それでは前回のあらすじ
龍生の技によって体を欠損させられた神楽は精神状況が不安定になってしまう。
そこでシャドウが神楽を煽ったことによって神楽は激怒、冷静さを失った攻撃を仕掛けてくるが、そんな攻撃にみんなが当たるわけもない。
しかし、怒りが爆発したことによって周囲に漏れ出している霊力の中に怒りの感情が込められ、それが周囲にいるみんなの体調に悪影響を及ぼしてしまう。
そこで霊夢がついに自身の最強のスペルカード、《夢想転生》を使用して神楽を倒すことに成功した––かのように思われた。
神楽は死後、邪神裁判所にて今後どうなるか決められるときに神楽は消滅すると告げられたことによって神楽は初めて焦り、なんと邪神裁判官を殺害して生き返ってしまう。
そしてなんと、とんでもないほどの悪行を行ったことによって一瞬で再臨を果たしてしまった。
果たしてとてつもないほどの力を手に入れた神楽を倒すことはできるのか?
それではどうぞ!
side三人称
神楽の声が聞こえたその瞬間、この場にいる全員が神楽の方へと振り返った。
そこには五体満足でものすごいパワーを溢れ出しながら立っている神楽が存在していた。
先ほどのように有害な霊力を出すと言うことはなくなったが、それに対して邪の力の増幅量が半端じゃなかった。
神楽の背後から何やら真っ黒なオーラのようなものが放出されていて、みんなはすぐにこれが邪の力のオーラなのかと言うことに気がついた。
今までは濃度が低くて可視化できていなかっただけで邪の力も外に漏れ出しているのだ。
霊力も同じようにクレア王などを使って霊力を増幅すると可視化できるようになる場合がある。
「これは、まずいな。奴は今、確実に死んだはずだ。魂に邪の力を使って復活できるのは一回だけだ。それはどれだけ時間が経過しようとも、どれだけの成果をあげようともそれは増えることはない。奴は俺に殺されたときに一回使っているはずだ。だからもう復活することはできないはずだ。こんなことは前例にないっ」
あれだけ先ほどまで冷静に余裕を持って状況を見ていたシャドウだったが、ここに来て初めて頭が混乱していた。
シャドウは神や邪神のことについてはこの場にいる誰よりも知識を持っていて詳しいのだが、この魂に邪の力を纏わせて復活した後に再度復活すると言うことに関しては前例がないため、シャドウも今何が起こっているのかが全くわからなかった。
そんな風に混乱しているシャドウを見て神楽は楽しそうにケラケラと笑い始めた。
「お前が混乱しているのは珍しいなぁ、シャドウ」
「あぁ、だが、お前がこの世の秩序に反したことをしたと言うことだけは今のこの状況でわかった」
「あぁ、だが、もうそれはいいんだよ。俺はとっくに秩序に反しているとして消滅させられるところだったんだからな。すでに犯しているならば、もう関係ない! これからはもう好き放題させてもらうぞ、シャドウ!」
「神楽っ!」
神楽はシャドウにそう宣言すると地面が木っ端微塵になるほどの力で飛び上がり、空中で背中に邪の力で翼を生やして空中にとどまった。
今の神楽はもうシャドウの言葉は一切届くことはない。今までも秩序という概念は神楽の中にはあまりなかったが、今の神楽は事実上の死刑宣告をされたことによってそこのタガが外れてしまい、もう誰にも手をつけることはできない状態になってしまった。
完全に暴走してしまっている。
「まずい––っ! くっ!」
ものすごいエネルギー波が神楽から放たれて咄嗟にみんなをかばうようにシャドウが受けたが、シャドウですらぶっ飛ばされてしまい、背後にある壁に激突し、背中を強打する。
シャドウだからこの攻撃を受けても軽症で済んだが、ほかの人だったら当たりどころによっては致命傷にもなり得た一撃だった。
「俺がどうやってこっちに来たか知りたいか? シャドウ」
「チッ」
「そんなに知りたいか!」
神楽は自分が優位な状況に立って楽しくなって来たのか、ケラケラと笑いながら聞きたいとも言っていないシャドウへ向けて一方的に話し始めた。
「俺はな、死んで邪神裁判所という場所に行ったんだ」
(邪神裁判所だと? なんだそれは、邪神の裁判所ということなのか?)
あらゆる知識を持っているシャドウでも流石に邪神裁判所のことについては全く知らなかった。
なぜなら、その邪神裁判所はトップシークレットとなっており、調べ上げることも不可能な場所なのだ。
そしてもちろんそこに行った邪神は記憶を消されて新たな生を受けることになるので、覚えているはずもない。
「そこでは死んでしまった邪神たちを今度、何に生まれ変わらせるのか、ということを決めることになっているようだった」
(なるほど、いわゆるあの世の一種というわけか)
「そこで俺はこう言われたんだ。あまりにも秩序と反する行動が多かったから俺の存在を消滅させるとな」
その一言にシャドウは目を見開いて驚いていた。
シャドウは神となってからは知識を得ることが趣味のようになっていたため、今彼の知らない知識が神楽の口から出て来たことによって態度は興味なさそうな態度を取っているが、内心は興味津々だった。
そこでシャドウは今までの神楽の行動を思い出してみることにした。
必要のない殺戮、それを嬉々として行う様。自分の知っている秩序、神は世界を創造し、邪神は神が作り過ぎた世界を侵攻して減らすという均衡が崩れていた。
昔はその秩序ということをシャドウも知らなかったため、何も気にしてはいなかったが、必要以上に殺していたことを思い返すと確かに秩序を乱していたなとシャドウの中で納得する。
「だけど、俺も流石に消滅はしたくないもんだ。だから俺は邪神裁判官を殺し、そして生き返る権利を強奪したというわけだ」
「っ、お前、お前は上官である邪神裁判官を殺したんだな」
「あ? なんだお前、俺のことをこの世のものとは思えないものを見るような怯えた目で見やがって……。なるほどな、お前は強くなった俺の力を感じて怯えているというわけか」
(違う、そんなんじゃない。神楽、お前はなんて恐ろしいことをしてくれたんだ。だが、そのおかげで勝機が見えたぞ。これは耐久戦だ!)
シャドウは神楽の言葉の中から勝機を見出し、ほんの一握りの希望を抱いた。
この情報だけは知っていた。こんなにやばいことをしでかしてしまったやつの末路を、その運命を。
なにせ昔、
あの時は
そして恐ろしくて
でも、今はそれが頼もしく感じた。
「お前ら、死ぬな! ここは幻想郷じゃない。死んだら魂がどこへ行くのか、わかったもんじゃねぇ。死ぬな! これは命令だ。どんな手を使ってでも生き残れ! あいつを倒そうなんて考えるな。生きることを最優先に行動しろ。じゃないと、死ぬぞ!」
はい!第204話終了
やっとこの戦いの終わりが見えて来ましたね。
四ヶ月ほども続いたこの長き戦いに終止符が打たれます。
ちなみにこういう話があります。
昔、シャドウが知らないだけで、神楽同様に逃げ出した邪神がいました。しかし、その邪神の存在は歴史とともに抹消されてしまったのです。
そしてその結末を知っている人によると、世にもおぞましい光景で見ていると精神が崩壊してしまいそうになったため、最後まで見ていることができなかったとのことです。
そしてそれが神楽にも迫って来ています。
さて、次回耐久戦です。
ちなみに第187話『紗綾と春人』の内容を覚えている方はいますでしょうか?
それでは!
さようなら
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