無意識の恋 Second stage   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 なんと復活してしまった神楽はシャドウに得意げにその経緯を話す。

 その話を聞いたシャドウは驚愕した。世界の秩序を乱した者がどうなってしまうのかを、シャドウは知っていたからだ。

 そしてシャドウはみんなにどんな手を使ってでも生き残れと命令した。

 これは防衛戦だ。



 それではどうぞ!


第205話 驚愕、再臨の力。シャドウ敗北!?

side三人称

 

「生き残るだとぉ? 再臨した俺の前でそんなことが本当にできると思っているのか?」

「あぁ、思っているさ。だってこいつらは全員、海藤の仲間なんだからな。あの人が信じた海藤の信じた仲間たちというやつを俺は信じたい」

「へぇ、お前が信じたいなんていうとはな。本当に滑稽だな!」

「っ!」

 

 突如として光の速さでシャドウへと飛んでくる真っ黒な触手。それをシャドウは咄嗟に掴んで止めたものの、一瞬反応が遅れたせいで浅いが胸に鋭い触手が突き刺さった。

 あとコンマ1秒遅れていたらシャドウの体は完全に串刺しにされていたことだろう。

 

「信じるとか、仲間だとか、そういうのは俺が一番嫌いなものだ! 信じられるのは俺自身の力だけだ!」

「っ」

 

 次に神楽は大量の触手を何もない空間から生やし、シャドウたちを取り囲んでしまった。

 神楽は再臨したことによって新たに空間に邪の力を流し込むことができるようになってしまったのだ。そして邪の力の量も増幅したことによって先ほどまでとは比べ物にならないほどの触手がシャドウたちを囲み、光を全く通さないくらいにぎっしりと詰まったドーム状に絡まった。

 これではどこから触手が来るのかが全くわからない状態だ。

 

「どうすりゃいいんだ」

「生き残れって言ったって」

「はっきりと言って無理ゲーだよな」

 

 この神楽の技に少し絶望感すら覚えているライト、紗綾、龍生。

 だが、そんな中でもシャドウは冷静に周囲の様子を観察し、目を輝かせた。

 神楽はシャドウたちの視覚を奪って暗闇の中で触手の猛攻を繰り出すために取り囲んだのだが、これは間違いだった。

 

 シャドウの能力は【闇を支配する程度の神の能力】、この空間は逆にシャドウにとって有利に働く。

 

「お前ら、偽海藤、お前はまだ技を隠してるだろ。これを突き破れ!」

「偽って……まぁ、いい。俺もこんなところで死ぬのはごめんだからな」

 

 シャドウの指示によってライトは刀を構え始める。

 だが、みんなはこんなものを本当に突き破ることができるのかと不安になっていた。

 どう見てもこの触手は先ほどの触手よりも頑丈なものになっており、並大抵の攻撃じゃ突き破ることはできない。

 さっきライトが見せた竜巻・斬ではおそらく突破できないと思える代物。

 

 だが、ライトは自信ありげに刀に霊力を込め始めた。

 

「何をしようとしているかは知らんが、やらせんぞ!」

 

 周囲の触手が一斉にライトへ襲いかかる。

 だが、その触手は一瞬にして全て破壊されてライトに直撃することはなかった。

 もちろんその触手を破壊したのはシャドウだった。

 

(どうやらこの分厚い触手の壁はこっちから外の世界への霊力移動を遮断しているからスキマは使えないようだな。だが、偽海藤の一番の火力を耐えきることはできるかな?)

 

 ライトの刀の中では竜巻・斬の時同様に霊力が渦を巻いており、まるで霊縛波を刀の中で生成しているかのような状況だ。

 ライトが使おうとしている技は溜めが必要で敵への命中率は低めの技ではあるが、その威力はライトの技の中で一番高いと言っても過言ではない。

 

「もっとだ、クレア装」

 

 さらにはクレア装までも発動し、クレアの霊力をも全力で刀の中に注いでいく。

 そしてついに刀身が霊力の色に光輝き、霊力が完全にたまりきったことを告げた。

 その刀身の周りではやはり竜巻・斬の時と同じように霊力が渦を巻いている。

 するとライトはその状態で突きの構えをした。

 

「これが俺のどこまででも飛んで行く超絶破壊力の奥義、竜巻・突《破壊の槍》!」

 

 ライトが触手の壁の方を向いて刀を突き出したその瞬間、逆さまの竜巻が剣先から放たれて鋭利な竜巻きの先が触手の壁に激突した。

 しかし、これは一本一本の触手とは違ってさっきよりも強度がアップした触手が複雑に絡み合って強度をあげているため、なかなか突き破ることができない。

 だけど確実に、そして着実に竜巻きが触手の壁を抉って行く。それをなんとか止めようと壁は自動修復をして行くが、ライトの攻撃力の前には修復速度が追いつかない。

 

 そしてついに––っ!

 

 ズシャングオオオオオオオオンダーーーーーーン

 

 竜巻きを利用した破壊力抜群の槍が触手の壁を突き破り、神楽の真横スレスレを通って神楽の背後にある壁を木っ端微塵に破壊した。

 そして触手の壁は一部分が消滅したことのよってもろくなり、ボロボロと崩れ落ちてなくなる。

 

「っぐ、結構霊力使うんだよな」

 

 霊力を大量に使用することになってしまったライトはその場に膝をついて息を切らす。

 その瞬間、再び光の速さで触手が飛んできて今度はライトへ向かってきた。

 だが、その触手はライトに直撃することもなく、その前にシャドウが飛んできた触手を踏みつけて侵攻を止めた。

 

 流石にこの状況で傍観を決めるほどシャドウも愚かじゃないので、臨戦態勢に入った。そしてそんなシャドウのことを見て神楽は愉快そうに笑った。

 

「くかかかかかっ! やっとその気になったかシャドウ! 俺はお前を殺すために蘇ってきたからなぁっ! 今の俺ならお前を簡単に殺せる!」

 

 その瞬間、全方位からシャドウへ向けて触手が飛ばされた。

 

「忘れたか? 俺にそれは効かない。滅符《ダークデリート》」

 

 シャドウがスペルカードを宣言して指をパチンと鳴らしたその瞬間、周囲に存在していた全ての触手が消滅してしまった。

 まるで先ほどの再現のような光景だった。

 

「今のは偽真の力を知りたかったから偽真にやらせたが、あんなもんは俺には効かないんだぞ?」

「そうか、なら、これはどうだ!」

 

 するとさっきまでの幻想郷のみんなの戦い方を参考にしたのか、神楽は周囲に邪の力をふんだんに使用した弾幕を作り出した。

 その色は紫なため、ダークデリートの対象外となってしまっている。

 周囲に浮かべられたその弾幕は回避するスペースがないと感じるほどに密度が高く、そしてそれら一つ一つから邪の力が放たれているため、普通の人は近づくだけで体調を崩しかねない攻撃だ。

 

 背後には幻想郷のみんながいる状況、その状況ではシャドウがこれを回避したらみんなに直撃してしまい、最悪全滅してしまう。

 

「っ、刻雨!」

 

 シャドウはそう叫ぶと神楽へ向かって走り始めた。そして助走をつけると神楽が空中にいるため、空を飛んで神楽へと接近して行く。

 

「愚か!」

 

 ついにシャドウへ向けて弾幕が放たれてしまった。

 その弾幕はなんと複雑に動き回り、全く弾道が予測できない。突然曲がり、突然止まる、そして突然スピードアップするなどやりたい放題だ。

 しかし、シャドウはその全てを冷静に見極め、最小限の動きで回避して行く。

 そしてどんどんとシャドウは弾幕を回避して神楽へと接近して行く。

 

 それを見てついに神楽はその背中の大剣を抜いた。そして自分の弾幕を回避し続けるシャドウへ一言放った。

 

「回避し続けていていいのか? 下にいるやつらがボロボロになるぞ」

「大丈夫だ。うちには最強の盾がいる」

「何? ––っ!」

 

 神楽はシャドウの言葉に弾かれるように下を見てみると、なんと龍生が空絶を使用して全ての弾幕からみんなを守っている姿が見えた。

 龍生の空絶は物理攻撃を全て無効化するほどの最強の盾だ。このくらいの攻撃ではビクともしない。

 

 それを見て下の奴を攻撃しても意味がないと判断し、神楽はシャドウに集中した。

 

「ふん、確かに下に攻撃しても防がれるようだが、お前はどうだ? 俺に勝てる見込みがあってきたのか?」

「知らねぇよ。ただ一つわかっていることは、お前は確実に死ぬということだ」

「あ? 俺が死ぬ? バカもほどほどにしねぇと痛い目にあうぞ。今の俺がどうやって死ぬっていうんだ? 今の俺はお前より強い!」

 

 シャドウは霊力で強化した拳を、神楽は邪の力で強化した大剣を振り下ろした。

 一瞬は互角のように見えた。だが、すぐにその力の差は浮き彫りになった。

 

「ぐぅぅぅぅぅっ!」

 

 なんと、シャドウが神楽の大剣に吹っ飛ばされて壁に激突してしまったのだ。

 

「くはははは! やっぱり死ぬのはお前のようだな、シャドウ」

 

 神楽が再臨してからというものの、シャドウは半ばヤケだった。

 自分と同じか、それ以上の力を手にしてしまった神楽から気を失っている人もいる中でその全員を守るというのは至難の技だったからだ。

 

 そして吹き飛ばされ、壁に激突して力勝負で神楽に敗北してしまったシャドウはというと––

 

(あぁ、そうか海藤たちはいつもこんな気持ちで強敵たちと戦ってきていたんだな)

 

 などという場違いなほどに呑気なことを考えていた。

 そんなシャドウの脳裏に一人の人物の顔が浮かび上がってきた。それは、この幻想郷のことを誰よりも大事にしていて自分にこの幻想郷のことを託してきたルミアの顔だった。

 

「そうだな、あの子から笑顔が消えるのは死ぬよりも辛いもんな」

 

 そう独り言をつぶやくとシャドウはゆらゆらと飛び上がった。

 

「絶対に守る」

「ふん、お前ごときがあいつら全員を守り切れると本気で思っているのか?」

「あぁ、ここからは俺も本気だ」

 

 その瞬間、シャドウの周囲にいるもの全員の意識を一瞬にして刈り取ってしまいそうなほどのものすごい威圧が放たれた。

 いや、これは威圧ではない。神力だ。

 神力が常軌を逸したほどに放たれ、周囲に襲いかかったのだ。

 そして神力にはシャドウの今の感情、神楽への怒りが込められていた。

 

「こ、これってっ!」

「まさか」

「間違いない。クレアだ!」

 

 なんとシャドウはクレアを発動させて見せた。

 初めてみる神力を使用してのクレアに紗綾、龍生、ライトは驚きを隠しきれない。

 しかも、それは神力を使用しているので霊力を使用した地上の者が使うクレアとは一味も二味も違う者だ。

 

 神が使うクレア、これはこう呼ばれている。

 ––クレア(しん)

 

「へ、そんな力がなんだ。できるもんなら守ってみせろ!」

 

 そういうと、神楽は邪の力を大剣に込めて邪の力を使用した霊力斬、邪悪斬を下にいるみんなに向けて放った。

 その斬撃は空気を切り裂きながら地上へと向かって行く。

 それを見た龍生は慌てて空絶を使用して防御をしようとするものの、その邪悪斬が巨大なゆえに龍生の空絶だけじゃ守りきることはできない。

 万事休すかと思われたが、その次の瞬間には一瞬にしてみんなの元へ戻ってきた。

 

「暗黒武装」

 

 するとシャドウは周囲にある影を操り、自分の腕に纏わせたかと思ったら、思い切り振りかぶってその拳を巨大な斬撃に叩きつけた。

 その瞬間、巨大な斬撃は弾け飛び、消滅してしまったことによって誰一人としてその斬撃に当たることはなかった。

 

 だが、シャドウとしては平気ではなかった。

 

(クレア神、それに暗黒武装まで使ったのにこれかよ、恐ろしいな再臨ってやつは)

 

 シャドウの腕は暗黒武装によって強化されていた。だが、その拳は殴り飛ばしたことによって切り傷のようなものが入っているし、影を操って強制的に腕を動かしたようなものなので、腕へのダメージも深刻だった。

 それでもシャドウの技が通用しなかったわけではなかったというのがシャドウの希望となっていた。

 

「海藤、お前の命を捨ててみんなを守る気持ち、今ならわかる。俺も命を捨ててまで守りたい奴がいるからな。だから、神楽、全力で相手をする!」

「そうこなくちゃ面白くない! 全力のお前をぶちのめしてやるよ!」




 はい!第205話終了

 なんと、シャドウの力に追いついてしまった神楽。

 もう他のみんなでは対処のしようがないですね。まぁ、霊夢の夢想封印ならなんとかなるかなくらいですね。

 次回くらいに神楽戦終わらせることができればいいなという願望がありますが、どうでしょうか。

 それでは!

 さようなら

好きな主人公枠キャラは?

  • 海藤真
  • 刻雨龍生
  • 南雲音恩
  • 南雲鈴音
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