無意識の恋 Second stage   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 絶対不可避な鬼流の攻撃に対して真、ライト、紗綾の三人が挑む。

 瞬間移動で攻撃を回避し、瞬間移動で攻撃を命中させてくる鬼流に苦戦した三人だったが、最後は三人の見事なコンビネーションによってついに紗綾が鬼流の胴体を一刀両断させることに成功した。

 さて、まだまだ続く最大の異変。

 果たして勝つのは真か、それともジーラか!



 それではどうぞ!


第187話 紗綾と春斗

side紗綾

 

 私と鬼流、いや春斗は幼馴染。だけど、そこまで深くは関わったことはなかった。

 いつも春斗は窓際の席に好んで座って授業中もずっと外を見ている人だった。そのため、いつもやる気なさそうに見えていたからいろいろな先生方の反感を買ってしまっていたり、よく慧音先生にも頭突きをされていた。まぁ、その頭突きを食らったことは一度もないんだけど。

 春斗は動きは速いし、体も柔らかい。だから少し動くだけで慧音先生の頭突きを回避できるほどの瞬発力を持っていたし、それだけの実力があるから喧嘩にも強かった。だから教室内では浮いていた。

 

 だけど、そんなある日、似顔絵を描く授業で私と春斗はペアになった。

 春斗はその日もとてもだるそうな表情をしていて、いつもだったらさぼりだしそうな表情をしていたけども、意外と彼はまじめだったようで、他の人には迷惑をかけまいと私との似顔絵の授業はさぼらずに受けてくれた。

 だけど、授業中はずっとだるそうな表情をしていたから私が書いた春斗の似顔絵もだるそうな表情になっていた。

 そんな春斗が描いた似顔絵はというと、そのだるそうな表情からかけるとは全く思えないほど繊細で丁寧な絵だった。一言で言えばものすごく上手かった。春斗は手先が器用なのだ。

 

 それから私は春斗と話すようになっていった。

 春斗はその表情や性格、体格とは異なって趣味は裁縫という繊細なものだという。だから手先が器用なのだ。

 

「ねぇ、紗綾。最近よく春斗君と話すようになったよね」

「まぁ、ちょっとね」

「何? 紗綾は春斗君の方が好きなの?」

「ちょ、楓花(ふうか)! 何言ってるの!?」

「紗綾は私のものだよ!」

「何言ってるの」

「ガチトーンは傷つくなぁ」

 

 親友の楓花にからかわれるようになった。

 それから私たちは三人でよく話すようになった。まぁ、なぜだか楓花は春斗に対して敵意をむき出しにしていたけど……。だけど、私はこんな日々が好きだった。とても平和な気がして。

 

 ある日、私と楓花が一緒に家に帰ろうとしていると突然大きい男の人達に囲まれて人気のないところに連れていかれてしまった。

 自分よりもずっと大きい男の人を前にして争いごとが苦手だった私は委縮してしまって震えるだけで何も言えないし、何もできなくなってしまった。だけど、楓花は違った。

 

「いいだろ? 俺たちと遊んで行けよ」

「嫌ですって言ってるじゃないですか」

 

 いつも穏やかで誰に対しても笑顔を見せる彼女が自分よりもずっと大きい男の人に対してにらみつけた。

 私は楓花がすごいと思った。私なんて委縮して震えていることしかできなくなってしまっているのに、彼女は男の人をにらみつけて……だけど、私は気が付いてしまった。

 楓花の足がぶるぶると震えていて、今にも倒れてしまいそうなほどだった。その姿を見てからはこの威勢も風が吹けば飛ぶようなか弱いものに感じて仕方がなかった。

 そして、そんな態度をしていたら相手から反感を買うのは当然だった。

 

「おうおう、足振るわせながらすごまれても怖くねぇな」

「こいつからやっちまおうぜ」

「いや、やめて!」

 

 楓花は腕をつかまれてしまった。力では男の人に勝てるわけもなく、私はもうダメかと思った。

 だけど、その瞬間、楓花をつかんでいた男の人は何者かに殴り飛ばされてぶっ飛んで行ってしまった。

 

「わりぃ、手が滑った」

「が、はっ!」

 

 男の人は一撃で気を失ってしまって動かなくなってしまった。

 私たちは驚いて男の人を殴り飛ばした何者かを見て、そこで再度目を見開いて驚いた。

 

「春斗!」

 

 そう、私たちは春斗に助けられたのだ。

 そして春斗は一瞬にしてほかの男の人も倒して私たち二人とも助けて見せた。その姿はいつもの気だるげな表情ではなく、真面目な表情、真がみんなを守るために戦っているときに見せる表情、そのものだった。

 そんな春斗に楓花は惹かれてしまったみたいで、次に寺子屋で会った時には敵意ではなく、愛情のようなものを感じるような接し方をしていた。本人は隠しているようだったけども、私からしたらバレバレの様子だった。

 

 次第に二人は仲良くなっていって付き合うようになった。それは私もうれしかったけど、少し寂しくも思った。私は少し身を引こうかと思ったけど、楓花は今までと変わらず私と仲良くしてくれたから今までと変わらずに楽しい日々を過ごす。

 だけど、二人は二人きりになるとイチャイチャし始めて、

 

「俺は楓花を守る。ずっと強くなって誰にも負けないくらい強くなって、そんでお前を守って見せるから安心して着いて来い」

「春斗君……」

 

 教室に忘れ物をしたから取りに来たら二人は抱きしめあっていた。

 だけど、寺子屋襲撃事件を機に私たちは離れ離れになってしまった。その時はたまたま春斗は授業をさぼってどこかに居たから春斗は巻き込まれることはなかった。

 そして私たちは無理やり能力を宿らされて死に目に合った。そこで炎の能力を会得してジーラに買われた。いわゆる人身売買というやつだ。

 

 そしてジーラに買われてから数か月後、私とは全く接点のないチームだけど、春斗がジーラに買われたという噂を耳にした。そのコードネームは鬼流。

 

 それから私たちは敵として再開した。その春斗には以前のような誰かを守るために戦う拳というものを持ち合わせていないように見えた。誰かを殺すためだけに磨き上げられた拳。性格もまるっきり違うようになってしまっていた。

 楓花を守れなかったショックによって性格がガラッと変わったのかと一回思ったけど、それともまた違うような気がした。

 まるで誰かの手によって性格を変えられてしまった、そう思ってしまった。

 

 楓花を守るために強さを求めていた春斗。どうして春斗がジーラ側に居るのかは分からないけど、あんたは楓花を守るために戦っていたのに……そんなロボットのような風貌になって……。

 

「……春斗、あんたはそれで本当によかったの? あんたの人生は本当にそれで……」

 


 

side真

 

 紗綾の刀がついに鬼流の胴体を一刀両断した。それによって鬼流は上半身と下半身に分かれ、崩れ落ちた。

 こんなダメージ、致命傷と言ってもいいだろう。胴体を一刀両断されてそうそう生きていられる人はいない。

 力なく崩れ落ちた鬼流の体の断面を見てみると、機械が詰まっていて、どうにも生きている人間には思えない見た目だが、鬼流はピクリとも動かないから倒したのは間違いないのだが、どうにも気味悪く、なんだかもやもやと嫌な予感がして気持ち悪い。

 斬られた断面の機械がバチバチと火花を散らしている。まるでロボットでも斬ったかのような見た目だ。

 

「……春斗、あんたはそれで本当によかったの? あんたの人生は本当にそれで……」

 

 紗綾が悲しそうに鬼流の事を見下ろしている。二人は幼馴染だったからこうして相対してみて何か思うところがあるのだろう。

 すると紗綾はポケットから髪留めのようなものを取り出して鬼流の手の中に握らせると、立ち上がってそのまま振り返って歩き始めた。

 そんな紗綾に続くように俺たちも歩き始めた。

 

 歩けば歩くほどジーラの霊力のようなものを強く感じられるようになっていく。間違いない。ジーラはこの先に居る。

 だが、この先にはジーラの他にもデイや鬼流よりももっと強い霊力を感じる。ここから先では今までにないくらいの激闘が待ち構えているんだろう。

 そんなことを考えて俺は頬をパチンと叩いてさらに先へと進んだ。

 


 

「おやおや、鬼流。やられてしまったのかい? 情けない。だけど、君はそんなことでは死なないよね。いや、死なないんじゃない。言葉を間違えたよ。だって君は生きてはいないからね。君は俺が、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

殺したんだからね」




 はい!第187話終了

 今回は紗綾と鬼流の過去がメインの話でした。

 昔は真と似たような性格で大切な人は絶対に守るといった感じの人物だったけども人が入れ替わったように性格が変わってしまって紗綾は混乱していましたね。

 そして最後の意味深なセリフ、どういうことでしょうか?

 それでは!

 さようなら

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