無意識の恋 Second stage   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 紗綾と春斗の過去話。

 春斗は昔はとても心優しい少年で、気だるげにしていて不真面目ではあったものの、紗綾と楓花が困っていたら助けずにはいられない性格だった。

 そんな春斗に惹かれて楓花は春斗と付き合うようになり、春斗は楓花を絶対に守って見せると誓った。

 しかし、そんな春斗の成れの果てを見て悲しそうな表情をする紗綾。



 それではどうぞ!


第188話 音と衝撃波

side真

 

 歩いていくうちに俺たちは次の部屋の扉を発見した。

 ここに来るまでに道が分岐したりとかも特になかったことから次の部屋はここで間違いないだろう。

 この先からものすごく強い霊力を感じる。かなりヤバい敵がいることは間違いない。下手したら今のジーラの霊力よりも強い可能性があるレベルだ。

 

 みんなが緊張しているのを感じる。それはみんな、この扉をくぐった瞬間から戦いが始まるということを予感しているからだだ。

 

 俺も心臓の鼓動を落ち着かせて深呼吸をし、この扉のノブに手をかける。そして俺はそのドアを一息に開いた。

 するとそこは上空のような、そして上にある空が地面に反射しているかのような、そんな感覚がおかしくなりそうな空間が広がっていた。

 下を見ても何もないように見えるが、触れてみるとこれはしっかりとした地面だった。まるで鏡がそこにあるかのような景色だが、俺たちの姿は映り込んではいない。つまりはこれは鏡ではない。だが、空のような見た目をした地面ということになる。

 空と連動して下の景色も動いているから感覚がおかしくなりそうだ。きれいな光景だとは思うが、かなり趣味が悪いと言わざるを得ないだろう。

 

 そして正面には扉がぽつんと設置されていた。おそらくこの部屋の出口があそこなのだろう。

 だが、あれに迂闊に近づくのは命に関わると本能が告げている。なにせ、この部屋に漂う気配は鬼流やデイなんかとは比べ物にならないほど強力で邪悪なものだったからだ。

 この気配、前に感じたことのある気配だ。敵だ、自分に害をなす存在だ、そう分かっているのに、なぜかこの気配には逆らおうとは思えない。いや、逆らうと死あるのみだと本能的に感じてしまうから逆らう気にもなれないのだ。

 

「よく頑張った。ここまでたどり着いたのは誉めてやろう」

「っ、お前はあの時の」

 

 手を叩いて俺たちをたたえながら現れたのは鬼流と初めて戦った時に現れた仮面の男だ。かなり威圧的な雰囲気を纏っていて、逆らったら確実に死ぬというのがさっきとは比べ物にならないほどにひしひしと感じる。

 まるで、前世の記憶を取り戻し、前世で虐殺されたのがトラウマになっていて奴に恐怖しているかのような、そんな感情があふれ出てくる。

 こいしのために死ぬのは怖くない。そう思っていたのに、今の俺の足は今までにないほどに振るえていた。俺は奴に対して恐怖を抱いているのだ。

 

 それは俺だけではなく、その場にいたみんな同じ状態だった。

 間違いなく俺たちはこれから虐殺されてしまう。

 

「一目散にそこの扉に向かわなかったその警戒心の強さも称賛に値する。いままでこの部屋に来た奴らはみんなこの部屋を気味悪がって早く抜け出したいがためにそこの扉に向かって死んで行った。そこの扉にはある術式が組まれている。それは俺が死ぬまでその扉は人食い扉となってしまうというものだ。一度くぐったら最後、もう現世に戻ってくることはできない魔の扉」

 

 俺もこの気味悪い部屋からは早く抜け出したくはなかったが、何やら嫌な予感がしていたから動かずにいた。

 あいつは今までのどの敵とも戦い方が違う。罠を張って、相手を罠にはめて倒す、そんな戦い方だ。その戦い方ができるということはこいつは知恵もあってなかなかに厄介な奴だ。

 

「さてさて、面倒だけどそろそろ俺も動かないといけなそうだ」

 

 奴はゆっくりとこっちへ歩きながらズボンのポケットの中に入れていた手を取り出してくる。

 何かが来る! そう思った瞬間には俺は宙を舞っていた。

 

「がはっ」

 

 ものすごい威力に俺は地面に仰向けに倒れて戦慄してしまった。

 やばい、こいつ。デイや鬼流とは比べ物にならないほどの強さだ。

 奴と俺たちとの距離は十メートル以上もあった。それに加えてあいつは飛び道具を出した様子もなかった。何をされたのかが全く分からなかった。

 最初にこいつが現れたときもそうだった。鬼流を回収するためにやってきたこいつはものすごい突風を出して俺たちの体に切り傷を付けていった。

 確かにこいつは剣を持っているけど、こいつが剣を抜き放った気配は一切なかった。

 

 超スピードとか、瞬間移動とか、そんな簡単な理由じゃないはずだ。

 

「まぁ、やっぱり君たちじゃ俺には勝てないよね」

「な、なに!?」

「邪の力を使ったのさ。この力はなんにでもなる。風にも、そして音を衝撃波として飛ばすことも、ね」

「ま、まさか、布擦れの音を衝撃波として飛ばしたということ?」

「せいかーい。そこの赤髪の子に一ポイント!」

 

 紗綾の驚きを隠しきれない声の質問に対して楽し気に、まるでクイズ番組でもやっているかのようなテンションで答える仮面の男。

 布擦れの音を衝撃波に変えた?

 

「さて、俺はあまり体を動かすのは好きじゃなくてね、手早く終わらせ––」

「消えろ!」

 

 その瞬間、上空から巨大なまがまがしい球体が降ってきた。さすがにこれを見て仮面の男も一瞬驚いたものの、すぐに元の調子に戻ってその巨大な球体に向き合った。

 あれはこの世の終わりのような力だ。あれが地上に着弾したら一瞬にしてこの世界が消し炭になってしまうことだろう。幻想郷の崩壊がまだ生易しく感じるくらいにまがまがしい力をあの球体は放っている。そしてあれからは神力を感じるな。

 彼方の破壊砲の時は片腕を犠牲にすることで防ぐことができたが、もう一度あのように出来るだろうか。いや、出来るかじゃなく、やらなきゃだめだよな。

 そして俺が飛び出そうとした瞬間、仮面の男は手をパチンと叩いた。すると瞬く間に辺りを暴風とも呼べるような衝撃波が襲い、俺たちはみんなぶっ飛ばされてしまった。そしてまがまがしい球体もこの衝撃波に耐え切ることができなかったようで、上空に押し返されて行った。

 

 完全に押し返されると上空で大爆発が発生し、そこから一人の少女が降ってきた。

 俺は慌てて駆け出すと、その少女の落下地点に滑り込んで少女をキャッチした。

 結構高いところから降ってきたので衝撃はすごかったが、本人は軽いので何とかキャッチすることができた。

 

 その少女は俺たちがよく知っている少女だった。

 

「彼方、大丈夫か!」

「うぅ……まさか圧し負けるなんて……」

 

 落ちてきた少女は彼方だった。

 今の一撃は相当なダメージだったらしく、体中ぼろぼろになってしまっている。

 龍磨ですら反応することができていなかった彼方の破壊の技をいともたやすくはじき返すなんて、やっぱりただものじゃない。

 

「気を付けて、真。そいつからは神力を感じる」

「し、神力だって!?」

「おっと、真の神である君ならばそりゃ気づくか。そうだよ、俺は神だ。元、だけどね」

「元?」

「おしゃべりはここまでだ。さて、ここから君たちには地獄を味わってもらうよ」




 はい!第188話終了

 ついに仮面の男との戦いが始まりました。

 音を衝撃波として飛ばすことができる仮面の男は手を強くたたくことによってものすごい威力の衝撃波を生み出すことができます。

 ちなみに足音とかでも相手にダメージを与えることができます。強い(確信)

 そんな奴相手に真たちはどう戦うのでしょうか?

 そして邪の力とは一体? 元神のその理由とは!?

 それでは!

 さようなら

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  • 海藤真
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  • 南雲鈴音
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