それでは前回のあらすじ
魔法の森に正邪を連れ戻す為、やってきた真達。
正邪を発見し、元に戻るように説得したものの、正邪はそれを拒んだ。
なんと、正邪は魔理沙に追われていたようで、囮の役目を降りる気はないようだった。
真は正邪をなんとしてでも説得するために追いかけるが、魔理沙に追いつかれ、マスタースパークを撃たれる。
真はそれに対抗するために慣れない妖力を使って霊縛波を放った。
果たして真は魔理沙に勝つことができるのか⁉︎
side真
「《妖怪・霊縛波!》」
俺は魔理沙のマスタースパークに霊縛波をぶつける。
すると俺の妖力の玉からレーザーのようなものが射出され、マスタースパークと押し合い始めた。
だが、魔理沙のマスタースパークはさすがといったところだ。弾幕はパワーだぜと豪語するだけあって、火力がものすごく、俺の霊縛波が押され始める。
「く、そが!」
俺はさらに妖力を込めるものの、形成はそんなに変わらない。むしろ、押されてきて余計にひどい状況になってきている。
このままじゃ俺と正邪はこのマスタースパークに焼かれてお陀仏だ。それだけはダメだ。
何とかしないと……。
「真! 両手だ! 両手を使うんだ!」
「両手? ……っ! そうか!」
俺は今まで右手だけを使って霊縛波を撃っていていた。
だが、俺の腕は右手だけじゃない。左手もあるじゃないか。
左手でやったことがないから一か八かの勝負になってししまう。
この霊縛波はコントロールが非常に難しい。失敗すれば俺たちは一瞬であのマスタースパークに飲み込まれてしまう。
だが、やらないで後悔するよりも、やって後悔した方がずっといい!
「はぁぁぁぁっ!」
俺は左手でも妖力の玉を作り始めた。このときの妖力コントロールをすこしでもミスると暴発してしまう。
「くっ」
やはり妖力の扱いには慣れていないから難しい。
「だが、やってみせる!」
そうして妖力の玉は無事に完成した。
その妖力の玉と右手に持っている妖力の玉を合わせて両手でレーザーを打ち出した。
腕にかなりの負荷がかかる。当然だ。この技はもともと腕に負荷がかかるものなのにそれを二倍の威力で放とうと言うのだ。
威力に比例して負荷がかかるのは当然のことだ。
「はぁぁぁぁぁっ! 双砲《妖怪・霊縛波》!」
俺の手から射出されているレーザーが太くなり、威力が先程とは比べ物になら無いものとなる。
するとどんどんとマスタースパークを押し始めた。
これなら十分に押し返すことは可能だろう。だが、このままでは魔理沙を傷つけてしまうことになる。
魔理沙は悪くない。傷つけるわけにはいかない。
その時、突如、俺たちの体は浮遊感に教われ、落ちていった。
見てみるとそれはスキマだった。どうやら紫が俺たちのことを助けてくれたようだ。
「遅くなってごめんなさい」
スキマの中に落ちると即座に紫に謝罪された。
「実は突然足元が崩壊しはじめてね。なんとか回避したんだけど、その崩壊の中にはいると能力が使えなくなるみたいなの。それで紫が崩壊に巻き込まれちゃって大変だったのよ」
「面目ないわね」
足元が急に崩壊した? 徐々に崩壊の範囲が広がっていくんじゃないのか?
それに崩壊に巻き込まれたら能力が使えなくなるのか。
しかし、これでいつ崩壊に巻き込まれるのかあわからなくなってきたな。
「崩壊が始まる箇所が増えたって言うことはすこしこの幻想郷のタイムリミットも縮まっちゃったんじゃないか?」
「そうね。正確にはわからないけど、確実に二週間は持たないわ」
となるとできるだけ早くけりをつけないといけない。
「シャロがいれば……シャロがいれば別の空間に逃げたやつを見つけられるかもしれないのに」
「残念ながら私のスキマじゃ時間がどれだけあっても足りないものね」
シャロは今ごろ何をしているのだろうか?
あいつのことだから幻想郷の危機には飛んできそうなものだけど……。
「そうだ、正邪。体をもとに戻そう。お互いにその方が行動しやすいだろう」
「……しかたないな」
すると正邪は指をパチンとならした。その瞬間、俺と正邪の体はもとに戻り、目の前に正邪の肉体が出現した。
これでとりあえず一段落だ。
「ってあれ? こいしは?」
「こいしなら魔理沙のところへ向かったわ。スパイとしてしっかりやって来ると張り切ってね」
「そうか」
すこし心配だが、本来、俺が守るまでもないくらいにこいしは強い。
こいしならば危険な状況に陥っても何とかするだろう。
「じゃあ俺たちはシャロを探すことに専念しよう」
「だけど、そのシャロ様を探す術がない……」
『これは流石に動かないとな……』
突如としてそんな声が聞こえてきた。
その瞬間、スキマに新たな穴が出現し、一人の少女が落ちてきた。
「えっ」
俺は驚いた。
なぜならその人物は俺のよく知っている人物。そして俺たちが今、一番探し求めていた人物。
時間神であるシャロだった。
しかし、そのシャロを見てみると、ボロボロになっており、一目見ただけでかなり重症だっていうのがわかる。
この状態ではジーラを探すのはおろか、シャロの命すら危うい状況だ。
「紫、シャロを永遠亭に運んでくれ」
「わかったわ。私達もすぐに合流する」
そういうと俺と正邪は人気の少ない森の中に放り出された。
ここならば暫くはゆっくりしていても大丈夫そうだ。
しかし、ここもいつ崩壊が始まるかはわからないからそうゆっくりもしていられないけどな。
そこで正邪は口を開いた。
「じゃあ残った私達は何をすんだよ」
何をするか、それはもうすでに決まっている。
「仲間を増やしに行く」
はい!第164話終了
シャロが出てきましたが、なんとボロボロの状態に!
誰がシャロを連れてきたのか?
そして真のいう仲間とは一体?
それでは!
さようなら
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