それでは前回のあらすじ
真は不可解な夢を見た。その夢が指していることとは?
それではどうぞ!
side真
「それにしても目が覚めてよかった」
「そういえば、俺が気を失ったあとはどうなったんだ?」
「あの後、みんなカプセルから解放されて、みんなであの空間を脱出したんだよ。彼方がスキマを使えるから」
「えっへん」
誇らしげに無い胸を張る彼方。
こいしの口ぶり的にはみんな助かったらしい。だけど、一人の犠牲の元にそれは成り立っている。
今回の戦いで俺が不甲斐ないばかりに紅蓮を死なせてしまった。戦いが終わったら紅蓮に修行をつけてもらう約束をしていたのだが、それは果たされないものとなってしまった。
犠牲者なしで異変を解決したかったが、これは俺の油断が招いた結果だ。
俺はまだクレア王を使いこなせない。このままじゃダメだ。クレア王を使いこなせないとまた同じことになる。
「真、体の方は大丈夫?」
「ん? あぁ、問題ないようだ。体は絶好調だ」
妖怪の回復力のおかげだろう。体は痛くないし、目立った傷も見当たらない。
だけど、あの時に出てきたサードアイが無くなっている。どうやらあれは一時的に感情が高ぶって出てきたものらしい。
未来の俺の感情が流れ込んでくるような感覚になった。
また今度、これも特訓して自由に使えるようにしたい。
「ねぇ、真。今博麗神社で宴会やってるんだけど、行けそうかな?」
「あぁ、問題ない」
「じゃあ、シン行こう!」
「その前にこいし」
「へ?」
俺はこいしのことを抱きしめた。
ずっとしたかった事。帰ってきてからずっとこいしにしたかった事。
あんなに近くにいたのに気が付かなくて、こいしのことを抱きしめることが出来なかったからいつも以上に強く抱き締めてしまう。
「し、真、苦しいよ」
「あ、悪い」
「でも、真を感じられて嬉しい。ねぇ、この指輪、貰ってから肌身離さず付けてるんだよ」
「それは嬉しいな」
またこいしと笑い会うことが出来てものすごく嬉しい。
「ねぇ、私がいることを忘れてない?」
「あ、悪い」
「ごめんね」
「もう……じゃあ私が永琳先生に言っておくから、先に行っててね」
彼方はそう言うと俺たちの目の前に隙間を作り出した。
「じゃあ、先に行ってるな」
「じゃあね」
「うん、また後で」
俺とこいしは一緒にスキマをくぐる。
通り抜けたその先は博麗神社の鳥居につながっていた。
もう空は真っ暗になって居る。その中、博麗神社から明かりが漏れているので、恐らく中で宴会をまだ続けているのだろう。
というか、俺はどれくらいの時間、寝ていたのだろうか。
「それじゃ、行こう?」
「あぁ、そうだな」
俺とこいしは並んで博麗神社へと歩いていく。その瞬間、背後から何者かが襲いかかってきたのに気が付いた。
咄嗟に俺は反撃をしようとしたものの、暗かったため、よく見えなくてあっさりと捕まってしまった。
俺とこいしは袋詰めにされて連行されてしまう。
やっと異変が終わったと思ったら、次は何が起こるんだ?
だが、こいしに危害を加えるならば相手が誰であろうとも許すつもりは無い。
少し移動すると床に下ろされる感覚が走る。
そしてそのまま袋の口が開かれて外に出される。
そこはとても明るい場所で、袋の中に入っていて暗いところから一気に明るいところに移動したせいで目がチカチカするが、徐々に明かりに慣らすと、何やら見覚えのある場所だと気がついた。
隣にはこいしも居る。
そして視界が治ると、俺は目を見開いて驚いた。
そこには俺の見知った皆が存在していたのだ。その事に俺は混乱してしまう。
「これより、海藤真と古明地こいしの結婚式を始めます」
背後に立っていた霊夢の一言で一斉に拍手をし始めるみんな。
一方、俺とこいしは状況についていけなくてポカーンとしてしまう。急な状況なのだ、仕方がないだろう。
攫われたと思ったらこの状況だ。混乱するなという方が無理な話だ。
「海藤真さん、古明地こいしさん、ご結婚おめでとうございます」
何やら惚けている間に龍生がスピーチを始めていた。
「って、ちょっと待て、この状況はなんだ?」
ようやく、俺の脳のフリーズは治ったので言葉を発することが出来た。
「あぁ、結婚式だよお前らの。ほら、帰ってきたら結婚すると言っていたけど、色々あったから出来なかったじゃん」
そういえば、俺たちは婚約したけどその後色々あったから結婚式を挙げることが出来ていなかった。
そこでこいしもようやく頭が追いついたようで、俺とこいしは目を見合わせる。そして、こいしは自分の薬指にはめてある指輪を見て笑みを零した。
「ありがとう、本当にありがとう」
「礼を言うなら彼方様に言ってくれ。あの人が俺たちに結婚式をサプライズで開催しようって言ってきたんだからな」
そうか、彼方が……。
また何か美味いものでも奢ってあげるとするかな。
だけど、永琳先生に挨拶するくらいで長いような気がするな。
何かあったんだろうか。
「あんたは行かなくてよかったのかい? 大切な人の晴れ舞台なんだろ?」
「私はいいよ、私は所詮ずっと隣にいることは出来ないんだから」
「だからといって私の家でストレス発散は辞めてくれるかな。食器が壊れまくりなんだけど」
「ごめん」
「はぁ、あんたは面倒くさい性格してるね。彼方」
はい!第135話終了
次回からは真とこいしは夫婦です。
それでは!
さようなら
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