それでは前回のあらすじ
視点は鈴音に移り変わった。
鈴音は他のみんなが強くなっているのに自分だけ強くなっていないことに強い自己嫌悪に陥り、ライトに修行を頼んだ。
ライトは最初こそ渋ったものの、最終的には修行をつけることになった。
その修行方法とは――森を制覇する!?
それではどうぞ!
side鈴音
私はライトに言われた修行を開始して数日が経った。
朝食を食べてから私は森にやってきては修行を始める。
木に登っては飛び移る。そんな簡単な体力トレーニング。
だけど、最初は重心を置く位置が分からなくて枝に立ったら直ぐに折れて飛び移る所の話じゃ無かったけど、今となってはゆっくりながらも連続して飛び移ることが出来るようになった。
「しかし、よくもまぁ飽きることなく毎日来るもんだなお前は」
「まぁ、一度やると決めたからね。途中で投げ出したくない」
「ほー。それは律儀なこって」
ライトは私に少し話しかけると一人で滝の方へと向かっていった。
その後ろ姿を少し眺めていると、初めの内はものすごく驚いたなと思うような光景が目に映る。
「滝を走って登るって……私はどれくらい修行すればあれくらい出来るようになるんだろう」
ライトは
既にあの動きが修行になっていると思うのは私だけだろうか?
でも、ライトは修行星人だからどれだけ強くなったとしても物足りないんだろうな。
それよりも私はこのトレーニングに集中することにする。
私は一刻も早く強くなって最前線で戦いに参加出来るようにならないといけないから。
それから更に二週間ほどが経過した。
ついに私はスムーズに木を飛び移ることが出来るようになっていた。
だいぶ体感も鍛えられている感じはあるし、何よりずっと走っていても少し疲れにくくなった。
「おい南雲姉」
「っ、ライト君?」
そこで急にライトが私を呼んできた。
ここ二週間は私のことを見かけても声一つかけなかったというのに、急に声をかけてきたので驚いてしまった。
「おい、降りてこい」
「どうしたの?」
「あぁ、お前がこんなに長く修行を続けるとは思っていなかったんだが、そろそろ体力も着いてきただろうと思ってな、面倒だが次の指示をしておくことにした」
私に全く興味が無さそうな態度をしていたライトが私のことをちゃんと考えて先のことを考えてくれていたんだ。
真とライトの性格は真逆に見えて根本は同じく優しいのかもしれない。
「おーい、お前から教えを願ってきたんだろ。早く降りてこい」
「分かった!」
私はすぐさま木の上から飛び降りてライトの目の前に着地した。
「さて、これからの新しい修行を伝える」
ライトはそう言うと滝の方へと歩き始めたので、私もその後をついて行く。
何度見ても大きい滝で、いつもライトがかけ登っている滝なのだが、これを見た限りでは全く登れそうには見えない。
この滝で何をするのだろうかと思っていたら、なんとライトは滝に腕を突っ込んだ。
そのまま数秒程静止したあと、思いっきり腕を引き抜いた。だが、その腕を見て私は驚愕してしまった。
「濡れて……ない!」
「あぁ、これは霊力を腕に纏わせることで水を弾いたんだ」
滝に突っ込んだ腕に霊力を纏わせて水を弾いて濡れないようにしたって言うことらしい。
そんな一部的に薄い霊力の膜を張るのはかなり難しいはず。
「まぁ、なんだ。お前に教える技術は霊力操作だ。お前は体術で戦う戦闘スタイルだから身体強化を教えようと思っている。そのためにも霊力操作を覚えてもらう必要がある」
「しっかりと私のことを考えてくれてたの!?」
「……まぁ、引き受けたしな」
「もう……私のことを冷たくあしらったと思ったら、私のことをそんなに考えてくれてたなんて! ツンデレなんだからぁっ♪」
「黙れ。次そんなふざけたことを言ったら斬るぞ」
「ごめんごめんごめん!」
怒られてしまった。
だけど、やっぱりライトは優しいみたい。
普段は私のことを居ないものとして扱っていたような気がしていたけど、私に一番適した修行、技術を考え出して、そこから最適解を提示してくれた。
「で、やるのかやらねぇのか!」
「うん、私も強くなりたいから頑張るよ!」
霊力操作は音恩程得意ではないけど、ライトが考えてくれたんだから、私に出来ないはずがない。
ライトはああ見えて人のことをよく見てるから。
よし、そうなったら頑張ってみよう。
私はライトと入れ替わるように滝の前に立つと、霊力を纏わせるイメージをしながら右腕を思いっきり滝に叩き込んだ。
冷たい。やっぱり勝手わからずただ突っ込むだけでは水を弾くことは出来なかったようだ。
「お前は確かに霊力操作は悪くないんだが、力が分散してしまって効力が弱くなってしまっている。分散しないように頑張れ」
「うん、分かった!」
とりあえず力が分散しないように、力を一点に集中するように。
今まであんまり霊力って気にしたことがなかった。だけど、この世界にいるからには私だって霊力が使えるんだ。
「絶対に強くなるために、私は頑張る!」
再び霊力を拳に纏わせてその拳を滝に思い切り叩き込んだ。
その時、私は不思議な感覚に陥った。
滝に拳を叩き込んだはずなのに冷たくない。濡れない。
「やっ、やった」
しかしその次の瞬間に霊力が保てなくなってしまったのか、直ぐに私の手を滝の水が濡らした。
「やっぱりすぐは無理か……」
でも、これを特訓したら確実に強くなれる。
やっと希望が見えてきて嬉しくなる。この調子で霊力の扱いをマスターして身体強化を会得してみせる!
「……南雲 鈴音、か」
はい!第145話終了
遂に鈴音の目標が見えましたね。
鈴音はよく音恩のサポートとして体術で戦っているので身体強化を目標にさせました。
それでは!
さようなら
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