それでは前回のあらすじ
真たちと鬼流の戦いが始まった。
相変わらず鬼流の厄介な能力に苦戦するものの、真はなんとか食らいついてチャンスを作り出した。
しかし、鬼流は予想外の行動に出て紗綾がかなりのダメージを受けてしまった。
その行動とはバーストと呼ばれる能力を暴発させる自爆技だ。
それによって鬼流もかなりのダメージを受けた様子。
果たして真たちは鬼流に勝利することができるのだろうか。
それではどうぞ!
side真
あいつは狂気だ。勝つためなら手段をもいとわない。
鬼流の体は今の爆発でかなりのダメージを受けてしまったらしくぼろぼろではたから見たら痛々しいことこの上ないのだが、鬼流の表情は笑っていた。
俺は知っている。自分の目的のために命すら平気で捨てるような人ほど怖い人はいないということを、俺が俺自身がよく知っている。なにせ、俺がそういう人だからだ。
未来の俺もそうだった。過去も未来も現在も俺はそういう男だ。
だからこそ、命を平気で捨てることができる人ほど怖い人はいないということを知っている。
あいつはそういう人間だ。
「さて、俺はデイと違って殺しを楽しむような快楽主義者じゃないからな。早速ここでぶっ倒れている菜乃花から殺してやろうか」
まずい、このままじゃ紗綾が殺されてしまう。
俺が何とかする!
「ライト、走れ!」
「何か策があるんだな」
俺とライトは鬼流に向かって全速力で走る。
俺たちの実力は近い。だからタッグを組んだ時には息を合わせやすい。しかも、こいつは俺のクローンだから俺の感情、思考能力がそのままインプットされている。俺と鬼流は言葉を交わさなくとも合わせられる。
俺が霊力刀に霊力を込めるとライトも霊力刀に霊力を込めて俺が鬼流の正面、そしてライトが鬼流の背後に回った。
「クレア王!」
「クレア装」
俺がクレア王、ライトがクレア装を使用して鬼流に斬りかかった。
だが、その瞬間には鬼流は目の前におらず、消えてしまった。だけど、これは想定済みだ。鬼流の能力が瞬間移動である以上、俺たちからの攻撃は瞬間移動で回避すると思っていた。
俺の最大の目的は紗綾を助けることだった。そして、その次の目的は––
「真、歯ぁ食いしばれ!」
「よしこい!」
ライトの方が霊力探知に優れている。だからライトはすぐに鬼流のいる場所を探知した。
そしてライトは俺に蹴りを放とうとしている。まぁ、そういうことだろう。
俺はジャンプすると、ライトは蹴りを放ってきたので、俺は俺でライトの足の上に着地してライトの蹴りの反動を利用して大ジャンプをした。これならば普通に飛ぶときよりも断然に速いので、クールタイムがある鬼流の能力では回避できないはずだ。
すると、目の前に鬼流が現れた。ライトの読み通りにここに鬼流は瞬間移動してきたようだ。
「お前を斬る!」
「っ! 豪お––」
その瞬間、鬼流はふらっとしてうまく技を発動できなかったようだった。おそらく平衡感覚が再度狂わされて思うように動けなかったのだろう。
正邪、お前には何度も助けられたな。この異変が終わったら何か礼をしなければいけないな。
おそらくこいつは普通の斬撃程度では全く動じることはないだろう。おそらく俺のただの斬撃ではこいつを倒すことはできない。
だから俺は刀を持っていないもう片方の手で霊縛波を作り出した。そしてそれを霊力刀に押し付ける。すると霊縛波が徐々に霊力刀に吸収され始めた。
霊力のこもった斬撃を霊力斬と呼んでいたな。ならば、この斬撃は霊縛波が込められているこの斬撃の名前は––
「《霊縛斬》だ!」
俺が鬼流を斬った瞬間、切っ先から斬撃のレーザーが放たれて鬼流をぶっ飛ばしていった。
これが俺の力だ。だが、初めてやったことなだけあって、霊力の操作が難しく、一撃でかなりの疲労感があった。もう一発撃てるとしたら30分後だ。
鬼流は壁に激突してぐったりとしている。始めてまともなダメージを鬼流に与えることができた。
だが、まだ鬼流の霊力を感じる。まだ気を失っていない。まだ倒せていない。
集中しろ、まだ戦いは終わっていないんだ。
鬼流は壁から離れるとぐったりとした様子で床に立った。今の一撃は相当堪えた様子だが、鬼流の体から何か嫌な霊力があふれ出してきているのを感じ、俺は思わず後ずさってしまう。
嫌なもので、俺は嫌な予感というものは毎回当たってきた。そして今回もこの嫌な予感というのは的中してしまうだろう。体中の全細胞が今すぐにでも鬼流を倒せと叫んでいるが、それに反して体は一歩、また一歩と後ずさってしまう。
あいつと戦うことを本能的に拒否しているのだ。
「俺に痛覚はねぇ。感情もねぇ。俺という人間、
その瞬間、ギリギリと歯車が回る音がし始めた。おそらく鬼流の体内にある歯車が回転し始めたのだろう。
前も負けそうになった時にものすごい速度で歯車を回転させていた。おそらく歯車の回転が鬼流の強化のトリガーとなっているんだろう。つまり、今これからは今までよりも強い状態の鬼流と戦わなくてはいけない。
「っ! 表象《弾幕パラノイア》」
こいしが放射状に広がる高密度の弾幕を鬼流に放った。それと同時に紫は周囲にスキマを作りだした。その中に次々とこいしが放った弾幕が入っていく。
何をする気なんだ? そう思っていると、次の瞬間、紫のスキマが鬼流の周囲に大量に出現し、そのスキマの中から大量の弾幕が飛び出してきた。
ただでさえ質量が多いこいしの弾幕が不規則に大量に鬼流へと襲いかかっていく。
これは不可避だ。そう思っていたのだが、
「この程度の攻撃で俺を追い詰めたと思うな」
その瞬間、なんとそのまま正面に目に求まらぬ連続パンチを繰り出し始めたのだ。
そんなことをしても周囲の弾幕が銅にかなるわけではない。そう思っていたのだが、周囲の弾幕が徐々になにかに相殺されるように消えて減っていっていることに気がついた。
そこで俺はある可能性が頭をよぎった。
あいつ、自分自身の体を瞬間移動させるだけでなく、攻撃ですらも瞬間移動できるんじゃないか?
そう考えればすべてのつじつまがあってしまう。
そしたらあいつの攻撃はいつどこから襲ってくるかわからないから、本当に不可避じゃないか。
「不可避なのはこっちの攻撃じゃなくて、鬼流の攻撃の方だったってか? ふざけるんじゃねぇぞ……」
はい!第185話終了
相変わらず物語の進む速度は亀ですが、鬼流との戦いはデイほどは長くならないと思います。
一人のあいて、しかもラスボスではないあいてとの戦いを膨らませ過ぎました。まぁ、鬼流との戦いも膨らませるには膨らませるんですけどね。
それでは!
さようなら
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