無意識の恋 Second stage   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 クレア王を会得するにはもっと体力が必要だということになった真は体力アップトレーニングをすることになったのだが――



 それではどうぞ!


第119話 一つのもの

side真

 

 あれから約一週間が経った。

 毎日太陽の畑に通ってドSランニングマシーンを使用して体力アップトレーニングをしていた。

 毎日極限の状態でやっているせいかかなり体力が着いてきたような気がしてきた。

 

 ランニングマシーンをした後はクレアを使用して霊力操作をする。これをすることによってクレアの状態に体を慣らす。

 それが軽々とこなせるようになったら今度は走りつつクレアで霊力操作をする。

 それを毎日コツコツとこなしているとどんどんと体力が着いてきて、疲れにくくなる。もう普通のクレアを使用しているだけじゃ体力切れを起こすことは無いだろう。

 

 そして遂に――

 

「こんなもんじゃないかな? じゃあ、クレア王の特訓を始めるよ」

 

 彼方は俺の体力が上がったのを確認して遂に特訓を始めると言い出した。

 俺はもう少しかかるかもしれないと思っていたが、かなり早かったので急にその話を出されてビックリしてしまった。

 

「クレア王の能力として感覚拡張。それから身体能力の大幅な向上が挙げられる。そして言わずもながらどのクレアよりも体力を消費するから体力を付けてもらってたんだよ」

 

 そこまで言うと彼方はどこからともなく石を取り出した。その石は大量あり、持ちきれなかったのか地面に置いている。

 俺はその石をどうするのか分からなかったので不思議そうに見ていると突然俺の方向へと振りかぶってきた。

 あれはどう見ても投げる体制だったので避ける体制に入った。

 

 そして彼方はその石を――地面へと叩きつけた。

 その姿を見て呆然としていた瞬間、叩きつけられるはずだった石はスキマの中に吸い込まれて行ってしまった。状況的にこれは彼方のスキマだろう。

 それと同時に俺の背中に固いものがすごい勢いで当たってきた。

 

「痛てーって、あれ?」

 

 そこにあったのは先程彼方が投げたはずの石だった。

 そして見てみるとスキマがそこには存在しており、彼方が石を投げ込んだスキマに手を入れてみると、背後の隙間から手が出てきたので恐らくこれは彼方がスキマの中に石を投げ込むと背後の隙間から出てくるという仕掛けのようだ。

 それを理解した瞬間、彼方が小気味よくパチンと指を鳴らすと俺は全方向を大量のスキマに囲まれてしまった。

 これ程全方向にあるとかなり気持ち悪いものだ。

 

「躱してね」

 

 なるほど、そういう事か。クレア王には感覚拡張って言うのがあった。これはそのための訓練だ。その感覚をより拡張する。

 そして彼方は再度地面のスキマへと石を投げ込んだ。

 すると今度はその石が上から落ちてきた。ただ、その石は何とか回避することは出来た。

 その石は俺が回避したことによって足元のスキマに入っていった。

 すると今度は左側から石が飛んできた。

 その石は回避することが出来ずに俺は当たってしまう。

 

 でも、これでよく分かった。投げこまれた乱反射する石を回避し続けろって言うことか。

 

 恐らくこれは完全にランダムに飛んでくるのだろう。それに加えてこのスキマは最初から出現しているので予測が不可能。かなりこれは難易度が高いな。

 本当にこれは感覚、反射神経を鍛える特訓というわけか。確かにこれならばかなり特訓になりそうだな。

 

「よし、来い!」

 

 それから俺はこの特訓をずっと続けた。

 最初のうちは本当に回避できるかも怪しかったものの、段々と飛んでくる石に反応することが出来るようになり、何回かは続けて回避できるようになってきた。

 ただ、まだ集中力が足りていないせいか途中で反応に遅れてしまって直撃してしまう。

 

 これはかなりの集中力を使う。集中力は霊力を操作する際にもかなり重要な要素なのだ。なのでこれによって霊力操作の質が向上する。

 霊力操作はクレアの強さにも影響を及ぼす。強いクレアを使える人は霊力操作が上手いのだと彼方は語った。

 

 そしてこの一個の回避ができるようになったら次は二個に増える。クリアする度にどんどんと個数を増やされるのだ。

 一個ができたとしても二個は異次元の難しさだった。なにせ、今までは一箇所のみに集中していれば良かったのだが、それが二箇所に増えるのだ。

 一個回避出来たとしても二個目の回避が難しすぎる。何度も直撃しまくって全く回避できない。

 

 それから一週間が経った。

 

「一個回避出来ても二つ目が……」

 

 未だに二個の壁を突破できずにいた。これは恐らくマルチタスク能力なんかが関係してくるのだろうが、俺は一度に複数のことを考えるのが苦手らしい。

 

「真君」

「なんだ? シャロか」

 

 考え込んでいるとシャロがやってきた。

 シャロは俺が座っていた場所の隣に座ると膝を抱えて体育座りのような体制になった。

 

「ねぇ、難しく考えすぎてるんだよ」

「難しく?」

「うん、あの石ってさ、二つでしょ?」

「まぁ、そうだな」

「それじゃ難しいよ。一度に複数のことを考え、そして複数のものを対処する。だけどね、あの状況でたった一つのものがあるんだよ」

 

 たった一つの物?

 石は二つだけどあの状況で一つだけのもの。恐らく石を回避するために重要なものなのだろう。

 となるとあの状況で一つのものと言ったら……。

 

「空気……」

「そう、空気だけは一つなんだよね。分離することは決してないただ一つのもの」

 

 だが、空気が一つと分かったところでどうしたらいいんだ……。

 そんなことをしていたら今日も特訓の時間になったので彼方が俺の元にやってきて石を回避する特訓が始まる。

 そこで俺はさっきのことを思い出していた。

 石は二つ、空気は一つ。それはどれだけ相手が増えたとしても変わりはしない。

 

「空気……」

 

 彼方が石をスキマに投げ込んだ。

 今まではそれを目視して回避しようとしていた。だが、俺は余計な視界をシャットアウトするために目を閉じた。

 真っ暗で何も見えない。風が(そよ)いでいる音のみが俺の現在ある感覚だ。

 

 その瞬間、何かが風を切る音が聞こえてきた。

 なるほどな。風は一つ、完全に飛んでくる方向が分かる。

 

 後はこれを回避するだけ。

 俺が体を捻って飛んできたものを回避すると、それは地面に落ちてスキマに飲み込まれた。

 すると瞬時に第二波が来る。しかし、それも風を切る音を参考に回避するとまた来る。

 

 その瞬間、音が三つに増えた。恐らく俺が見えていないだけで彼方が石を追加したのだろう。

 だが、やることは変わらない。回避するだけだ。

 

「やっとできるようになったね」

 

 その言葉を聞いて俺は目を開けた。すると目の前に石が飛んできていて直撃をくらってしまう。

 

「ぐ……どうだった?」

「ちゃんと回避出来てた。おめでとう」

「ありがとう。で、次は何だ?」

「これで特訓はおしまい」

「え?」

 

 俺は驚きの声を漏らしてしまった。

 まだ俺はクレア王を会得することが出来ていない。なのに彼方は特訓が終わったことを告げた。

 

「ねぇ、真。妖怪の山に行ってみて」

「妖怪の山?」

「そこで今回の騒動のすべてがわかる」

 

 全て……今回の騒動と言うと恐らくこいし達が襲撃を受けた件についてだろう。

 その事については気になっていたので、その話が聞けると言うのならば行かない訳にはいかない。

 

 俺は妖怪の山を目指すことにした。




 はい!第119話終了

 遂に修行を終えた真。果たして何が待っているのでしょうか?

 それでは!

 さようなら

好きな神は?

  • シャロ
  • 紅蓮
  • 彼方
  • シャドウ
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