それでは前回のあらすじ
目を覚ました真は部屋を出ると直ぐにもう料理が出来上がっていた。
その料理は幽香と彼方で作ったもののようで、料理はシチューだった。
真はシチュー好きであることが何故か彼方に知られていることに疑問を抱いていたものの、シチューが美味しかったので、そんなことは直ぐに気にならなくなった。
それではどうぞ!
side真
シチューを食べ終わったら俺は外に出た。
この前は倒れてしまったので、今度は倒れないように気をつけておく。
だが、あれくらいの攻撃で倒れてしまうなんて俺もまだまだだ。だから俺はみんなを守ることが出来なかったんだ……。
こいしたちはもう居ない。もう後悔しても帰ってこない。
ならせめて今いる人たちを絶対に守る。
そのためには俺はもっと強くならないといけない。
あの場にいた人たちはかなりの実力者が集まっていたと思う。だが、その状態で負けるということはかなりの力の持ち主だってことだ。
今度そいつらが攻め込んできたら守りきれるとは言いきれない。
どんなに苦労しようともそれがみんなを守るための苦労ならどんな苦労でも乗り越えてみせる。
「なんか、真君が今までよりも修行に力を入れているような気がする。でもあれじゃいつから体を壊しそう」
「うん、私も嫌な予感がする」
二人が何か話しているが、俺は修行に集中をしているため、周りの声は全く聞こえていない。
素振り、そして霊力操作。これを繰り返し行う。
そして筋トレも忘れない。筋トレをしていないと剣での攻撃で、撃ち負けてしまうことがある。
「紬……」
いつも一緒に戦ってくれていた相棒。その相棒が居ない。
あいつはいつもはかなり面倒くさいと思っていたが、いざ居なくなるとかなり寂しいものである。
龍生に関してもそうだ。
地霊殿組は揃ってやられてしまった。その心のダメージがかなりでかい。
でも、いつまでも落ち込んではいられない。かならず仇を討つ。
「馬鹿者」
「がはっ!?」
急に頭を強く叩かれてしまった。
かなりの衝撃だったため、地面に倒れてしまう。
「あ、やりすぎた」
「やりすぎたじゃないですよ! なんですかいきなり!」
「馬鹿者、自分の体の器を考えていないのか?」
「器?」
「器は自分の力を受け入れることの出来る大きさ。それは修行によって大きくなっていくものの、力よりも成長速度が遅い。だから自分の力に振り回される人っていうのが出てくる」
「な、なるほど」
「真はかなり人よりも器がでかい。妖怪の血も混ざっているからだろう。だけどもそれでも限界がある。そんな無理な修行を続けていたらいつか体を壊すぞ」
「……」
自分でも分かっていた。焦りすぎてこのままじゃ体を壊してしまいそうだと。
だけど、それでもやらないといけないんだ。
「やらせてください。俺はもっと強くならないといけないんです」
「執着心が凄いな」
俺の返答に幽香さんは呆れた様子だった。
幽香さんには分からないだろう。俺がこの世界にとどまっている理由、そしてどうしてここまで必死になっているのか。
もう大切な人を失いたくないんだ。
あの一瞬で俺は多くの大切な人を失ってしまった。もう一度大切な人を失うのが怖いんだ。
そこで彼方は真剣な表情になってこっちに歩いてきた。
なんの用だろうかとすこし身構えてしまう。今まで彼方はこんなに真剣な表情をしたことがない。
そんな彼方が第一声に言い放ったのは、
「そんなに死にたいの?」
そんな言葉だった。
質問の意図が読めなかった。どういう意図で質問してきたのかは知らないけども、そんなに易々と死にたいと思うはずがない。
確かにこいしたちのことを追って行きたい。この世界にもう希望を見いだせなくなった。だけどそれじゃこいしたちが報われない。
とりあえず今は――
「死にたくないな」
「だよね。普通はそう」
結局何が言いたいのか全く分からない彼方の言葉。
全てが意味不明だ。
「だけどシンの目はそう言っていない」
「え?」
「自分の命を捨てて皆を救えるんならそれでいいと思っている」
「……」
図星だ。
心を読まれてしまっていた。だが、確かにここ最近は必死になりすぎていたせいで、俺の感情はかなり筒抜けだったことだろう。
何も言い返せなくなった俺はただ俯くしかなく、それを彼方は肯定と判断したようだ。
「シンにクレア王を教えたく無かった理由はシンが命を捨てるから」
「命を?」
「うん。クレアはとっても強い反面、とっても危険な力なんだ。体に負荷をかけて無理やり力を強くしている面がある。だからかなり危険なんだ。そしてその位が高くなれば高くなるほど危険度が上がるって言うのは分かるよね」
「あぁ、」
「そしてクレア王はクレアの中で……最強の技。それだけ危険度は高い。それを使うとシンはもしかしたら自分の耐えきれる力を超えて戦ってしまうんじゃないかって思って」
「彼方」
つまり、今まで俺にクレア王を教えてこなかったのは俺のためだったってことか。
これが理由で今まで黙秘していた。
これを聞いて俺はもう彼方から聞き出そうとするのは止めようと思った。
なにせ、彼方も彼方で俺の事を思っていてくれたんだ。ならば、その気持ちを無下にする訳には行かない。
「ありがとう。そして今まで聞き出そうとしてゴメンな」
「シン、約束を守ってくれる?」
「え?」
「クレア王と
「……わかった。約束する」
「その返事が聞けてよかった。じゃあ、これから教えるね。最強のクレア、クレア王の使い方」
はい!第117話終了
真の姿に心を動かされた彼方。
果たしてクレア王とはどのようなものなのでしょうか。
それでは!
さようなら
好きな神は?
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紬
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シャロ
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紅蓮
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彼方
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シャドウ