それでは前回のあらすじ
真は霊夢らに命を狙われる。
逃げるものの、その先々に追っ手がやってくる中、突如として追ってきた文の飛行速度が低下、それによって真は人里に逃げ込むことが出来る。
そこで再開したのは白上沢慧音だった。
それではどうぞ!
side真
「お久しぶりです慧音先生」
「本当に久しぶりね。真、新聞で活躍を見ているわ」
「あはは、ありがとうございます」
さっきまで気を張っていた落差からか知らないけど、物凄く気が抜けてしまっている。
だけど、慧音先生は正気でよかった。これで、俺の知っている人で正気の人もいるということがわかった。
なんとか、この人に俺の手助けを頼めないだろうか。
だが、一歩間違えると俺の敵が増える結果になってしまう。なにせ、この世界では博麗の巫女である霊夢が正義だ。
そんな霊夢に追いかけられていると言ったら疑われているに決まっている。
慎重になれ。慎重に考えるんだ。
「真、久しぶりにお茶でもしてゆっくり話さない?」
「いいですね」
ゆっくりと考えることが出来るいい機会だ。
俺たちは近くの喫茶店に入ってゆっくりと話すことにした。
「あの事件以降、人里に全然姿を現さないから、どうしたのかと思っていたわ」
「色々ありまして」
授業とか、温泉郷とかで忙しかったんだよな。
未来の俺の事件が終わったあと、みんなが失踪する事件。
ちょっと最近の異変は事件と呼べないほどに大きな幻想郷が崩壊してもおかしくないような異変ばかりだな。
だけど、どうしてだ。今回の異変は俺をターゲットにして居る。みんなは俺を狙ってくる。となると、今回の異変の主犯は俺に恨みを持っている人物?
だが、俺一人を倒してどうする? 俺を倒しても何にもならないと思うけど……。
それとも、目的はもっと別の何か? だとしたら、何が目的なんだ?
「さっきから考え込んでいるようですが、どうかしましたか?」
「あ、いえ。なんでも」
おちつけ。冷静になれ。表情に出すな。
一手でも間違えたら不利になってしまうかもしれない状況なんだぞ。
「それにしても、最近の異変解決はお手柄だったようですね。この幻想郷が崩壊する危機を二度も救ってしまうなんて」
「まぁ、俺もこの幻想郷が無くなったら困るんでね」
こいしや大切な人がいっぱいいるからな。
「本当にいい人ですね。ちょっと、こいしさんが羨ましいです」
「え、それはどういうことですか?」
「未だにあなたが誰ともお付き合いも結婚もしていなかったら狙っていたかも」
「…………」
「冗談ですよ」
びっくりした。
ある意味ドキッとしたよ。これが本気だとしたら俺が断ったとしてもこいしに何か小言を言われたかもしれないからな。
そういえばこいしはどうなんだろうか。やっぱり霊夢や魔理沙と同じように俺と敵対してしまっているのか?
……だとしたら嫌だな。
最悪霊夢と魔理沙なら気絶させる程度の攻撃をして逃げることは出来るだろうけど、こいしには攻撃ができない。俺には無理だ。
こいしに追われたら心がズタズタになって生きることを辞めてしまうかもしれない。
「それにしても、お人好しというかなんというか。命を張ってまでこの幻想郷を守るなんて。いざとなったら私に出来るかは分からないから」
「そう……そうだな。それが普通なのかもしれないな」
俺はいつの間にか死ぬことは怖く無くなっていた。
死よりも、大切な人の死のほうが怖くなっていた。だから必死に守るようになっていた。
……人として当然の感情の一つを忘れていたんだ。
今回も強制とはいえ、こいしとの約束に反して危険なことをしているしな。
「死ぬのが怖いのが普通。俺がおかしいだけなんだよ」
「……」
すると急に無言になる慧音先生。
「ねぇ、真」
「どうしました?」
「死ぬのが怖くないなら、一度」
そこで俺の方へと目を向けてきた。
その目は――非常ににごっていた。俺の中の危険センサーがバリバリ反応している。
「死んでみない?」
「っ!」
その瞬間、慧音先生が迫ってきたので、俺はジャンプして回避すると、俺の背後にあった壁が慧音先生の頭突きに寄って木っ端微塵に破壊されてしまった。
目は濁りきっている。とても正気の目とは思えない。
慧音先生まで洗脳の犠牲に……。
くそ、この世界に俺の味方は居ないのかよ。
「あいつだ、あいつをころせ」
「あいつをとらえて、ころせ」
どんどん周囲にも伝染して行っている。
周囲が取り囲まれてしまっている。このままじゃ逃げることは不可能だ。
どうする? 戦うか?
――いや、だめだ。罪のない人を傷つけては俺もその異変の主犯と同じになってしまう。
できるだけ穏便にこの場をくぐり抜けなければ。
でもどうやって?
考えている間にも慧音先生が突進してきた。もう一発頭突きを食らわす気だろう。
あれを食らったらクレア装で防御力を上げても骨折は免れない。最悪、ここで俺が果てる。
俺が死んだらどうなるんだろう。
だめだよな。こんなところで死んでちゃ、主犯のもうツボだ。逃げないと。
だけど、回避のしようがなくて、受ける覚悟をしてクレア装を発動させた次の瞬間だった。
突如として俺の視界が少し前方へ進み、背後に慧音先生が出現した。
どういうことだ、これは。
さっきもそうだ。急に幻想郷最速と言われていた文のスピードが最遅に入れ替わったんじゃないかってくらいに遅くなった。
もしかして、俺に手を貸している人物がいる?
これは探してみる価値はあるかもしれない。
こんなことをするってことは確実に自我があるってことだ。協力者になってくれるかもしれない。
俺は霊力を探ってみる。
すると、以外にもすぐ近くに今まで感じたことの無い妖力の持ち主を探知することが出来た。
場所は近くの建物と建物の間の路地。
ここからすぐ近くだ。この人数ならば、この状況ならば、追っ手を撒いて向かうことが出来る。
「じゃあなみんな。直ぐに元に戻してやるからよ」
そう言ってみんなの間をするりするりと抜けていき、人混みに紛れて追跡を逃れる。
それから路地に向かった。
以外にもそいつは俺が来ていることに気がついていたはずなのに、その場から動かずに俺の到着を待っていた。
独特な髪色だ。
黒髪に、白と赤のメッシュが入っている。
「お前は……誰だ」
聞くが、そいつは何も答えない。
何を考えているのか全く分からない。何が目的なんだ。
「人に名を聞く時は自分からなのる。常識だぞ」
「……俺は海藤 真。改めて聞く。お前は誰だ」
「私か、私はな
ただの気まぐれな天邪鬼だよ」
はい!第152話終了
はいここで初出し東方キャラ。
今まで異変とかで全く関わってこなかったのですが、ここで初登場しました。
天邪鬼っていう単語で直ぐに分かるでしょう。
それでは!
さようなら
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