それでは前回のあらすじ
ピンチのところで音恩が助けに入る。だが、デイの力には遠く及ばなかった。
そこへ、基本放任主義を掲げている全能神、シャドウが助けに入った。
シャドウの強さは圧倒的で、デイを圧倒して一瞬でデイを倒してしまった。
シャドウに助けられた真たち。
果たしてこの異変の元凶を倒すことができるのだろうか?
それではどうぞ!
「くそう……どうして俺がこんな目に遭わないといけないんだ」
魔導士デイは真っ暗な部屋の中、一人でつぶやいた。
デイはあと一歩のところで真や妖怪の賢者などの厄介な人物たちを一掃できると思っていた。
だがしかし、あと一歩、あと一歩のところで邪魔が入ったのだ。
近くにあったコップをおもむろに手に取ると壁に向かって投げ飛ばすデイ。もちろんそのコップはガラス製なので、木っ端みじんに砕け散る。
「荒れているなデイ」
「神楽っ!」
そんなデイの前に現れた人物は仮面をかぶった厳つい男だった。
背中に大きな剣を背負っているところを見ると、すぐに剣士だということが想像できる。
「そりゃ荒れるぜ。あと一歩だったんだ。あと一歩のところでっ!」
「ふむ……お前が負けるとなると相当な手練れだな。どんなやつだった」
「あれは……そう、男のクソガキだったな。真っ黒な雷を使いやがる」
「なるほどな」
神楽はデイのそんなアバウトな説明だけで誰がデイの邪魔をしたのかが一瞬で分かった。というよりも、思い当たる人物がそいつしかいなかったのだ。
そのことに気が付くと神楽はにやけを抑えることができなくなってしまった。歓喜だった。
デイはその神楽の表情を見て驚愕する。なぜなら神楽は普段仏頂面で、にやけるなど今まで一度もなかったからだ。
「了解した。その件は俺が預かろう。それと、あのお方からの伝言だ。シャロを確実に潰しておけ」
「あの弱っちい神か。図太く生き残りやがってよぉ~。まぁいい。ちょうど誰かに当たりたかったところだ。殺してもいいってんなら簡単だ」
するとデイは机の引き出しから小型のカメラを取り出した。
「またあの鳥から奪ったカメラの複製か」
「生憎俺は外に出ての任務とか合わないんでね。じゃあ、いってこーい。僕の可愛いキラーカメラ」
side真
「まさかここに来て直接敵がおいでなさるとはな」
ついさっきまで静かだったライトが突然口を開いた。
「さっきまで静かだったが、どうしたんだ?」
「あぁ、ちょっと考え事をな」
敵を目の前にして考え事ができるなんてすごいな。
でも、ここに来て敵が突然直接来て俺たちをつぶそうとするなんて……しかもあの閉鎖空間だ。シャドウがいなかったら俺たちは今頃、崩壊に巻き込まれて一掃されていた。
そう考えるとシャドウには頭が上がらない。
「さっきの変なしゃべり方のやつ、まるでダメージはない様子だった。つまりは通常の方法ではダメージを与えることはできないのかもしれない」
「なるほどな……でも、そうなるとどうやって倒したらいいんだ?」
「そこが問題だ。だが、一つ言えることは、あのカメラからは生き物特有の霊力を感じられなかった。あれ自身が弾幕を放っていたのにもかかわらずだ。つまりは遠隔操作系の能力持ちだろう。この崩壊をどうやって操っているのかはわからないが、そういうことで間違えはないだろう」
ライトの考えならばすべての矛盾が解き明かされる。おそらくライトの考えで間違えてはいないだろう。
しかし、ジーラの仲間にこんな能力を使えるやつはいなかったはずだが……もしかしてまた新しく仲間を集ったのか? だとしたらかなり厄介だ。
ジーラ一人探すのに苦労し、おそらくかなり強くなっているだろうからかなり苦戦を強いられるはずなのにめちゃくちゃ強いやつがほかにもいる。
その中の一人は先ほど、俺たちが手も足も出なかった。
絶望的とはこのことをいうのだろうな。
「ちなみに真、今こいしはどこにいる?」
「今? 今は……っ!」
その時に俺は気が付いてしまった。
こいしの妖力が弱くなってきていること、そしてその目の前にものすごい霊力を感じることに。
「っ! 紫! 北西の草原にこいしの無意識発見。衰弱状態とみられる。付近には謎の霊力を感じる!」
「了解!」
紫に伝えるとすぐにスキマを開いてこいしのことを探し始めた。
すると五秒と立たずにこいしのことを発見したのだろう。スキマが開通した。
その瞬間に俺は後先考えずに一番に飛び込む。
俺にとってこいしの命よりも大切なものはない。
こいしがピンチならば行かなくてはならない。その使命感に駆られて俺はスキマの中を駆け抜けていく。
少し走るとすぐに出口にたどり着いた。
出口から見えるその景色を見て俺は出口に飛び込み、飛び蹴りを放った。
「人の大切な人に何手ぇ出してんだてめぇっ!」
俺の飛び蹴りはこいしの胸倉をつかみ上げていた男にクリーンヒット。こいしを手放し、ものすごい勢いで飛んでいく。
「大丈夫かこいし!」
「う、うん……だけど、気を付けてまだまわりにはっ!」
「見つけたぞ真っ!」
「いい加減死んでください真!」
「巫女としてあなたを対峙します!」
俺に続いて続々とみんながスキマから出てくる。
そんな俺たちの目の前に現れたのは魔理沙、妖夢、早苗だった。厄介な三人組がそろってしまった様子。
特に魔理沙は強い。みんなで全力で戦わないと普通に負ける可能性がある三人組だ。
「あーいたいいたい……全く、ひどいね君は。初対面の相手の顔面に飛び蹴りを放つなんて……どこでそんな教育を受けてきたのかな?」
俺が蹴り飛ばした男が立ち上がった。
かなり大柄な男で、スーツのようなものを着用している。
そして驚くべきことにさっき蹴り飛ばしてやったはずなのに、もうすでにその傷が無いということだ。
「だがまぁいい。獲物が直接来てくれたんだ。ありがたくその命を頂戴しよう」
そういうと男は一瞬で俺の目の前に出現し、拳を放ってきた。
殴られる。そのことを覚悟したものの、その拳は俺に届くことはなかった。
「真っ!」
「ライトっ!」
なんとライトに突き飛ばされ、俺は拳を回避したのだが。
「ぐあっ!」
ライトがまともにその拳を顔面に受けてしまったのだ。
その拳にはとげのようなものが付いており、それによってライトへのダメージも甚大だ。
ライトはダメージによってか、立ち上がることができずにいる。
それを見てこいしの方へと視線を写してみる。体のいたるところから血が出てきており、妖怪とはいえ、かなりのダメージだということは想像に容易い。
もう少し遅かったらこいしはそのままこいつに殺されていた可能性がある。
「こいしちゃんをいじめるやつは絶対に許さない!」
「フランっ!」
音恩の静止の声も聞かず、フランはレーヴァテインを作り出すと走り出していってしまった。
怒りに我を忘れてただ闇雲に突撃していっているだけだ。それでは相手の思うつぼだ。
すると突然、フランの体がぴたりと止まった。見てみると音恩がパソコンを操作している様子だった。おそらくフランの事を強制的に止めているのだろう。
「お兄様! なんで止めるのよ!」
「フランの事が大切だからだ!」
「え?」
「僕はフランには死んでほしくないんだ」
初めて聞く音恩の懇願するような声。その声によってフランは我に返ったようだった。
ほっと一安心。しかし、それは束の間だった。
「感動のシーンはいいが、俺は飽きてしまった。さて、ここからは本気で殺しに行く」
こいつの強さを身に染みて味わった俺たちにとってはそれは死刑宣告にも等しかった。
はい!第169話終了
この敵はいったいなんなのか。
次回、遂に本格的なバトルが始まります。
それでは!
さようなら
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