それでは前回のあらすじ
鬼流と相見える真たち。しかし、その強さは規格外なもので、真たちだけの力では勝率はかなり低い。
その時、真たちの前に現れたのは紗綾だった。
なんと、紗綾は洗脳されていなかったのだ。
真と紗綾の共闘が、今始まる。
それではどうぞ!
side真
「って、うん? あいつってもしかして鬼流?」
「え? 紗綾、あいつの事を知っているのか?」
「知っているも何も、あいつは私の幼なじみだからね」
「えぇぇぇっ!?」
流石に驚いた。
紗綾とあいつが幼なじみだったとは……。
「まさかこんな所で再開するなんてね。春斗」
「あ? てめぇ、まさか菜乃花か! 雰囲気が違いすぎて気が付かなかった」
鬼流は今気がついたようだ。
さっきまで余裕の表情をしていた鬼流が動揺した表情を見せている。
かなり驚いているのだろう。
「まさか失踪したお前がこんなところにいるとは夢にも思わなかった。お前は里では死んだことになっているぞ。寺子屋の集団失踪事件、懐かしいじゃないか」
「うんよく、あなたはその日は寺子屋をサボっていたものね」
どこの世界にもサボる人って言うのはいるものなんだな。
というか、紗綾は失踪者扱いになっていたのか。だから死人が蘇ったかのような驚き方をしたのだろう。
なにせ、鬼流の中では紗綾は死人扱いになっていたのだから。
しかし、それよりも気になることを鬼流は言っていた。
――ジーラ様。
やはり今回の案件はジーラが関わっているようだ。
以前、あいつにはかなりのトラウマを植え付けてやったつもりだったが、まだ懲りていなかったようだ。
だが、おかげで俺の中で殺す理由というのが出来た。
以前は情けなさすぎて殺す気にもならなかったが、今回ばかりは殺意しか湧いてこない。
「まぁ、いい。死人扱いが本当に死人になるだけだ。何も問題は無い」
「へぇ、死人になるのはどっちかしらね」
俺と紗綾は並んで立つ。対する鬼流も隙の無い構えをする。
恐らく今回のジーラ隊のメンバーは以前、俺たちが戦ったメンバーよりも圧倒的に格上が選出されていると考えていいだろう。
「最初から飛ばしていくぞ」
「分かった」
「「はぁっ!」」
俺はクレア王を使用し紗綾はクレア装を刀に纏わせる。
鬼流も腕にクレア装を使用したようだった。
「はぁっ!」
まずは俺が駆け出した。
刀を構えて真っ直ぐにかけ出す。さっきまでだったら、こんな風に直線に走ったら確実に背後に瞬間移動されてカウンターされていた。
だが、今は周囲が火の海で迂闊に瞬間移動することが出来ないのだろう。俺の攻撃を迎え撃つ気のようで、拳を構えた。
本来だったらこのクレア装はどんな斬撃も受け止めることができるようになるはずだ。だが、それは格下の斬撃の場合だ。
クレア王には意味をなさない。
「ぐああぁぁぁっ!」
俺の刀が鬼流の拳を斬る。
能力を除けばクレアの面では俺の方が格上だ。そのため、俺の攻撃をクレア装で受け止めようなんて思わない方がいい。
そしてその隙に紗綾が鬼流の背後へと回る。
「鬼流!」
「……お前では俺には勝てない」
「くっ!」
その瞬間だった。
紗綾が攻撃を放つ前に一歩先に鬼流が剣を振ったため、紗綾は薙ぎ払われてしまった。
だが、さすがは紗綾と言った所だ。突然の攻撃だったというのにしっかりと受身を取ったのだ。
「お前は俺に一度も勝てたことがないだろう。昔からお前はずっと俺よりも弱い」
「だけど、それは昔の話でしょ⁉︎」
「いや、昔だけではない。これからも、お前は俺に勝つことは一生ない!」
鬼流は紗綾の方向に向かって正拳突きを放った。
すると、紗綾は正拳突きの衝撃波のみでぶっ飛ばされてしまった。
だが、紗綾は吹っ飛ばされながらも周囲の炎をかき集め、鬼流に投げ飛ばした。
「なにっ⁉︎」
「いつまでも昔の私だとは思わないでね」
「あと、お前の敵は紗綾だけじゃないっていうことも忘れるなよ!」
「なっ!」
俺は鬼流に霊縛波を背後から叩きつけた。それは紗綾が投げ飛ばした炎が鬼流に直撃するのと同じタイミングだった。
ものすごい爆発と共に俺は爆風によってぶっ飛ばされるものの、地面に霊力刀を突き刺してなんとか耐える。
逃げ場のない攻撃。流石にあいつでも一溜りもないはずだ。
その直後、俺たちは目を見開いてしまった。
確かに俺たちの攻撃の威力は高かったようで、上半身の服は綺麗に消し飛んでしまったようだった。だが、しっかりと五体満足で立っており、何より上半身を見て俺たちは絶句してしまった。
なんと肉体というものが見当たらなく、完全に機械仕掛けな胴体だった。
「あ、あんた、それは……っ!」
「あーあ……見られたなぁ……仕方ねぇよな……殺すか」
その瞬間、胴体に埋め込まれている歯車。それが突如、ものすごい速度で回り始めた。
「オーバーヒート…………っ!」
鬼流がそう呟いた瞬間、鬼流の体から蒸気が発生し、周囲の温度が急上昇し始めた。
まずい。このままじゃ蒸し焼きにされてしまう。早く鬼流を止めなければ。
そう思ったその瞬間、突然突風が吹き荒れたと思ったら突然、鬼流がその場に倒れた。
そしてその風は俺たちの体を切り裂いてくる。
「ったく……後先考えず行動するなよな」
突如として鬼流の近くにスキマが出現したと思いきや、その中から一人の男が出てきた。
その男は仮面をかぶってでっかい剣を背負っている。かなり威圧的な雰囲気を纏った男だ。
確実にこいつも敵、そう脳では理解しているのに、なぜだかこいつに逆らおうという気は起きない。
なぜなら、本能的にこいつに逆らったら死あるのみだと理解してしまったからだ。
俺の中の死を恐れる本能が俺に戦ってはダメだと告げている。
「邪魔したな。まぁ、近いうちに戦うことになると思うが、今日はやめておくとしよう。では」
それだけ言うと男は鬼流を担いでスキマの中へと消えていった。その姿を俺たちはただ見ているだけだった。
誰一人として動くことができなかったのだ。
スキマが閉じていく。だが、後を追うなんて言う考えは俺たちの思考から除外されてしまったのだ。
はい!第171話終了
鬼流との決着はお預けです。
最後に出てきた奴は神楽です。果たして神楽の力は一体どのようなものなのでしょうか?
そしてシャロの命が狙われています。
真達はシャロを守り切ることができるのか?
それでは!
さようなら
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