それでは前回のあらすじ
ライトと鈴音の修行、ライト視点。
ライトは修行をしている鈴音を見ているうちに、その才能を認めたようだった。
それではどうぞ!
side音恩
最近、姉ちゃんの行動が明らかにおかしいような気がする。
気がついたのは本の数日前、だけどその行動をし始めたのは僕と龍生さん、燐火さんが手合わせをした日からだったと思う。
毎日朝食を食べると直ぐに紅魔館を出て行ってどこかへ行っている。
僕はそのどこかを知らないけど、姉ちゃんが何かをしているのは確かだ。
「あー、また負けた! お兄様強い!」
「…………」
「お兄様?」
「あ、どうした?」
「お兄様、ボーッとしてた」
「ごめん」
ずっと姉ちゃんのことを考えていたせいで他のことが疎かになっていたようだ。
今はフランとトランプで遊んでいたんだった。
他のことに気が逸れているのは良くないよな。
「うん、本気出す」
「あ、ちょっと、それは待って!」
フランの叫び声を聴きながら僕は再びトランプをシャッフルして自分とフランに配り始める。
フランは決してゲームが苦手な訳では無い。むしろフランはゲームが上手い。この幻想郷の中では上位に入るほどの強さだろう。
俺も姉ちゃんとゲームをやるよりもいい勝負ができて楽しい。
このまま部屋から出ずにゲーム三昧な生活を遅れれば一番いいんだけど……。
「そういえばお兄様。その眼帯、まだ外れない感じ?」
「そうだね。どうやらこの目を切られた攻撃には霊力が込められていたみたいで、この霊力を完全に抜かなければ僕の目は直せないらしい。永琳先生でもこれだけ時間がかかっているんだから、まだ時間がかかると思った方がいいな」
僕のこの目はまだ治らない。
今、この瞬間に奇襲でもされてしまったら、正直勝てるかは分からない。
この前、分かったことだが、このパソコンを使って相手を操る力も目が無いと効力が小さくなってしまうようだった。
そのせいでこの前の奇襲にも遅れを取ってしまった。
どうにかしないといけないというのは僕だってわかっている。
だけど、僕はこの十数年間、引きこもって生きてきた。
能力なしに体術なんてできるわけが無い。
「ねぇ、お兄様はなんだか最近、焦ってるように見える。お兄様らしくないよ」
「そうか……そうだな」
確かにここ最近の僕はらしくなかっただろう。その事にやっとフランに気付かされた。
こんなに悩むのは俺らしくない。
僕は常に楽観的にゲームをして過ごしていなければ僕らしくない。
「フランのお陰でようやく僕自身を思い出せた。ありがとう!」
「え、お、お兄様!?」
僕は無意識にフランの両手を掴んでお礼を言っていた。
それによってフランの顔が耳まで真っ赤に染ってゆく。
「お、お礼はいいよ……それよりも遊ぼう!」
フランは照れを隠すようにゲームへと話題転換する。
僕は少し不審に思ったものの、ゲームを再開する。
今度のゲームは将棋だ。
「今度こそはお兄様に勝ってみせるんだから!」
「そうか、じゃあ僕に勝てたらなんでも一つ言うことを聞いてあげるよ」
「え、本当っ!?」
フランは嬉しそうに聞き返してきたので僕は首を縦に振って答える。
まぁ、これはフランへのお礼だ。
ただ、簡単に負けるつもりは無い。
「ねぇ、お兄様」
「なに?」
「お兄様って時々危なっかしいって思うんだよね」
「例えば?」
「普段は気だるげなのに、妙なことに首を突っ込んで……この前だってお兄様は本調子じゃないのに一番にみんなを守ろうとして、あの中では一番重症だったじゃん」
そう言われると返す言葉はない。
僕は基本、面倒ごとは嫌いだ。首を突っ込みたいとは思わない。
最初は勇者だと喜んだが、今では違う。冷静に今、自分が置かれている状況を分析して日々を過ごしている。
だからだろう。真さんの考えが移ったのは。
真さんと同じく、僕も大切な人がいる。その大切な人を守るためだったら自分の命を逃げ出す覚悟すらある。
「ねぇ、なんで頭を撫でてるの?」
「なんとなくだなんとなく」
僕の気持ちは自分がよく分かっている。
僕はこの子に死んで欲しくないから必死に戦っているんだ。
だけど、人間と妖怪じゃ結ばれない運命にある。
だから僕はこの感情を隠し続けて生きていかなければいけない。そしてこの先もずっとフランドール・スカーレットという少女を守り続けるのだ。
「お兄様、王手!」
「んなっ!?」
僕は他のことを考え込んでいたからいつの間にか王手を掛けられてしまっていたらしい。
しかも相手はフランだ。王手をかけられたらそこから脱出するのは至難の業だ。
何とか頑張って王手を覆す方法を探るものの、全く見つからない。
「はぁ……僕の負けだ」
「やったぁっ!」
フランはぴょんぴょんと跳ねながら喜びを表現している。
勝てたのがそんなに嬉しかったのだろう。
「お兄様、忘れてないよね! なんでも一つ言うことを聞いてくれるって」
「そうだね。忘れてない。ただし、出来る範囲内でだからな」
「じゃ、じゃあねお兄様」
なんだかモジモジとし始めるフラン。
どんな願いを言うのだろうかと見ていると意を決したようにフランは俺に願いを告げてきた。
「今日、一緒に寝て欲しいの!」
「え」
正直驚きすぎて言葉が出なかった。
フランからそんな言葉が飛び出すとは微塵も思っていなかったのだ。
「だめ……かな?」
「……わかった。一緒に寝ようか」
「うん!」
フランには甘い僕だった。
はい!第148話終了
だいぶ日常編のネタが少なくなってきたのでそろそろ最終章入ると思っておいてください。
それでは!
さようなら
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