それでは前回のあらすじ
鈴音の修行はまだ続く。
ライトが提示したさらなる修行は霊力操作の修行だった。
果たして鈴音は身体強化を無事に会得することが出来るのだろうか?
それではどうぞ!
sideライト
その日、俺はいつも通りに修行をしていた。
今日は100キロの重りを全身に付けてこの森の中を駆け回っていた。
その時だった。
俺の視界に、異質な存在が出現したのだ。
どうしてあいつがこんな所にいるんだ? 確かあいつは南雲の姉の方だったか。
「おい、なんでお前がこんなところにいるんだ。南雲姉」
あいつは紅魔館に住んでいたはずだ。
ここと紅魔館は離れているから、飛んできたにしても気楽に来れる場所じゃないって言うのに、なんでこんなところにいやがんだ。
「久しぶりだね、ライト君」
「あぁ、久しぶりだが、遥々どうした」
随分と馴れ馴れしく話しかけてくる南雲姉に俺は少し嫌な予感を覚えていた。
こういう時は確実に面倒なことになる。
そして次の瞬間、その予感が的中したことを俺は悟った。
「私に修行をつけてくれないかな?」
「断る」
この女、この俺に修行をつけろと言ったのか?
面倒くさい、なんで俺が他人の面倒を見てやらないといけないんだ。俺だって暇じゃない。
そもそも、なんで俺なんだ。他にも適任のやつがいっぱいいると思うが……。
「もし修行をつけてくれるなら、い・い・こ・としてあげる♡」
「要らん。俺は女の体には微塵も興味無い」
本当に面倒なやつに絡まれてしまったものだと、俺は肩を落としてしまう。
今は修行中だって言うのになんでこんな痴女の相手をしなければいけないんだ。
俺がそう返答すると、何故か南雲姉は地面に膝を着いて四つん這いになった。
「お、おい、何をする気だ」
「御願いします。どうか、私に修行を付けてください」
南雲姉は土下座をしてきた。
額が汚れることも気にせずに深々と頭を下げて地面にまで擦り付けて頼み込んできている。
こんなのを見せられてしまったら、こっちがなんだか悪いことをしている気分になってきてしまうじゃないか。
……本当に面倒なやつに絡まれてしまったものだな。
「……ちっ。どうしてそこまでして俺に修行をつけて欲しいんだ? 俺じゃなくても色々と強い奴らはいるだろう」
「ライト君の戦い方が私と似てるから?」
「どうして疑問形なんだよ。そもそも、お前と俺の戦い方はそんなに似ていないと思うが?」
俺は霊力刀を使って戦う。気に食わないが
対して南雲姉の戦い方は完全なる体術。味方のサポートタイプだ。全く戦い方が違うから、同じ紅魔館にいる紅美鈴なんかに修行をつけてもらった方が有意義だろうに。
でも、こいつの目を見れば分かる。強くなるために修行をしたいって言う奴の目だ。
少なくとも軽い気持ちで来たわけじゃ無さそうだ。
「はぁ、まぁいい。お前の覚悟はよく分かったからな。修行を付けてやることもやぶさかでは無い」
「え、本当!?」
嬉しそうな声を出すな鬱陶しい。
「あぁ。まぁ、真のやつがあんまり戦いには今後参加しないというのならば、他の奴らが真と同レベル程には強くならないといけない。俺も、今回の異変の現況には不覚を取った。強くならないといけないのは同じだ。だから、俺が修行をするついでにお前の修行を付けてやってもいい」
「ありがとう!」
だからそうやって嬉しそうな声で満面の笑みを浮かべんじゃねぇ……。
ったく、やっぱりこいつの修行を引き受けたのは間違いだったかと後悔し始めている自分がいる。
ただ、引き受けたからにはその任を全うするだけだ。
とりあえずこの森についての説明から始めることにする。
「ここは上質な霊力が集まってきている。それゆえ、精霊なんかもここには大量に住み着いている。修行をするにはもってこいの場所だ」
「こんな場所があったなんて……」
「俺も各地の山を渡り歩いてきたが、ここまで修行に適した場所は初めてだ。だから俺はここにいつも以上に滞在している」
俺は修行のために様々な山を渡り歩いてきた。
そして最初はこの森に来てビックリしたものだ。森自体に霊力があるのだ。
霊力というのは本来、生きている者にしか宿らないものだ。ただ、例外は存在する。幽霊なんかも霊力を有しているし、神器と呼ばれるものにも宿っている場合はある。
だが、土地そのものに霊力があるのは初めてだ。
ここは霊力を感じやすい。そのため、霊力操作や技の練習がしやすい環境になっている。
修行にはもってこいの環境だ。
「まずは体力アップだ。この森をこの気を伝って一周してこい」
「え、この木を伝って?」
「これで体力と体感を向上させる。お前は動きこそ良いものの、体力が無い。南雲弟はその体力の無さをカバー出来る能力があるからいいが、お前はそういう能力じゃないだろ?」
こいつの能力は仲がいい人程、感情が読めるようになるというものだ。
さとりの下位互換かと思うが、こいつの能力はそれに留まるものじゃない。
彼女には味方のその動きに対するその後の最適な行動が分かる。だからサポーターとして優秀なのだ。
「分かった。……私も強くなれるように頑張るよ。でも、そんなに私のことを見ていたんだ。やーらし」
「次やったらお前の頭と胴体がさよならすることになる」
「じょーだんじょーだん!」
そのからかい方はイラッとしてしまった。
だが、とりあえず様子を見ておこう。それで嫌になって逃げ出すようならばその程度だったってことだからな。
はい!第146話終了
ライト視点でした。
ここからライトの鈴音への評価はどう変わるのでしょうか?
それでは!
さようなら
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南雲音恩
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南雲鈴音