それでは前回のあらすじ
霊夢と神楽は互角の戦いを繰り広げる。
霊夢がなぜいるのかというとシャロがこの空間に連れてきたからである。
霊夢たちは神楽を追い詰めたかと思われたが、一筋縄じゃ行かない。
果たして神楽を倒すことはできるのでしょうか?
それではどうぞ!
side真
ライトと紗綾は刀を片手に走り出し、同時に神楽へと刀を振るい、その切っ先から二人とも霊力でできた斬撃を飛ばした。二人同時の霊力斬ということだ。
しかもその霊力斬はクレア装の力も相まって通常の十倍ほど威力が底上げされていおり、その軌道上にあるものは全て一刀両断して神楽へと一直線に飛んで行っている。しかし、普通に放ってもこの攻撃が神楽に直撃するわけがないのは分かり切っている。神楽は当然のごとくジャンプしてその二つの斬撃を回避しようと試みるが、なんとその思惑は封じられることとなった。
「博麗の巫女をなめないことね」
「っ! 結界」
神楽の足元には大量のお札、そしてそのお札一枚一枚から弦のようなものが伸びてきてそれが神楽の足にがっしりと絡みついている。
霊夢はあの凄まじい神楽との攻防の中で、これらを設置し、この状況に備えて準備をしていたということか。
改めて博麗の巫女はすごい。霊夢の戦いは何度も見たことがあるし、その都度勝ってきたことも知っている。
確かに霊夢は最近修行をさぼり気味だというのは誰から見てもわかるが、それでも今まで戦ってきた回数はかなりのもので、その場数が霊夢に経験という力を与えていることは確かだった。
その経験が今、霊夢を動かし、そして結界を構築させることができた。
霊夢と俺の強さのベクトルは違うが、これだけははっきりとわかる。多分俺は本気を出した霊夢には勝てない。
「このっ! ならば衝撃波で––っ!」
神楽が手を叩こうとした瞬間、神楽の手までも弦のようなものが絡めとってしまって神楽は全く動けない状態になった。あの状態ならば邪の力とやらも使うことはできない。足音を立てようとしても足を上げるこそすら叶わない。
この斬撃は直撃する。この場にいる誰もがそう思っただろう––ただ一人、博麗霊夢を除けば。
「爆発しろ!」
その
次の瞬間だった。ライトと紗綾の放った霊力斬が両方とも大爆発を起こし、爆風が壁を抉り、霊夢、ライト、紗綾は比較的近距離にいたため、もろに爆風のダメージを受けてしまった。
みんなにかばわれて後ろの方に居た俺でさえも爆風によって背中に焼けるような激痛が走った。俺でさえこのダメージなのだから、もろに食らった三人のダメージ量が心配だ。
慌てて起き上がってみてみると、紫たちの様に遠距離で戦っていたみんなは多少ダメージは受けてしまっただろうが、まだまだ戦えそうな印象だ。だが、一番心配なのは霊夢、ライト、紗綾の三人だ。
俺は焦りながら周囲を見渡してみるが、その三人の姿が見えなかった。どこにもいない。霊力も感じない。その代わりに見えるのはもともと三人がいた場所に出現した真っ赤な血だまりだ。それは至る所に飛び散っており、天井からは赤い水滴がぽたりぽたりと降ってきていた。
その様子を見て俺たちは青ざめてしまった。最悪の事態を考えてしまったからだ。
「あぁ……脆い。実に脆い。この程度で木っ端みじんになるなど実に脆いな」
「神楽……」
「安心しろ。お前らもすぐに同じところに送ってやるからな」
霊夢が消失したことによって霊夢が構築していた結界の効力が失われてしまったのだろう。自身を拘束していた弦を引きちぎりながら神楽はゆっくりと俺たちに近づいてきた。
何とかしなければ。何とかしないとみんなが殺されてしまう。
戦え、戦うんだ、海藤真!
立ち上がれ!
「【神成り】!」
俺が名前を読んだ瞬間、紬は刀へと変化し、俺の手の中に納まった。
今度は力を借りるだけじゃなくて、一緒に戦うために俺はこの刀を握る。
『真、覚悟が決まったんだね』
「あぁ、この状況で黙ってみていられるほど、俺は神経が図太くないんでな」
正直、どうしてあの斬撃が爆発を起こしてしまったのかが分からないが、だからといってこの戦いから逃げる理由にもならないし、黙って見ていてもいい理由には絶対にならない。
少し休ませてもらったおかげで体力は少し戻った。今ならば戦える。
「ほう、向かってくるのか。今のを見せられて、まだ俺に向かってくる意思はあるのか。今、お前の仲間たちが爆発に巻き込まれて木っ端みじんになって死んだというのに!」
「死んでない。あいつらは絶対に死んでない。あいつらはあの程度で死ぬほどやわじゃない」
ライトは俺の複製だ。戦闘センスだけで言ったら俺と同等の実力を持っている。俺があいつの攻撃を受け止めることができたんだ。ライトがそれをできないはずがない。
霊夢だってそうだ。霊夢はいままで幾度となく命の危険にさらされてきただろう。だが、その都度勝ってきたんだ。そんな霊夢がこんなところで死ぬとは思えない。
紗綾、あいつは俺が唯一しっかりと指導した奴だ。あいつの強さは俺が一番知っているといっても過言じゃない。あいつはあの程度では死なない。絶対に生きている。
「あはははは…………まさか、くだらない妄言を吐き散らかすようなゴミになり下がってしまうとは。お前も感じてるんだろ? あの三人の霊力が感じられない。つまりは、死だ」
「いや、まだ死んでいないさ。だから俺はあいつらの為にもここで引くわけにはいかない。クレア王!」
「愚か者が。そこまでして死にたいならば殺してやるよ……」
俺がクレア王を使用して走り出したその瞬間、神楽は目をカッと見開くと大きく息を吸い込んで一言叫んだ。
「燃えろ!」
ボフンっ!
突如として周囲が火の海へと変貌を遂げてしまった。地面はコンクリートだというのに地面が燃えているような感じだ。
熱い。足が焼ける。だが、この程度では俺の歩みを止めることはできない。
「弾けろ!」
神楽がそういうと前方にある瓦礫が細かくはじけ、その瓦礫片がすべて俺に直撃し、威力がすごかったせいか弾丸のごとく、俺の体を貫通した。
「かはっ」
さすがの俺もその場に崩れてしまうが、今のなら問題はない。致命傷でよかった。
俺はまずいと思って咄嗟に瓦礫片が致命傷となりうるところに直撃するように動いた。だが、さすがに今のをそう何回も食らっていたら本当に俺は死んでしまう。
俺は即死攻撃を受けないだけで、死ぬことには死ぬんだから。
「すごいすごい。俺の言霊をそんな風に耐えるなんて。やっぱりお前は人間を辞めているよ」
「そりゃーな。なにせ俺は妖怪だからな!」
「なら、これでどうだ。剣山になれ!」
「ぐっ!」
その瞬間、足元が消滅し、その下に剣山が出現した。
俺も急なことで対応しきることができずにその大量の剣の山に串刺しにされてしまった。
痛い、苦しい。身動きが取れない。体が剣山に貫かれているせいでうまく体が動かせないんだ。
体から大量の血が流れているのが見える。血が流れ過ぎるとさすがの俺も出血死してしまうだろう。あの一瞬であいつは俺を殺す方法を編み出したということか。
早くこの剣山から抜け出さなければ……だけど、力が入らない。血が抜けすぎて力が入らない。
あぁ……なんだよあいつの力。強すぎる。
言霊って言っていたか。口に出したことを現実のものとする力。
今まで俺は幾度となく壁にぶち当たってきた。幾度となく自分よりも強い力を持っている奴と戦ってきた。その都度俺は作戦を巡らせたり、さらに強くなって対抗してきた。
だが、今回のは無理だ。相手が強すぎる。
ごめんみんな。
はい!第191話終了
霊夢、ライト、紗綾の三人が消失。
真は三人が死んでいないと言っていましたが、どうなのでしょうか?
そして真は一体どうなってしまうのか?
それでは!
さようなら
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南雲音恩
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