無意識の恋 Second stage   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 真は修行を開始する。すると真は器を考えろと叱られてしまう。

 そして彼方が真にクレアと限界突破(ブレイク・ザ・リミット)を同時に使わないように約束させ、クレア王の使い方を教えることとなった。



 それではどうぞ!


第118話 世界一危険

side真

 

「クレア王はね、まず体力の消耗が激しいんだよね」

「それはなんとなく想像が着いている。クレアもそこそこ体力を消耗するから」

「そう。だからまずは体力をつけないといけない。シンの今の体力じゃもって数分が限界。例え最強のクレアといえどももっと時間が無いと正直厳しいところがあるからね」

 

 確かに。数分で決着をつけるってかなり厳しい話だ。最低でも一時間は欲しいところだ。

 だからまずは体力トレーニングをしないといけないってことか。クレア王を会得するまでの道のりは遠いけどもこれをクリアすればクレア王の使い方を教えて貰える。

 

「体力トレーニングなら、あれがあるわね」

 

 幽香さんはそう言って家の中に入っていった。

 いつも幽香さんは俺をいじめることを楽しんでいる。だから、とんでもないものを持ってきそうで怖いんだけども、幽香さんが戻ってくるのを待つことにする。

 

 数分するとなにか機械のようなものを持ってきた。そこそこ大きいけども俺でも持てなくは無いものだ。

 

「ってそれ、ランニングマシーンじゃ」

「ランニングマシーンってのは分からないけども、これはカッパがくれた運動マシーン、RNGMよ」

 

 うん、RNGM(ランニングマシーン)だね。

 だが、以外にも普通のものが出てきたので俺は心底ほっとした。幽香さんのドS加減は折り紙付きだ。だからもっとやばい物が来ると思っていたんだけど――

 

「ちなみに針つきよ。ここを引っ張ればあら不思議、落ちたら串刺しの刑よ」

「やっぱり普通じゃなかったぁぁぁっ!」

 

 どこが普通のランニングマシーンだよ! 落ちたら即死罠のある命懸けのランニングマシーンじゃねぇか!

 確かに俺はこの程度じゃ死なないけども痛みはあるんだからな! 刺されたくないからな!

 

 そしてよく見てみると何かが滴っているのが見える。そしてその雫が地面に落ちた瞬間、地面がジュっという音を立てて溶けた。

 うん、猛毒が塗られているようだ。なにこの拷問、傷は一瞬で治るけども毒はしっかりと効くんだからな!

 

「とりあえずこれで体力をつけよう」

「俺は嫌だぞ。体力が着く前に俺が死ぬ。確実に死ぬ!」

 

 確かに嫌でも体力は着くだろうよ。なにせ、命懸けなんだから。

 しかし、なんで幽香さんはこんなものを持っているんだろうか。まさか自分で使う訳でもないだろうし……。

 そういえば前、この畑を荒らした妖怪たちを拷問しているという噂を聞いたんだけど……まさかね……やらないよね?

 

「まぁ、シンならこのくらいでは死なないから大丈夫……だと思う」

「彼方、俺を売るのか!?」

 

 あんなに俺のことを心配してくれていたのに薄情なやつだ!

 だが、俺は大切な人を守る為ならばどんな事でもする覚悟だ。

 もう一度ちらっとランニングマシーンを見た。あれは俺でも死んでしまうかもしれない代物だ。

 

「でも、これを乗り越えると俺は強くなれる」

「え、真くん本気?」

 

 シャロが俺の事を正気を疑うような目で見てくる。

 俺は毒に触れてみた。すると直ぐにその毒は俺の皮膚を溶かした。

 半分妖怪の血が流れている俺はすぐに回復したが、これはかなり強力な毒だ。

 俺はほとんどの攻撃を無効化している。いや、ほとんどの攻撃のダメージを最小限に抑えていると言った方が正しい。だが、そんな俺に最も効くもの、それは毒だ。

 毒は人体をジワジワと蝕んでいく。それは俺の能力でも抑えることは出来ない。俺の能力は致命傷を受けない程度の能力だ。致命傷にならないダメージを継続で受け続けたら俺も死ぬ。

 

 今のもダメージこそ一瞬で回復したものの、ダメージを抑えることは出来なかった。しっかりと体にそのままのダメージを与えてきていた。

 

「お前とならば命懸けの勝負を出来そうだ」

「真くん、無機物に何言っているのさ」

 

 シャロに呆れられてしまったが、俺の腹は決まった。

 俺は今すぐにでも力が欲しい。その力が手に入る道があるのだとしたら今すぐにでも飛びつきたいくらいに。

 

「幽香さん、これを借ります」

「どうぞ。ただ、あなたが生きて修行を終えることが出来るかは分からないけどね」

「それでもやります」

 

 せっかく出してもらったんだからこれを使わない手はない。

 そして俺はランニングマシーンに乗り、ボタンを見てみるとそこには一つのボタンしか無かった。

 とりあえず、このボタンを押してみればいいのか。そう思って押して見た瞬間、俺の足はすごい勢いで後ろに引っ張られた。

 まさかこんな勢いで引っ張られるとは思っていなかったので、少し反応に遅れてしまい、かなり針にギリギリのところまで引っ張られてしまったものの、直ぐに体制を建て直して走り始めた。

 

「ほう、まさか一回目で走れるなんてね。初めての人はそのスピードに振り回されてぶっ飛ばされるんだけどね」

「それって俺以外の人は死ぬよね。俺でも死ぬけどね!」

「その針を出してやるドMはあなただけよ、真」

「これ、俺が好きで出してやっているわけじゃないですからね! あなたが出したんじゃないですか!」

 

 とりあえず俺はこれで体力をつけようと思う。




 はい!第118話終了

 世界一危険なランニングマシーン。あ、間違えたRNGMですね。

 それでは!

 さようなら

好きな神は?

  • シャロ
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