無意識の恋 Second stage   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 シャドウの代わりに出て来た龍生と鈴音が神楽と戦う。

 龍生はシャドウとの修行にて《空絶》を会得し、鈴音はシャドウとの修行にて《女帝の眼(エンプレスアイ)》を会得していた。

 その二人の力は大幅に進化しており、神楽の攻撃を無効化して蹴り飛ばす。

 しかし、二人の力はこれで終わりではない。

 果たして神楽を倒すことはできるのか?



 それではどうぞ!


第201話 デメリット

side三人称

 

「この場にいる全員の動きを把握してこれからの行動を先読みするだと? そんなバカなことが」

「私の能力は把握する程度の能力。だけど、それは親しい関係の人の行動しか把握することが出来なかった。だけど、その能力を拡張してこの場にいる人全員に適応させることが出来るようになった」

 

 鈴音は他の人に比べたらその自身の力が劣っているということを理解していた。だからこそ鈴音は自分が戦うのではなく、味方のサポートに転じることにした。

 今の鈴音はこの場にいる全員の動きを把握し、その後どのように行動するかを見ることができるようになった。そして味方に霊力の糸を通じて指示ができる。これが南雲鈴音の戦い方だ。

 

 鈴音の技、《女帝の眼(エンプレスアイ)》はこの場にいる全員の行動を把握することができるようになり、《戦いの指揮者(バトル・オペレーター)》は霊力の糸を出して敵に悟られずに指示を出すことができる。

 もともと強かったサポート能力がさらに強くなったということだ。

 

「能力の拡張だ」

「能力の拡張?」

「あぁ、彼方、お前も神なら聞いたことくらいはあるんじゃないか? 稀にその能力を強化することができるものたちがいるって」

「う、うん。能力の強化にも色々と種類があるけど、その中の一つが能力の拡張」

 

 彼方の説明にこくりと頷いてからシャドウは詳細を話し始めた。

 

「能力の強化の一つ、拡張はその名の通りに能力の有効範囲を拡張することができる技術だ。本来ならば特定のものにしか効果がないものをそれ以外にも効果を発揮するようにする技術。南雲弟も使用していたギアモードも本来あいつの能力は地形や建物に影響を与えることが出来ないものであるが、拡張して床や壁、天井などにも効力を与えた。本来はこの技術は死に物狂いで修行して会得するものだから、あいつの気力と才能は目を見張るものがあったんだけどな」

 

 そして音恩が拡張させたように鈴音も拡張させたのだと話すシャドウ。

 シャドウは簡単に話すが、その技術は簡単に身につくものではないだろうと考え、彼方は生唾をゴクリと飲んだ。

 彼方以外も今この場で意識があるみんなは驚愕のあまり声が出なかった。

 

 何気なくいつの間にか使えるようになってその力を存分に披露していた音恩のギアモードがそれほどすごい力だということは知らなかったからだ。

 

「あの姉弟は生まれつき目がよかったんだ。だからこそトリガーが目になった」

 

 そのシャドウの言葉にみんなはなるほどと心の中で思った。

 確かに見て見ると音恩は目の中に歯車を浮かび上がらせて周囲の地形などを操ることができるようになるというものだった。

 そして鈴音もそうで、目つきが変わったその瞬間にこの技が発動した。

 

「今の南雲姉を突破するのはなかなかに骨が折れるぞ神楽」

「なるほどな。つまり、先読みしているから素早い攻撃でも対処できるということか。確かに事前にくることがわかっていればどんな攻撃でも対処のしようがある」

「あぁ、お前にはもう勝ち目はないんだ。どうだ? 俺が出る幕もないだろ」

 

 シャドウのその発言の通りに神楽は鈴音と龍生の猛攻を対処しきれていない様子。

 相手の行動が読めていればその防御を貫通して攻撃することも可能だ。今の鈴音はいるだけでチームの力が大幅にアップする。

 

「クソが!」

 

 神楽は先ほどシャドウに使った真っ黒な触手を背中から生やすとそれを龍生へと叩きつけた。

 だが、龍生はその時にはすでに《空絶》を使っていたため、その攻撃が直接龍生に当たることはなかった。

 この攻撃も鈴音には見えていた(・・・・・)のだ。

 真っ黒な大量の触手で次々と二人に地面が破壊されるほどの威力のある攻撃を何度も何度も続けるが、その攻撃はことごとく回避されるため、神楽は怒りを募らせる。

 

「回避すんじゃねぇ!」

「来ると分かっている攻撃を何故わざわざ律儀に待たないといけないのかしら?」

 

 多方位からの攻撃でも事前に来ると分かっているから冷静に対処し、全てを回避しきる。

 そして龍生も霊力の糸で繋がっているため、事前にその情報が流れてきて回避することができる。

 

 二人は神楽の触手攻撃を次々と回避して神楽へと接近していく。

 

「お前らぁぁぁぁぁぁ!」

「どうやら神楽は冷静さが徐々に失われてきているようね」

 

 神楽のその様子を見て紫が冷静に分析する。

 確かにその様子は回避され、攻撃が全く当たらないことにイラついてきているのか、どんどんと苛立ちが目立ち、攻撃もお粗末になってきている。

 こんな攻撃ならば鈴音の先読み能力がなくとも回避することは容易だろう。

 

 触手同士をぶつけ合せ、衝撃波を発生させるものの、龍生が二人を《空絶》で防御してしまうから全く攻撃が当たる気配がない。

 そして全ての攻撃を回避して一緒に神楽へと連続攻撃を加える二人。

 

「ぐ、ガハッ」

 

 流石に神楽も厳しそうだった。

 自分の攻撃は一切当たることはなく、逆に相手の攻撃は全部自分に直撃してしまう、この戦いを見ている人にとってはこの状況は一つの事実を示していた。

 それは––勝利だった。

 

「これならいけるよ!」

 

 しかし、この戦いを戦いを見たシャロが興奮したようにそう言ったが、シャドウの表情は芳しくはなかった。

 むしろかなり険しい表情をしていて、まるで厳しい戦いでも見ているかのような表情を浮かべていた。

 それを見たこの場にいる全員が疑問を浮かべた。

 戦い自体はものすごく有利に進んでいるし、鈴音の能力があれば攻撃に当たることもないから勝利は確実とも言える状況だというのにこの表情をしている理由がシャドウと鈴音以外は誰もわからなかった。

 

 その瞬間だった、この場にいるシャドウ以外の全員が目を見開いて驚愕するような光景が広がっていた。

 

 なんと鈴音に向かって勢いよく伸びてきた真っ黒な触手が鈴音の肩を貫いたのだ。

 そしてそれと同時に鈴音の目つきは元に戻り、龍生と繋がっていた霊力の糸も消滅してしまった。

 

 何が起きたのかは鈴音とシャドウ以外は誰も理解できなかった。

 それは突然だったのだ。

 

 そして神楽が触手を鈴音の肩から抜くと、力なくその場に倒れこんでしまう鈴音。

 

「はぁ、はぁ……」

(何が起きたっていうの? さっきまで鈴音の力で優勢だったじゃない!)

 

 紫の頭のなかは混乱してしまっていたが、すぐにその原因がなんなのかが分かった。

 霊力を感じ取ってみると鈴音からか弱い霊力しか感じられなくなってしまっていた。つまり、霊力がかなり枯渇してしまっていた。

 あれから十分ほどしか経過していないというのに、この霊力の消耗はおかしいと言わざるを得なかった。

 

「やっぱりな」

 

 だけど、シャドウだけはどうしてそうなってしまったかが分かっていた。

 

「あいつの技はかなりの集中力を要する。しかも常に霊力を消耗する技を二つも同時使用していたんだ。あの戦いを始めた時から大丈夫かと心配していたが、その心配が当たってしまうとはな」

「霊力の消耗が激しい……集中力……なるほど! 鈴音のあの技は両方とも霊力の消耗が激しい上に集中力を高めて周囲の観察をして先読みをしていた。だから霊力が枯渇して動けなくなってしまった。つまり、ガス欠を起こしてしまったということだね」

「そういうことだ」

 

 彼方の考察に頷くシャドウ。

 確かにこの技はものすごく強い。だけど、それ故に何も代償なしでこの技を使えるわけがない。

 音恩のギアモードも比較的霊力の消耗が激しい技だが、これと比べれば生易しいものだ。

 鈴音の技の霊力の消耗はレベルが違う。それ故に片方を使用するだけでもものすごく霊力の消耗が激しく、特に《女帝の眼(エンプレスアイ)》は異常なまでの集中力も要するため、消耗が激しい。

 

 シャドウは事前に鈴音には同時使用は極力控えるように言っていて、鈴音も最初は同時使用をするつもりはなかったが、神楽の力を感じて片方だけでは勝つことができないと判断し、両方を同時使用した。

 その結果、十分ほどしかまともに戦えないほどに消耗が激しくなってしまっていた。

 

「なるほどな、こいつの弱点にはそんなのがあったのか」

「ぐああああああ」

「やめろぉぉぉぉぉっ!」

 

 倒れこんだ鈴音の背中を踏みつけにする神楽。

 その様子を見て龍生が助けに入ろうとするが、触手が龍生の行く手を阻み、先ほどとは違って鈴音のサポートがないので、どこから襲ってくるかわからないから思うように近づくことができない。

 その間にも鈴音の背中をグリグリと靴で踏みつける神楽。

 

 一時期は手に届きそうなくらいに近くにあった希望が急速に離れて行く、そんな感覚があった。

 

「鈴音ぇぇぇぇぇ!」

「っ、待て彼方!」

「離して!」

 

 走り出して鈴音を助けようとする彼方を慌てて抑えるシャドウ。しかし、その腕の中で暴れて彼方は振りほどこうとする。

 でも、鈴音の目は絶望の色に染まってはいない。そしてその理由をシャドウも知っていたから今の今まで霊力の大幅消費を指摘せず、止めなかったのだ。

 だけど、流石にこれはやりすぎだとは考えたが、シャドウは放任主義なので止めることはしなかった。

 

 今の鈴音の目的は神楽を倒すことじゃなかった。鈴音の真の目的は時間稼ぎ(・・・・)だった。

 

「これで終わりだ。お前を消せば俺がもう追い詰められることはない」

「本当にそうかなぁ……」

「……何が言いたい」

「別にぃ〜? でも、一つだけ言えることがあるよ。あんたは必ず負ける」

「何っ」

 

 それを言った鈴音の顔はニヤニヤとしていた。

 踏み潰され、蹴られてボロボロになったその顔でそれを言っても説得力がないと感じたみんなだったが、鈴音は確信していた。

 なぜなら最初に《女帝の眼(エンプレスアイ)》を使った時からすでにこの未来は見えていたからだ。

 

「ふん、そう言っていられるのも今の内だぞ。死ぬがよい」

 

 そう言って鈴音へと真っ黒な触手を突き刺そうとする。その瞬間の出来事だった。

 

「霊符《夢想封印》」

「っ!」

 

 いつの間にか神楽をおびただしいほどの数の弾幕が取り囲んでおり、今のこの体勢からじゃ回避しきることは不可能だ。

 なので、神楽は咄嗟に鈴音への攻撃をやめ、真っ黒な触手で弾幕を弾いて防御をしていく。

 

 するとその隙に電光石火の勢いで二つの影が神楽へと接近し、そしてクロスするように神楽のことを斬った。

 

「ぐああああああああああああああ!」

 

 胴体を真っ二つに斬るまでにはいかなかったものの、かなりのダメージだったようで、神楽は断末魔の叫びをあげる。

 

「ぐ、な、なぜ貴様らが生きている」

「俺たちをなめるなよ」

「そうそう、あの程度の爆発で死ぬんならとっくに何回も死んでるよ」

「あんたたち、私の結界のおかげで助かったことを忘れてないでしょうね」

 

 傷口を押さえ、苦しむ神楽の前に三人が姿を現した。

 その三人は先ほど爆発に巻き込まれて姿を消したライト、紗綾、霊夢の三人だった。




 はい!第201話終了

 確かに鈴音の力は強いですが、あんなに強い技にデメリットがないという方がおかしな話ですよね。

 そして死んだと思っていた三人が実は生きていました。この三人が助けに入るという未来を鈴音は見通していたわけですね。

 三人は爆発を耐えた後、砂煙に紛れて隠れ、機をうかがっていたんですね。

 果たして三人が加わり、神楽を倒せるのでしょうか?

 それでは!

 さようなら

好きな主人公枠キャラは?

  • 海藤真
  • 刻雨龍生
  • 南雲音恩
  • 南雲鈴音
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