それでは前回のあらすじ
こいしと真は二手に分かれて扉の先を探索することにした。
その先でこいしは森のようなところに出る。そこは異様な場所で不思議な匂いがしていた。
そこで見つけた寺院が怪しいと考えてこいしは寺院に入っていく。
そこにはシェールという科学者がおり、なんとこいしは毒を食らってしまう。
それではどうぞ!
sideこいし
この毒、強い。
私は思わず、その場に膝を着いてしまった。力が抜けていく。神経に作用する毒のようだ。
少しくらいの毒だったら直ぐに解毒できる。妖怪だからそんじょそこらの毒でやられるほど弱くはない。だけども、これはかなり強力な毒のようだ。
さっきシェールも言っていたけども、大人1000人は殺すことの出来る毒だって。
「君が助かる道理はないよ。それと、妖怪すらも殺すことの出来る毒だって言うことは実証済みだ。殺せなくても、妖怪でもその毒は分解できないようだった」
「なるほどね……確かに強い毒だね」
体の機能がどんどんと低下していき、内蔵が毒によって悲鳴をあげているのが分かる。
確かにこれは並の妖怪だったらもう既に死んでいたかもしれない。
そんな状態の私を狙ってシェールはナイフを持って突っ込んできた。
いくら弱っていたところで私は妖怪だ。人間にこの程度でやられるわけが無い。
弱っているので最小限の動きだけでシェールの攻撃を回避すると、シェールは驚いたような表情をした。
「へぇ、まだ動けるんだ。だけど、その毒は分解できないよ。どう? どんどんと毒が体を蝕んで、そして最後には体がぐちゅぐちゅになって死ぬ」
私は自身の手を見てみる。すると、青く変色しており、毒によるダメージは甚大だということが分かる。
そのまま両手をグッと握ると、周囲に弾幕を作り出した。
「最後の足掻きっていう事なのかな? いいねぇ、もっと足掻いてくれないと面白くないよ。僕はね、確かに動けない相手をボコボコにするのは大好きだけど、そうやって苦しみもがいて、最後の抵抗をしている奴の最後の希望を絶ってやるのも好きなんだ〜」
私の弾幕を見てとても嬉しそうな声を出すシェール。その声に柄にもなくイラッとしてしまった。
とにかく、私はここで死ぬ訳には行かない。
だけど、心配ないよ。真が危惧していたことは起こらないよ。だって私、強いから。
指をパチンと鳴らすと、周囲に浮いていた弾幕がシェールに向かって飛び始める。
すると、シェールはその弾幕を障害物を利用して回避した。かなりすばしっこいようだ。だけども、これで理解した。
彼はそんなに強くない。
所詮はこの毒に頼らないと強い相手には一切対抗できない。
あー。真だったら一瞬でこんな毒は分解出来るんだろうな。
でも、問題ない。
確かにこの毒だったら妖怪を殺すことが出来るのだろうけども、こいつは相手の力量を図り間違えた。
例えば一般人が死ぬ程度の毒じゃ、霊夢は殺せない。それと同様に、そこら辺の妖怪が死ぬような毒じゃ高位の妖怪は殺せない。
大人と妖怪を一緒にしてはいけない。
「ねぇ、貴方は私の強さを見た事があるの?」
「……どういうこと?」
「君のこの毒、多分幻想郷じゃ通用しないよ。確かにそこら辺の妖怪には効いたかもしれないけどね」
そこで漸く私は再び自身の手を見てニヤリと口元をゆがめる。
恐らく私が死ぬまで時間稼ぎをするか、私が完全に動けなくなってからトドメをさそうとしていたのだろう。だけど、相手が悪かった。
私の手はもうすっかりと元の色を取り戻していた。
「さて、この状況からどうする?」
「お、お前……毒はどうした」
「この程度の毒で私を縛り付けられると思ったら大間違い。私、妖怪の中ではなかなか強い方だと思っているんだけどね」
「そんな馬鹿な、大人でも1000人殺せるんだぞ!」
「人間と妖怪を一緒にしちゃダメだよ」
これが妖怪。人間とは耐性も、地力も何もかも違う。
シェールの敗因は私を人間と、そこら辺の妖怪と同列に考えたこと。
「これが私の力……本能《イドの解放》」
私の周囲からハートを象った弾幕が出現してシェールへと飛んでいく。
その弾幕は私の本気の弾幕だ。逃げようにも、力がない者だと、この弾幕の速度にはついていけなくて回避することは不可能だ。
「がぁぁぁぁぁっ!」
一切回避することは叶わず、シェールは全ての弾幕に直撃して悲鳴をあげた。
そのままシェールはその場に倒れる。
本当に毒に頼りきっていて戦闘能力は皆無だったようだ。そんな奴が妖怪に挑むなんて命知らずもいいところだ。
「私を殺すならば、今回の毒よりも1000倍は強い毒を作ってね」
もう聞いていないだろうシェールに向かってそう言うと私はどんどんと先へと向かう。
だが、さっきの毒のダメージは中々回復するまで時間がかかる。
真じゃあるまいし、爆散しても回復するっていう訳じゃないからね。そんなに回復能力は無い。
だけど、お陰で見つかったみたい。
「これがあのカプセルを動作させている装置なのかな? レバーのようなものがあるけども」
そこには何やらごちゃごちゃしていて私じゃ理解できないほどの精密な機械が設置されていた。
その中心部分に明らかに怪しいスイッチが存在している。恐らくこのレバーがあのカプセルのスイッチなのだろう。
今はレバーが上げられている。その状態でオンになっているということは恐らく下げるとオフになるのだろう。
だから私はレバーを下げてみた。
すると、目の前の機会は電気を失い、完全に動作を停止したようだった。
「さて、早く元の場所に戻らないとね」
私は急いで帰る。もしかしたら真ももう終わって帰ってきているかもしれない。
そんな期待を胸に私は来たドアを潜った。
はい!第127話終了
遂にこいしの戦いが終了しました。
こいしにはシェールが作った毒は通用しませんでした。
それでは!
さようなら
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