それでは前回のあらすじ
真はシャドウと夢の中で再開し、死んだら神になる権利を貰うのであった。
それではどうぞ!
第150話 終わりの始まり
side???
数ヶ月前
一人の男が目を覚ました。
「随分派手にやられてしまったようだな」
自分の置かれている状況を確認して男は小さく呟く。
目を覚ました瞬間に見えた光景はボロボロになっている部屋だった。
いや、この部屋だけではない。この建物全体がボロボロになってしまっている。それだけで戦いの壮絶さが伺える。
「生き残りは――俺だけか」
この周囲からほかの霊力を感じない。
部下も何もかも全員やられてしまったようだ。忌々しい状況だ。
「あああ、腹が立つ。俺は情けで生き残ってしまった。いや、哀れまれたと言うべきか。それが一番腹が立つ」
怒りに震える男。だが、怒ったところで敗北したという事実は覆ることは無い。
「最初はこの世界の支配をしてやろうと思っていたが、もうこんな世界は要らない。全部破壊してやる」
新たな野望が男に宿る。
だが、どうする? ここは幻想郷だ。
様々なやつがそれを邪魔しようとしてきて、この男の力じゃそいつらに勝てないので、敗北を繰り返すのみだ。
「能力が欲しい。アイツらに勝てる能力が欲しい。あいつ、海藤 真を絶望させることの出来る能力が欲しい」
それは復讐心だった。
何とかして真を絶望、基始末できる能力が欲しい。そう願う。
「海藤 真、次は絶対に倒してやるからな」
復讐心という炎を胸に灯し、男は建物から出た。
手元にある拳銃を確認する。すると、それにはちゃんとたまが込められているのを確認できた。
その時、獣の鳴き声のようなものが響き渡った。
「妖怪か。まぁ、前座としては面白い相手ではないか」
そんな男の前に現れたのはクマのような見た目をしている巨大な妖怪だった。
この妖怪は自我の無い妖怪の中では強い方で、能力のない普通の人間が出くわしたらもう助からないと言われるほどの妖怪だ。
そしてこの男もまた、能力のない普通の人間だ。だが、顔は笑っていた。全く恐怖していなかった。
「手応えがありそうだ。そうだよな、お前なんかで手こずっていたら海藤 真をぶっ殺すことは出来ないもんな」
妖怪を見てニヤリと笑い、ピストルを向ける。
「俺の新しい一歩の第一犠牲者となってもらおう」
ぐおおおん!
クマの妖怪は男に襲いかかる。当然、そんな強さの妖怪の動きが普通の人間が捉えることが出来るはずがなく、
「ぐはっ」
男は気がついたら体が宙を舞っていた。そして左腕がなくなっていることに気がついた。
今の一撃で左腕がもげてしまったようだ。
「ぐ、が」
(いてぇいてぇいてぇいてぇ。だけど、この程度で音を上げてはいられな――)
その瞬間、男は衝撃的な光景を目にした。
(くそ、あの化け物。俺のぶっ飛んで行った腕を食ってやがる。きみわりぃ)
この幻想郷では妖怪が食物連鎖の頂点にいる。
妖怪にとって能力を持たない普通の人間はただの捕食対象でしかないのだ。
「はは、お前にとってはその程度って言うことか。俺も随分と舐められたものだな」
男は必死にピストルの照準を定めて引き金に指をかける。
そして引き金を引いた。
だが、その時にはもう既にそこには妖怪がいなかった。
「ど、どこに行った!?」
男は気がついた。背後からの殺気に、そして今から自分は殺されることに。
「くそ、やり直したい。やり直してこいつを次こそは!」
男に迫る攻撃。その瞬間、視界にノイズのようなものが走った。
そして一瞬視界が真っ暗になって視界が元に戻った瞬間、クマの妖怪の位置が元通りになって腕を食べている最中だった。
「俺は今、殺されたはずじゃ……」
(だが、生きているなら好都合だ)
そしてもう一度照準を合わせようとすると、脳裏にある予感が過ぎる。
背後から攻撃を受けると。
その予感が過ぎった瞬間、男は後ろに振り返ってピストルを構える。
すると、その予感通りにそこにクマの妖怪は移動していた。
パァン。
辺りに銃声が響き渡る。
その銃弾はクマの妖怪の額に命中していた。それによってクマの妖怪は力を失ってその場に倒れた。
クマの妖怪は死んだのだ。
「勝った……勝ったぞ!」
男は妖怪に勝利した。
これが男にとっての第一歩。だが、気になる点があった。それは、一度男は死んだはずなのに、まるで時間が巻き戻ったようなことが起こったのだ。
いや、これはもう時間が巻き戻ったと言ってもいい。
「まさか、俺の能力は時を超える程度の能力? いや、それだけだと神でもないんだから歴史、つまり俺が死ぬ結果を変えることは出来ないだろう。つまり、俺の能力は【過去を変える程度の能力】……か。これなら世界を崩壊させ、海藤 真を絶望させることが出来そうだな」
男は一人で黒い心を燃やしていた。
そして数ヶ月後、この幻想郷史上、最大の異変が始まるのだった。
side博麗神社
霊夢は縁側で優雅にお茶を飲んでいた。
だと言うのに神社が破壊されて、目の前にはボロボロになった魔理沙が倒れていた。
そう、いつも通りに魔理沙が神社に突っ込んできたのだ。
「あんた、大丈夫?」
「大丈夫だぜ! 私はこれくらいでくたばったりしないのぜ」
「くたばったら良かったのに」
「そりゃねぇぞ」
そんな感じにいつも通りのやり取りをしていると、その瞬間、事件が起こった。
霊夢の中に何か黒いものが入り込んで来たのだ。
「く、くぅ……」
「れい……む? どうしたんだ?」
「真を、真を退治しなきゃ」
「霊夢、おい霊夢!」
「邪魔しないで、あんたも退治するわよ!」
その霊夢の目を見た魔理沙は恐怖した。
何故だか霊夢の目は怒りに燃えていた。そしてその矛先は真に向かっている。
真は特に何もしていない。霊夢に怒られる道理はない。それは魔理沙は分かっていた。
だが、その瞬間、魔理沙にも黒いものが入り込んで来たのだ。
「真を倒さなきゃ、幻想郷が」
そして、このタイミングで幻想郷崩壊へのカウントダウンが始まったのだった。
――さて、この状況を一体お前はどうする? 海藤 真。
はい!第150話終了
はい、遂に最終章が始まりました。
ここからどうなって行くのか。
それでは!
さようなら
好きな主人公枠キャラは?
-
海藤真
-
刻雨龍生
-
南雲音恩
-
南雲鈴音