それでは前回のあらすじ
魔理沙と撃ち合いをする真。だが、魔理沙のマスタースパークの方が威力が高かった。
そこで両手で霊縛波を放つとマスタースパークに勝てるほどの威力になった。
しかし、それでは魔理沙を傷つけてしまう。
その時、真と正邪はスキマに落ちたため、魔理沙から逃げることに成功。
そこで、こいしがスパイに出たと紫に伝えられる。
そしてついにシャロを発見したが、シャロはかなりボロボロの状態で発見された。
果たしてシャロの身に何があったのか?
それではどうぞ!
side真
紫たちはシャロを永遠亭に送ったあと、すぐに俺たちと合流した。
そして仲間を集めるために俺たちがやってきた場所、それは――
「紅魔館? 本当にこんなところに仲間になってくれるような人がいるのかしら?」
「レミリア達はおそらく洗脳の餌食になっているわよ。助けは望めそうにないわ」
確かにここにはレミリア達がいる。
レミリアとフランならもしかしたらこの洗脳を跳ね除けているかもしれないっていう希望ももちろんあるが、それはあんまり望むことはできないだろう。
ならばなぜ俺がここにきたかっていうと、ここに洗脳の類に強そうな奴がいるからだ。
パチュリーも強そうっちゃ強そうだが、本命はパチュリーではない。
「あいつもこの異常事態には気がついているだろう。恐らく協力してくれる」
「そう……あなたがそこまでいうならば賭けてみましょう。私がスキマを開けるからその隙に紅魔館内部に侵入するわよ」
「あぁ、頼む」
このまま紅魔館に正面突破したところで美鈴や咲夜に捕まっておしまいだろう。
多分レミリアにはスキマで侵入してもすぐバレてしまう。だから早く用事を終わらせてしまわないといけない。
美鈴に見つかる前にこっそりとスキマを開いて中に入った。
通り抜けるとそこは地下階段の目の前だった。周囲には人の気配はない。直ぐには見つかることはないだろうが、この先にはフランの部屋がある。
そのため、慎重に行動をしないとレミリアどころかフランに見つかってしまう。本気で殺しにきているフランに見つかったら一瞬でデッドエンドだからな。
「さっさと見つかる前に行くぞ」
「でもここからどこに行くっていうんだよ」
「あいつはフランの遊び相手だからフランの部屋の近くの部屋なんだよ」
フランの部屋に近づくほどに俺たちの中で緊張が走る。
今は真夜中だから吸血鬼としては力が一番強くなる時間だ。
ただでさえ強いフランにその状態で攻撃されては一溜りもないだろう。
「早く行くぞ」
俺たちは静かに物音を立てないように、それで且つ素早く目的の部屋へと向かっていく。
その瞬間だった。
「っ! 避けろ!」
正邪が急に叫んだので驚いて立ち止まると、俺たちの進行方向にものすごい数のナイフが突き刺さっていた。
そのナイフ達を見てぞっとしてしまう。
このまま歩いていたら俺たちはこのナイフに蜂の巣にされていた。
このナイフを投げてきたのは一人しか考えられない。
この紅魔館のメイド長、十六夜咲夜!
「あら、ネズミが迷い込んだと思ったらお尋ね者だったのね」
やっぱり咲夜はアウトだったか……。
だが、どうする? この状況は……。咲夜から逃げるのはベリーベリーハードなわけだが……。
「さて、あなた達。覚悟はいいかしら?」
咲夜はナイフを構えると俺たちを見据える。
咲夜が相手だったら全力でやらないと勝算が無い。何より厄介なのは時を止めることができる
さて、どうするか……争ってみようとは思うが、正直逃げられる気がしない。
「だが、こんなところで殺られるわけには行かない!」
俺はクレアを発動させると、威圧を放った。
しかし咲夜は強者なため、俺の威圧に一切臆することがない。非常に面倒な事態だ。
「さて、死ぬ覚悟はできたかしら?」
やはり咲夜との戦闘は避けられないのか……。
その時、突如として近くの部屋の扉が開いた。
「うるさいなぁ……今私、寝てるのよ」
金髪でカラフルなクリスタルのような羽を持つ少女。
俺が一番厄介だと考える相手、フランドール・スカーレット。敵にしたらほぼ詰みという恐ろしい相手。
「あ、真だ! お兄様のところに遊びに来たの? こんな夜中に」
あれ? フランはいつも通りだ。
それにどうやら今は寝て新しくまだ眠そうに瞼を擦っている。
だが、フランは俺のことを歓迎してくれている様子だ。
となるとフランには洗脳が効いていないのか?
「って、咲夜! 何してるのよ!」
「妹様! こいつらはお尋ね者です。早く殺さないと大変なことになります」
「どうなるのよ」
「そ、それは……」
フランは咲夜が俺たちに攻撃を仕掛けていることに怒ってくれている。
その間に俺たちは目的の部屋に飛び込んだ。
部屋の電気は付いておらず、恐らくこの時間だから寝ているのだろう。
そんな時に悪いが、起きてもらえないと困るのだ。
ベッドの方へと近づこうと歩を進めたその瞬間、この部屋を霊力が漂い始め、床が揺れ動くのを感じた。そして危険を察知した俺は床に思い切り拳を叩きつけると、壁が盛り上がってきて俺を押し潰そうとしてくる。
「たあっ!」
霊力刀を作り出して壁を一刀両断する。
やっぱりダメだったのか……そう思ったがその後、この部屋を漂っていた霊力が消え去った。
「来ると思ってたよ」
「音恩……っ!」
音恩がそこにいた。
椅子の上に立ち、俺たちを見下ろしている。だが、不思議と敵対心は感じない。
「お前らしくないな。人を試すなんて」
「このご時世だ。何が起きてもおかしくない。だから僕は本物の真さんか試しただけだよ」
それにしても、一歩間違えれば死ぬような試し方はしないでほしい。
そう、俺が用があったのは南雲 音恩。この世界で一番洗脳に対して耐性がある人物だと思っている。
はい!第165話終了
音恩と真が合流しました。
ここからが本当の戦いの始まりです。
果たしてシャロは無事なのか? 真は主犯を倒し、幻想郷を救うことができるのか?
いよいよ中盤戦に差し掛かってきます。
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