それでは前回のあらすじ
ついに真がクレアを発動させた。しかし、一輝の先読みの力によって苦戦を強いられる。
一方、裕太と彩はグレバンとの戦いを始めるが、グレバンの圧倒的パワーの前に二人のパワーは無力化されてしまった。
そして真がずっとクレアを発動させていた事によってなんと一輝は更なるパワーアップを遂げる。
それではどうぞ!
今に始まったことじゃないはずだ。おそらく俺と戦っている間、俺がクレアを使い始めてからずっと一輝は俺と戦いながらずっと霊力操作の修行をしていたんだ。
なんていうやつだ。
一輝のようにこっちの戦いに慣れていない人にとっては俺のクレアと戦うのだって至難の技のはずなのに、俺と戦いながら修行も同時並行するなんて、正直不可能の領域に近い。
そして一輝の発言によって俺はようやく一輝の周囲に離れている霊力が薄くなっていることに気がついた。
一輝は俺との戦い、そして裕太たちの戦いをミスディレクションの素材として利用し、俺を周囲の霊力から注意を逸らしていたんだ。
なんてやつだ、俺は本当にとんでもない化け物を幻想入りさせてしまったようだな。
「ありがとよ、これで全ての材料が整う」
その言葉を最後に完全に一輝から離れている霊力が消え失せた。
その代わりに一輝の体からはものすごい獰猛な獣と対峙しているかのような威圧が放たれ始めた。
これはクレアの特徴、完全に霊力を隠すことができ、霊力に一つの感情を混ぜることによって相手により自分のその感情を普段以上に感じさせることができる。
間違いない、一輝は今、クレアを使用した。しかも、こっちにきて霊力のことを知ってからまだ半日も経過していないこの状況で、空を飛び、弾幕を使うことを覚えるよりも先にクレアの方を会得しやがった。
「まったく……それは俺が何日もかけても会得できなくて、土壇場でようやくできるようになった技なんだから、それをこんなに簡単に会得されると困るんだよな」
「悪いな、海藤。でも、俺もお前に手心を加えている暇はないんだ」
クレアを使用したらおそらく俺のクレアの力なんて心を読んで先読みする力によって俺のクレアなんて軽々と超えているだろう。
本当にこいつは化け物だな。
これを使うつもりはなかったんだけど、やらないと普通に負けそうな気がするから、絶対に負けないためにも使う。
「クレア装」
「なるほど、クレアを纏うのか」
クレアを纏うというのはかなりの高技術が必要となる。一朝一夕で使えるようになる技じゃない。
クレアという力に慣れた上で、慎重にクレアを操作しないと使えない技だ。
さすがの一輝でも使うことができないだろう。
「確かに俺にはクレア装を使えるようになるほどの技術がまだない」
「お前を倒してあの二人の援護に行く。それから洗脳を解くから、我慢していてくれ」
そして俺は腕にクレア装を集中させ、筋力を増強させて今までよりも強い力で一輝を殴りつけた。
その攻撃を一輝は腕で防御したものの、今までの攻撃とは違って耐えきることができずにそのまま俺の拳に殴り飛ばされて壁に激突した。
だが、その後すぐに一輝は立ち上がって俺へと急接近してくる。
一輝がクレアを使用したことによってさっきまでのスピードより段違いに早くなっており、俺はそれに反応することができずに殴り飛ばされて今度は俺が壁に激突して尻餅をついてしまった。
咄嗟に殴られる寸前にクレア装の鎧で防御を試みたが、それでもなかなかのダメージだった。
「えっ」
前を見てみると、視界が狭まってきており、何かが風を切りながら俺の顔面に迫ってきているのが見えた。
それが一輝の足だということを理解した頃には俺の顔面に足に蹴られ、壁にものすごい力で叩きつけられていた。
「かはっ」
一輝が足を避けたことによって俺は体が自由になり、ダメージによってそのまま前のめりに倒れてしまった。
今の一撃はまったく反応できなかった。おそらく俺を殴り飛ばしたと同時に追撃を加えるために走り出していたんだろう。
まったく反応できなかったため、今の一撃はもろに食らってしまい、尋常じゃないダメージを食らってしまった
しかも、今の一撃は裕太が繰り出してきた数々の攻撃とは違って致命症にはならなかったため、肉体のダメージがまったく回復しない。
「その程度なのか? もっと本気を出せよ」
「くっ」
裕太の先読みの力、厄介だ。それに、その身体能力も外の世界ではあってはいけない規格外の身体能力。
正直、今のクレア装のまま戦うのは厳しい。
一輝のクレアは俺のクレア王と同じくらいの力を持っている。
やるしかないのか……。
「じゃあ、次こそ本気を出してやるよ……クレア王」
「…………………………」
ついにクレア王を発動した。
クレア王はクレア装のようにクレアを重点的にまとって体の一部分だけを強化するのとは違い、能力を全体的に大幅に向上させる技だ。
さっきまでとは比べ物にならないくらいに俺は強くなった。
「さぁ、そこを通してもらう!」
「いや、通さない!」
俺の拳と一輝の拳がぶつかり合い、クレア王を使用している俺の力の方が上回って一輝のパンチを弾き飛ばした。
そしてそのまま鳩尾に一撃を加えて気絶させようとしたものの、一輝は咄嗟に飛びのいて回避されてしまった。
やっぱり思考を読むことができる相手との戦いは厄介なもので、この力の差が心を読むことによって一気に縮まってしまう。
「海藤、集中しろ。集中して相手のことを観察するんだ。そして相手が何を考えているのかを考えるんだ」
「い、いきなりどうしたんだよ」
突然一輝が俺にアドバイスを始めた。
よくわからない。何が目的なんだろうか。
今、一輝は洗脳されていて俺と戦っている最中だ。それなのに俺にアドバイスをするのはちょっとおかしいような気がする。
ちらっと裕太たちの方を見てみると、どうやら裕太の能力が強いおかげでまったく苦戦はしていないようだった。
むしろかなり圧倒しているように見える。
バリアではグレバンの攻撃を防ぐのには怖いが、直撃するよりも先に回避してしまっているような感じだ。どんなに強い攻撃も当たらなければ意味がないというやつなのだろう。
「妖夢を、返せぇぇぇぇぇぇぇ!」
「がっ、ぐ、ぐはっ、だはっ」
グレバンは裕太の連続攻撃を受け、何度も何度も血を吐き出していた。あれならば俺が一輝を止めていれば勝てそうな雰囲気だ。
というか、ちょっと待て、もうすでに俺の時のように一輝はグレバンに何度も何度も致命傷を与えているように見える。
時折、グレバンも白目をむいて気を失っているように見えるが、その直後、すぐに復活して攻撃の対処を再開している。
その度にグレバンの傷が完全回復しているようだった。
その違和感には一輝も気がついているようで、かなり焦っている様子だった。だが、そんなに焦りの混じった攻撃をしてもいつかはボロが出るもので––
「ぐあああああああ」
ついにグレバンのカウンターが裕太に炸裂し、裕太は膝から崩れ落ちた。
それを見た彩は勝負に出る。
「MAXモード!」
彩がそう叫んだその瞬間、彩の目の前に大剣が隕石のごとく降ってきて地面を抉る勢いで地面に突き刺さった。
「死なないなら、死ぬまで殺すだけ! さぁ、覚醒の時来たれり。悪魔の大剣、デーモンソード」
そういうと彩は少し自分の親指を噛み、血を出すとその血が出た親指を大剣に押し付けた。
その瞬間、血が剣に吸収され、さらにその剣は赤く一瞬光り輝いたかと思ったら形が変わり始めた。
あの形は間違いない、鎌だ。まるで死神が持っているような鎌。
刃が紫色で持ち手の下部には茨のような模様が浮かんでいる。
「あは、あははははははははは! お前を切り刻んで血を出させてこの子の栄養にしてあげる!」
彩は狂ったように笑うと馬鹿でかい鎌を持っているとは思えないようなスピードでグレバンに接近し、その鎌を振り下ろした。
だが、やはり鎌が重たいのか思うように素早い攻撃ができないのか、グレバンはその鎌を短剣で受け止めてしまった。
そしてそれを弾き、彩を蹴り飛ばした。
「うああああああああ」
しかし、途中で体勢を立て直して再び攻撃の体勢に入ると、鎌で思い切り横薙ぎをしてみせた。
するとその軌道に大きい霊力の斬撃が出現し、普通の霊力斬のように飛んでいくのではなく、空気中にとどまった。
そして彩が指をパチンと鳴らしたその瞬間、その霊力の斬撃は放たれ、グレバンへと飛んで行った。
それをグレバンは先ほどのクロス・霊力斬で対抗するために霊力を溜める。
さっきの霊力斬は裕太のバリアですらヒビが入る威力なのに、突破できるわけがない。
「クロス・霊力斬!」
ついにグレバンのクロス・霊力斬が放たれてしまった。そしてそのクロス・霊力斬と彩の放った霊力斬がぶつかり合い、彩の霊力斬がかき消されてしまうのかと思ったその時、クロス・霊力斬が彩の霊力斬に吸収されてしまった。
それによって彩の霊力斬に茨のような模様が出現し、巨大化してさらにグレバンへと飛んでいく。
「ぐああああああああああああああ」
そしてついにその霊力斬はグレバンの胴体を一刀両断し、消滅した。
「どんな霊力でも吸収してしまう霊力斬、吸血・霊力斬といったところだね」
彩に一刀両断されたことによってグレバンはぐったりと倒れて動かなくなった。
ついにグレバンに勝利した、俺はそう思ったのだが、その次の瞬間、霊力のようなものが糸のように切り口から伸びてつなげてしまった。
そしてそのまま起き上がって目を覚ますように意識を取り戻すグレバン。
どう考えたって今のはおかしい。俺のような能力を持っていなければ今のは致命傷となって人間だったら絶対に助からない。
どういうことだ。
「コンティニューだ」
はい!記念第12話終了
なんと一輝がクレアを発動させました。今まで外の世界にいたから使えなかっただけで素質はあったんですよね。
そして一輝は相手の思考を読むことができるから相手の注意を逸らすことが得意です。そのため、今の今まで真に気が付かれずにクレアの修行を行うことができたんですね。
そしてグレバンとの戦いはようやく決着がつき、勝利したかのように思われましたが、グレバンがコンティニューをしたことで振り出しに戻ってしまいました。
どうやって倒せばいいんだ!?
そういえば【東方現代物語 〜最強の相談屋が華麗(物理)に事件を解決します〜】はジョジョネタがあり、一輝はジョセフのネタを多用しているというのに、現代だからあのネタをやる瞬間がなかったんですよね。
どれだけやっても死なないって敵キャラがいませんでしたし、そもそもあんまり戦えない環境だったので。
こんなところで今回はここまで!
それでは!
さようなら