこは博麗神社だったが、霊夢は居なかった。

 一輝と共に無意識を感じる方へと向かう真だったが、その道中でルーミアに遭遇。

 真は一輝の実力が見たかったため、一輝をルーミアに売る。

 一輝とルーミアの戦いはルーミア有利かと思われたが、一輝は完全にルーミアの動きを読み切り、圧勝した。

 さぁ、こいしの元まではあと少しだ。



 それではどうぞ!


記念第8話 上には上が……

side真

 

 少し歩き、俺たちはようやく城の真下までやってきた。

 近くで見てみると、その城はなんだか紅魔館と地霊殿を足して2で割ったような見た目をしていることに気が付いた。

 そしてあの城からは膨大な霊力を感じる。おそらく俺たちが空を飛ぶのと同じようにあの城も霊力を使用して空中浮遊をしているのだろう。

 しっかし、あの城を浮かせられるほどの霊力って言ったらものすごい量の霊力が必要になるはずだ。いったい、どれほどの力の持ち主があの城の中にはいるんだろうか。

 

「そんじゃ、俺に捕まってくれ。全力で飛ぶから振り落とされないようにな」

「あぁ、了解だ」

「《マイスペース》」

 

 その瞬間だった。

 突然背後から冷気が襲い掛かってきたため、俺と一輝は飛行を中止し、慌てて飛び退いた。だが、冷気は地面を凍らせ、着地した瞬間、右足が凍り付き、動かせなくなってしまった。

 このままだと俺だけではなく、一輝も凍って動けなくなると考えた俺は勢いよく振りかぶって凍った地面の範囲外まで一輝を思いっきり投げ飛ばした。

 

「なるほど、自分を犠牲に仲間を逃がしたか。追いかけるのもめんどうだからそこで仲良く凍っていればよかったものを……」

「お、お前は……誰だっ!」

 

 俺が問いかけ、瞬きをして目を再度開けた瞬間、俺の首元に刀の刃を突き立てながら俺の目の前にその男は立っていた。

 銀髪で鋭い目つきだ。かなりの威圧感があり、霊力量もこの世界に来てから見た中では一番の霊力量だ。

 それに、一瞬で俺の目の前まで移動してきた。咲夜と似たような能力なのか? わからない。ただ、一つわかることと言えば、俺は今からこいつに殺されるということだ。

 

「妖夢はどこだ」

「よ、妖夢?」

「しらばっくれても無駄だ。この城に妖夢がいることはわかっている。観念しろ」

「っ! も、もしかしてお前も––」

 

 その瞬間、突然視界が傾いた。別に俺が首を倒したわけじゃない。突然の出来事でよくわからなかったが、すぐに理解した。

 俺はこの男の持っている刀によって首を一刀両断されてしまったということだ。相当頭に来ている様子だ。

 様子を見るに、妖夢も攫われてしまってこの男が探しに来たということなのだろう。だが、さすがに事情を聞かずに首を斬るのはどうかと思うんだけどな……。

 しかし、この状況でも動じなくなってしまっている自分が怖い。

 

 なにせ、体が木っ端みじんに爆散したことだってあるくらいだしな。

 

 俺は冷静に斬られた首をキャッチすると再度元あるべき場所に戻した。

 

「いきなり何するんだよ……」

「っ、お前こそなんで死なねぇんだよ。首切られたんだぞ。まさか不死身か?」

「いや、死にはするけどさ」

 

 それにしても今のは切り口が鮮やかすぎて全く痛みを感じなかったな。

 だけど、体的にはかなりのダメージだっただろう。俺の能力、【致命傷を受けない程度の能力】が無ければ今頃死んでしまっていた。

 

「そうか、なら、死ぬまで斬るだけだ!」

「うわっ!」

 

 突然銀髪男は再び刀を振るってきたので咄嗟に俺も霊力刀を作り出して応戦した。

 一撃がものすごく重い。気を抜いたらあっさりとやられてしまいそうだ。

 全力で戦うにはやっぱりこの凍っている足が邪魔だ。だから俺は自分の足を霊力刀で一刀両断させ、その足を新しく生やした。妖怪の血が混ざっているせいで再生能力が異常なんだ。それに、体の欠損は致命傷だ、だから生える。

 

「っ、妖怪か。なるほどな。空砲《空気銃(エアガン)》」

「遠距離!? 狙撃《スナイパー》」

 

 少し距離を取って銀髪男が遠距離の弾幕を放ってきたので、俺は足元にある石ころを手に取って全力投球した。

 お互いの攻撃がぶつかり合い、俺たちの間で大爆発が巻き起こる。その次の瞬間、背後から殺気を感じ、咄嗟に俺は刀を背後に振りながら飛び退くと、ちょうど俺の刀が銀髪男の刀をはじいて銀髪男を弾き飛ばすことができた。

 なんなんだ、この男の能力は。瞬間移動、謎の弾幕、氷のフィールド、全くつかむことができない。

 

 複数能力を持っていると考えていいんだろうけど、全くどんな能力なのかが想像つかない。

 

「霊縛波!」

 

 手のひらに霊力の球を作り出し、一気に銀髪男へと接近し、この霊力の球を叩きつけた。

 

「空符《君と俺との間の空間》」

 

 だが、その霊縛波は銀髪男の周囲に展開された謎の見えない壁によって阻まれ、霊縛波は発動したものの、全く銀髪男にダメージを与えることはできなかった。

 霊縛波は俺の最高火力の技だ。まさかこれを防がれてしまうとは夢にも思っていなかった。

 

「凍てつき永遠の眠りに落ちろ。氷符《アイスロック》」

「っ!」

 

 謎の壁が消えた瞬間、銀髪男は素手で俺の服をつかんできた。その瞬間、俺の体が徐々に凍り始めた。

 今までに感じたことが無いほどの冷気によって急速に俺の体が冷凍されて行っているのが分かる。凍らされた場所の力が全く入らない。体内まで凍ってしまっているようだ。

 徐々に俺の体は凍っていき、ついには顔だけが残った状態になった。

 

「くそ、強いっ」

「終わりだな。空符《アイスブレイカー》」

「がぁっ!」

 

 銀髪男がその技を使った瞬間、俺の体内にものすごい衝撃が走り、体が一気に膨張して破裂し、俺の胴体が粉々になった。

 再び俺は普通ならば死んでしまうような攻撃を受けてしまった。

 俺は死なないけど、そんな攻撃を受けてしまった時点で俺の負けのようなものだ。つまり、俺は2度もこの銀髪男に敗北してしまった。

 だけど、まだまだだ!

 

 破裂した肉片がひとりでに俺の体に集まってきて再び俺の体を形成して再生した。

 だが、今のはものすごい激痛が走った。もう食らいたくないものだ。

 

「わぁ、キメェ」

「ちょっと傷つくんだけど」

「だって、本当の事だからな」

 

 確かに肉片がひとりでに動いて再生するのはきもいかもしれないけど!

 だけど、このレベルの攻撃を何度も食らい続けたらさすがに俺の命も危ないかもしれない。この後強い敵との戦いがあるからとためらっている場合じゃない。

 死んだら、そこで終わりなんだから。

 

「クレア……」

 

 ついに俺はクレアを発動させた。

 心は冷静に、そして霊力を完全に操作できるようになった。さっきまでとは攻撃の質が180度変わってくるぞ。

 

「霊力を完全に隠せる人は初めて見たな」

「俺も、お前ほどよくわかんない能力の奴は初めて見た」

「そうか、じゃあ、死ぬまで何度だって殺してやるよ!」

「っ!」

 

 突如として背後から殺気を感じたため、背後に刀を振ると、ちょうど俺の刀が背後に突然移動した銀髪男の刀を防ぎ、押し合う状態になった。

 すると銀髪男は回し蹴りを放ってきたため、俺も応戦し、蹴りを放つことで蹴りも防いで見せた。

 その瞬間、額に銃の形にした右手の人差し指の指先が当てられた。

 まずい、そう思った時にはすでに遅かった。

 

「空砲《空気銃(エアガン)》」

「だはっ」

 

 指先から離れた超高威力の球は俺の頭を貫通して飛んで行った。その強烈なダメージによって一瞬意識が飛びそうになったが、何とか持ちこたえて体を再生させる。

 そして腕にクレアの霊力を纏わせてクレア装を発動させる。

 

「はぁぁぁっ」

「っ! さっきより重いっ!」

 

 俺はクレア装を纏わせた右腕で銀髪男を殴りつけ、銀髪男は咄嗟に腕をクロスして防御したが、俺は関係ないとばかりにそのままの勢いで殴り飛ばした。

 なんとか今のは至近距離だったというのもあって銀髪男の反応速度を超えて殴り飛ばすことができたが、さっきのバリアみたいなものを使われていたら今のパンチも無力と化していた。

 正直、今まで戦ってきたどんな能力よりも厄介な能力だ。非常に戦いにくい。

 

「っ! かはっ」

 

 殴り飛ばし、殴り飛ばした方を見据えていると背後から刺される感覚がして胸から刀の先端が生えてきていた。貫かれたのだ。

 まさか、殴り飛ばされたあのままの体制から即移動して俺に刀を突き立てて来たとでもいうのか。

 

「へ、今のは痛かったぞ」

「そ、そうか……よかったな」

 

 異常なまでの体感、反応速度、適応速度。どれをとっても人間技じゃねぇ。

 だけど、こんなところで死ぬわけにはいかないんだ。

 

「俺は、平和に新婚旅行をしたいだけなんだよ。だから、それを邪魔する奴は全員ぶったおす!」

「っ!」

 

 俺はついにクレア王を発動させ、胸の筋肉に力を入れる。

 すると俺に突き刺した刀は抜けなくなったようで、すました表情をしていた銀髪男の表情は驚愕の色に染まった。

 そして俺は思いっきり振り返ってそのままの勢いで回し蹴りをして銀髪男を蹴り飛ばした直後、手のひらに霊縛波を作り出すと、がっと握りしめて投擲の体制で構えた。

 

「霊縛波、狙撃《スナイパー》」

 

 霊縛波は通常、使用者の手から離れると霊力が分散してしまって消滅するのだが、狙撃《スナイパー》の速度ならこの距離だったら消滅する前に直撃する。

 霊縛波を狙撃《スナイパー》の力を借りて投げ飛ばすと、そのまま銀髪男に霊縛波が直撃した。

 

「があぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

 

 妖忌さんの使う霊縛波は山をも吹き飛ばすほどの威力を持っている。さすがに俺の霊縛波にはそこまでの威力はないが、それでも森を吹き飛ばすほどの威力を誇っている。

 無事でいられるはずがない。

 

 俺はその隙に背中に突き刺さった刀を抜いて投げ捨てた。

 

「く、はぁはぁ……」

 

 さすがの銀髪男も肩で息をしていた。だが、その銀髪男には目立った外傷がない。

 これにはもう笑うしかない。

 

「今のは正直危なかったな。さっきまでとは威力がけた違いだ。危うくバリアが破壊されるところだった。咄嗟にバリアを張って正解だったが、く……さすがにダメージが……」

 

 どうやらバリアで防ぎはしたが、完全にダメージを無効化できたわけではないらしい。腕を抑えているということは腕にダメージを負ってしまったということなのだろう。

 あの男からは妖力が全く感じられないところから察するにおそらく普通の人間だ。簡単に傷が再生することもない。

 このまま押して押して押しまくれば勝てる可能性がある!

 

「霊妖斬!」

「取寄《サルベージ》、霊力斬」

 

 なんと銀髪男がサルベージという技を使った瞬間、俺の真横に捨てられていた刀が瞬間移動し、銀髪男の手の中へ、そしてそのまま霊力斬を放って俺に応戦してきた。

 だが、霊妖斬は霊力斬よりも威力が高い。これなら押し切ることができる。

 

「《瞬間移動》」

 

 その瞬間、突如として目の前に銀髪男が瞬間移動してきて刀を直接振るってくる。

 そういうことか、あの霊力斬は俺の攻撃に応戦するという思考にさせるためのブラフか! 本当の狙いは俺に直接攻撃をすることだったんだ。

 くそ、こいつの瞬間移動、厄介すぎる。

 

 そして俺は咄嗟に刀で防御をするものの、体勢が悪かったため、その威力に押し負けてその場に倒れてしまった。

 まずい。そう思ったが、遅かった。

 銀髪男は俺の体にまたがると両手で刀をもって俺の胸に突き立てると勢いをつけて振り下ろしてきた。

 また負けた。クレア王まで使ったのに勝てなかった。

 

 俺は再度胸に刀を突きさされることを覚悟して目を閉じた。

 その瞬間、女性の声が俺の耳に響いた。




 はい!記念第8話終了

 ついに2つ目のコラボ作品【東方魂愛想】の主人公、空頼裕太が登場しました。

 そして真と裕太の戦いはまさかの裕太の圧勝という結果に終わりました。

 二つの作品のバトルシーンの過酷さを見たら真の方が強いように思えますが、Twitterでもツイートしましたが、能力的には裕太の方が強いんですよね。

 クレア王では裕太の空間を操る能力には敵わないんですね。

 そして最後に聞こえた女性の声とは!?

 それでは!

 さようなら

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