無意識の恋 Second stage   作:ミズヤ

212 / 285
 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 新たな部屋にたどり着いた真たちの前に現れたのはいつぞやの仮面の男だった。

 仮面の男は音を衝撃波として放つことができ、真たちは苦戦する。

 真ですら打ち消すのに苦労した彼方の技を仮面の男は簡単に跳ね返してしまった。

 今まで戦ってきたやつらがかわいく思えるほどの強さ。

 果たして真たちは勝つことができるのか?



 それではどうぞ!


第189話 絆の神力

side真

 

 くそ、ここにいるやつらは広範囲で不可避な攻撃をする奴しかいないのかよ。

 彼方の攻撃までも圧倒的な力でねじ伏せることができる威力の攻撃なんて、どうやって防げばいいんだ。

 多分あいつの攻撃は衝撃波だから遠くに行けば遠くに行くほど威力が弱くなるのだろう。だが、近づけばその分威力が上がって近づくことができない。

 

 主に近距離で戦う俺、ライト、紗綾は近づくことすらできない。

 

「さて、冥土の土産に教えてあげるよ。俺は神楽、元神だ」

 

 元神、またこれだ。

 確か神になるには人柱になるか神力水を飲むんだったよな。だが、そのあとの事は知らない。

 神が神じゃなくなるということもあるのか? そこら辺の神についての詳しい知識を俺は全く知らない。シャロたちもこんなことは一言も言っていなかったし……。

 だが、一つ考え付いたことがある。あの邪の力とやらを使った瞬間、神力を感じ取ることができた。おそらくそれは俺が神力を微量ながら持っているからなのだろう。

 しかし、あいつの神力は俺の神力を遥かに凌ぐほどのもので、俺一人の神力じゃあいつの神力を上書きすることはできない。

 

「シン」

「彼方っ」

「一緒に戦おう。あの時みたいに」

 

 そうだ、龍磨との戦いのときに、俺の右腕の代わりに一緒に戦ってくれたんだ。だが、これはあの戦い限定だったはずだ。なのに、なんで今この話を持ち出すんだ。

 

「私はね、決めた。私はいつまでもシンの右腕として戦い続ける。そしてシンを守る」

「っ!」

 

 彼方が俺の手をがっしりと力強く握ってくれた。

 感じる、彼方の想い、そして力を。

 彼方の神力が俺の中に流れ込んでくる、今なら神楽と戦えそうな気さえしてくる。ものすごく調子がいい。体が軽くなっていくようだ。

 そうだ、今までだってそうだったじゃないか。俺たちみんなが一丸となれば乗り越えられない壁なんてない。

 

「「真」」

 

 ライト、紗綾。

 二人が俺たちもいるぞと言わんばかりに俺に声をかけてくれる。

 そうだよ。俺は別に一人で戦っているわけじゃない。俺の後ろにはみんながいる。

 まだ、やれる。

 

『……私も、いるよ』

「っ!」

 

 今の声は……。

 脳内に直接響いてくる少女の声、最近聞いていなかったからものすごく懐かしく感じるこの声。

 そうだったな、お前もいたな。相棒!

 

「感動シーンとか要らないからさぁ、とっとと死んでくれない?」

 

 神楽は手を大きく広げて拍手する体制に入った。あの攻撃は彼方の攻撃をぶっ飛ばしたほどの威力のある音となる。

 だが、その攻撃はもう見た。もう食らわない。

 俺は静かに彼方をその場に下ろすと扱いには慣れていないが、神力をどんどんと高めていく。これはクレア王と同時に使うなと言われた神の技。

 

「《限界突破(リミット・ザ・ブレイク)》!」

 

 きっと今の俺なら、戦うことができる。

 限界突破を使用したことによって俺の神力が大きく膨れ上がり、そしてそれにプラスして彼方は俺の左手を両手でぎゅっと握りしめて俺の体に神力を流し込んできた。

 あの技を打ち消すことができるかがこの戦いの勝敗を決めるといっても過言ではない。あれを打ち消してからが俺たちの戦いの始まりだ。

 

 バチーン!

 ついに神楽は手を叩いた。

 轟音とも思える音に少し怯んでしまう。あれは確実に彼方の攻撃をぶっ飛ばした時の物よりももっと強力な一撃、並大抵な力じゃ逆に押し返されてしまう。

 気合を入れろ。今世紀最大の力じゃ足りない。もっと、もっとさらにその上の神力をひねり出せ!

 

「《上書き》!」

 

 ありったけの神力を右手のひらから放出して衝撃波にぶつけた。だが、その威力は凄まじく、圧されてしまう。

 この力比べに負けたら後ろにいるみんなもこの衝撃波によってやられてしまう。それだけはダメだ。俺がこの衝撃波を打ち消さないと。

 だが、さすがの威力にどんどんと俺は後ろへ圧されていく。彼方の破壊砲がかわいく思えるほどの威力だ。今度は片腕だけではなく、全身が吹き飛んで跡形もなく消え去ってしまいそうだ。

 俺はさっきまでの戦いでかなり体力が消耗しているから大ダメージを受けて生きていられるかは正直微妙なところ。だから、この攻撃に負けてはダメだ。

 今までの経験をわがものとしてこの一撃にすべてを込める。

 

「っ! どんどんと出力が上がってきているっ」

 

 まだだ、まだ駄目だ。打ち消せない。

 そろそろ彼方も限界が近いようで、肩で息をして今にもふらふらと倒れてしまいそうだ。

 

「くそ、こんなところで、負けてたまるか!」

 

 俺一人の犠牲でこの世界(幻想郷)を救えるなら俺はそれでいい。だが、今ここで負けたら今この場にいるみんなの命まで危ない。

 まけ、られるか!

 

「っ!」

 

 その時、俺の体にさらなる神力が流れ込み始めた。だが、彼方はもう限界が近いからこんな神力を俺に流し込めるわけがない。

 そう思って俺は左肩に手を置かれているのに気が付いて左肩の手を伝ってみてみると、そこにはシャロが居た。今までどこかに行っていていなかったが、ここに来て急に俺たちの目の前に現れて俺に神力を注ぎ始めた。

 確かに彼方の神力よりは弱いが、力が尽きかけていた俺たちにとってはものすごく助かる。

 だけど、まだ足りない。あともう少しなのに俺、彼方、シャロの三人の神力を合わせてもまだあと少し足りない。

 

 もうダメだ、俺ももう力が尽きてきた。

 

「さぁ、そのまま死ぬがいい! 所詮君たちの力なんてそんなもんだよ」

 

 俺はこのまま、死ぬのか。

 ……いや、まだだ。まだ希望はある。

 頭の中に響いてきたあの声、離れていても俺たちの想いはつながっているんだ、そうだろ? 相棒。

 

「【神成り】!」

「神成りだと?」

 

 その瞬間、近くに落ちた木の枝がキラキラと輝き始め、どす黒いオーラを出し始めた。

 俺はずっと気になっていたんだ。正体不明の枝、そして植物化させることができる物質。これは一体何が植物化してしまった姿なんだろうかって。

 だけど、今声が聞こえて確信した。枝にされていたものの正体は!

 

「来い!」

 

 きらりと一段と強く光り輝くと枝はどす黒いオーラを払いのけ、変形し始めた。その形はそう、刀だ。

 なんども見たことがあって、俺が一番信頼している武器の見た目だ。

 その瞬間、刀は一直線に俺の方へと向かってくると左手の中にすっぽりと納まった。

 とても手にフィットする。握り心地がいい。

 

『遅れてごめんねー』

「いや、俺こそ、気が付くのが遅れてごめんな。目覚めたばかりで申し訳ないんだけど、俺に力を貸してくれないか?」

『了解!』

 

 すると柄越しに俺の手のひらへ神力が流れてくるのを感じる。

 これならいける!

 

「神楽、お前がこの程度って言った力を見せてやるよ! 俺たちにあってお前に無い力、それが絆の力だ!」

「な、なに!?」

 

 その瞬間、衝撃波はかき消され、俺たちはかき消えた瞬間の衝撃によってしりもちをついてしまう。だが、そうしている間にも神楽は次の攻撃を構えている。

 あれを放たれたら今度こそ本気でまずい!

 そして手同士を叩きつけようとしたその瞬間、俺の背後から飛んできた霊力弾によって神楽はぶっ飛ばされてしまった。そしてそれを合図として一斉に背後から大量の弾幕が神楽へと襲い掛かった。

 

「くそ、おのれ! 調子に乗るな!」

「まずい!」

 

 神楽がモーション少な目で手を叩こうとしている。

 多分さっきまでの攻撃よりは威力は低いだろうが、それでもかなりの高威力なのは間違いないだろう。あれを放たれてしまったらどうしようもない。

 万事休すか、そう思ったその時、誰かが電光石火のスピードで俺の真横を走り抜け、手を構えている神楽を蹴り飛ばした。

 

「な、今度はなん––」

 

 ドカーン。神楽が言い切る前に陰陽玉のような模様(・・・・・・・・・)の霊力弾が神楽に直撃し、大爆発を起こした。

 砂煙によってうまく見えないが、赤と白色の服が砂煙の向こうに見える。

 

「真、彼方、シャロ、それから紬。あんたたちは休んでなさい。あとは私たちに任せて!」

 

 徐々に砂煙がなくなっていき、見えていくその姿に驚愕した。

 お祓い棒を手に持ち、頭に赤い大きなリボンをつけて紅白の脇ががら空きの巫女服を着た少女。

 間違いない。だが、どうして彼女がここに? それに俺に攻撃してこなかったことも不思議だ。なにせ、彼女は俺に敵対してきたはずだから。

 最初に俺に攻撃を仕掛けてきたのだって彼女だ。

 

「悪いわね、真。ちょっと意識を乗っ取られかけたわ。さすが幻想郷の力と言ったところね。だけど、この謝罪は後にさせてもらうわ。この異変が解決した後でしっかりと謝罪を受けてもらうわよ」

「博麗の巫女、博麗霊夢……」

 

 こんなに霊夢の背中がかっこいいと思ったのは初めてだった。それどころか、この異変が始まってから俺は霊夢に見つからないように動いてきた。

 だが、こうして霊夢は俺たちの仲間として再度目の前に現れてくれた。

 

「真」

「あぁ、俺たちもいるぞ。だから、お前は安心してゆっくり休んどけ。この後も戦いがあるんだからな」

「……そうさせてもらう」

 

 霊夢に続くように紗綾とライトも俺たちに一言声をかけて刀を構えて神楽のもとへと歩き始めた。

 

「さて、あんたら、準備はいいんでしょうね」

「「「「「「「もちろん」」」」」」」

「こいつを倒して異変の元凶も退治して、幻想郷に平和をもたらすわよ!」

 

 今日ほど霊夢の事を頼もしいと思ったことはない。




 はい!第189話終了

 真、彼方、シャロ、紬の四人の絆の力で衝撃波を打ち破りました。

 実はあの枝の正体は紬だったんですね。

 しかし、神楽の力は凄まじいですね。あの威力の攻撃をクールタイム少な目で放てるんですよ。

 そしてそこへ登場した霊夢、この章が始まる前の段階でのプロットでは霊夢は仲間にならないものだったんですよね。

 ただ、やはり原作主人公ということでこの第二期ではかっこよく描きたいと思った結果、こうしてプロットを変更しました。

 果たして霊夢を加えたみんなは神楽を倒すことができるのでしょうか?

 それでは!

 さようなら

好きな主人公枠キャラは?

  • 海藤真
  • 刻雨龍生
  • 南雲音恩
  • 南雲鈴音
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。