それでは前回のあらすじ
音恩の部屋で奇妙なカメラと出会う。
カメラはどうやら崩壊を操れるようで、信じるなって達はピンチに!
その時、死んだと思っていた音恩が助けに入る。
果たして真達の運命は!?
それではどうぞ!
side真
俺たちのピンチにさっそうと登場したのは先ほど、死んだと思われていた南雲音恩、その人だった。
目に浮かんだ歯車は回転しており、先ほどとは違って霊力を感じる。そしてかすかな妖力も。
「お前、さっき確かに心臓にナイフを突き刺しただろう」
「そうですね」
胸には真っ赤な血の跡が残っており、服に穴が開いていることから突き刺したのは本当の事なのだろう。というよりも、現在進行形で血が流れだしてきている。普通の人間だったらもう生きてはいられない量の血を流してしまっている。
もちろん、音恩も普通の人間なのだから生きていられるわけがないのだが––
「まぁ、僕はもう普通の人間じゃないから」
「え、どういうことだ?」
「今の僕は吸血鬼だ」
そういうと、音恩は床に手を付けると部屋全体に霊力を流し始めた。
やはり、全盛期と比べるとこのギアモードの出力は落ちているものの、さすがは音恩だ。一瞬で自分のフィールドを作ってしまった。
「嫌な予感がしたからレミリアに吸血鬼にしてもらっておいてよかったよ。吸血鬼は心臓をつぶされたくらいじゃ死にはしない。そして自分の体を操って一時的に心臓を止めてやれば簡単に仮死状態を作ることができる」
なるほど、吸血鬼に吸血されたら眷属化、つまり吸血鬼になることがある。それを利用して音恩は吸血鬼になってこいつの事を欺いたということか。
音恩があのまま死んでいたら本当に対抗策がなくなっていたからファインプレーなのだが、俺たちはすでに崩壊に囲まれてしまっている。ここからどうやって脱出するかなのだが––
「生きていたからどうだっていうんだ? その程度の力じゃ俺にはかなわないぞー? ハプニングこそあったけど、問題ないね。イッツショータイム」
カメラがいうと周囲が崩壊し始め、俺たちを徐々に追い込んでいく。
それを見ると音恩はカメラに向かって手のひらを向けた。その瞬間だった。
「ぐぅぅぅぅあぁぁぁぁぁ」
カメラが突如として苦しみだした。
それはすぐに音恩の力だということが分かった。
音恩の力は機会に最も有効な力。つまり、ハッキングだ。今、この場で最もカメラに有効打を与えることができる人物は音恩だ。
「き、貴様!」
「今ここでお前を殺してもいいが、それでは僕らはここから一生出ることができない。何とかしろ」
「けっけっけ、誰がそんなことをするかよ」
「ぐぅっ」
カメラは衝撃波を放つと俺たちは少し吹っ飛ばされ、音恩は能力を解いてしまった。
まずい、このままでは俺たちは崩壊に飲み込まれてしまう。
何とかして脱出する方法はないのか?
「お前らは崩壊して、この大魔導士デイ様の糧となるんだな、けひゃひゃひゃ!」
「そうか……」
「え? ぎやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
突如としてカメラに落ちた黒い雷。
直撃したことによってかなりのダメージを受けたのだろう。さっきまで浮いていたのに地面に落ちてきた。
だが、今の攻撃は見たことがない。いったい誰が俺たちを助けたのだろうか。そう考えて周囲を見渡すと、そこには不自然に開いたスキマが存在していた。
今ここにスキマをつなぐことができそうなやつと言ったら俺はあの人しか知らない。
「シャドウ!」
「全く……どいつもこいつも俺の力なしに満足に戦えねぇのかね……」
スキマの中から出てくる少年。まごうこと無きシャドウだ。
「お、お前、どうやってこの場所に!」
「俺としては来たくはなかったがな」
シャドウはいつも通りのテンション。ほかの面々はシャドウに初めて会うので、かなり困惑している様子だった。
やっぱりシャドウはこの幻想郷を放っておけない性格をしているようだ。
シャドウは別にこの幻想郷だけの神ってわけじゃないらしいけど、個人的にこの幻想郷を贔屓しているような気がする。
「だが、ここに来たのは運の尽きだな。お前も一緒に消えてしまえーぐはっ」
崩壊を勧めようとしたカメラだったが、その前にものすごい速度でシャドウがカメラを蹴り飛ばした。
何とか崩壊の直前で制止するカメラだったが、もう少しで崩壊するところだったのでカメラは青ざめる。
「ぐぬぅぅぅぅぅ! はぁっ!」
その瞬間、カメラが闇の力を込めた霊力の球を作り出した。
「しねぇぇぇぇぇ」
カメラは霊力の球を放つ。
あれは俺たちが全力で押し返さないとやられそうなほどの威力があるものの、シャドウはというと、その霊力の球を片手で受け止めてしまった。
「へ?」
「弱い」
「ぎやぁぁぁぁぁぁ」
シャドウが霊力の球を投げ返すとカメラはその霊力の球に直撃し、飲み込まれる。
すると、この部屋の崩壊が止まり、カメラはその威力によって消滅してしまった。
「ふん、弱い」
これがシャドウの力か……。
初めてシャドウの戦闘シーンを見たが、あの威力の霊力の球を片手で投げ返すなんて、俺とライトが本気を出して二人で戦っても一切勝てる気がしない。
霊縛波は受け止められるどころか、返り討ちにされてしまいそうな気がする。
「あ、真。これやるよ」
「え?」
そうして投げ渡されたのは木の枝だった。
特に何の変哲もない枝のように見えるが、どうしてこんなものをシャドウは俺に渡してきたんだ?
だけど、なんだかこの枝は大切なもののように感じる。どうしてだろう? 見た感じではただの木の枝なんだが……。
「俺が協力するのは本当にこれで最後だ」
シャドウはそういうと俺たちは突如として浮遊感に襲われ、気が付いたら草原のど真ん中で立っていた。
「今のは誰なんだ?」
「真さんを知っているような感じでしたね」
「何だったんだろう?」
正邪、音恩、フランが疑問の声を上げる。
だが、紫と幽々子はそんなそぶりは一切ないことを見ると、おそらく二人はシャドウが何者なのか知っているのだろう。
あいつはもう手助けはしないと言っていたが、今回はこうして助けてくれた。
やっぱりシャロの話通りにシャドウは優しいやつのようだ。
はい!第168話終了
シャドウの力が少しだけ出ましたね。
ただ、あれはまだまだ本気では無いので、本気を出せばありえないくらいに強いです。
そしてシャドウが真に渡した枝の正体は!?
それでは!
さようなら
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