無意識の恋 Second stage   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 ついに神楽を倒し、視点は真へと移り変わった。

 真が目を開けるとそこは真っ暗な世界だった。

 真はここをあの世だと思ったようだが、どうやら違うようで、そこには海流極と言う男が存在していた。

 極は真と同じように霊力刀を使うことができ、真と同じように狙撃《スナイパー》を使うことができる。しかも、その威力は真を上回るほどだった。

 果たして真は極に勝利することができるのか?

 そして極は一体何者なのか?



 それではどうぞ!


第212話 戦うためのパーツ

side真

 

 強さを求めることは終わりが見えない永遠に続く長い長い旅のようだ。

 そして、時折でっかい壁にぶち当たることもある。その高い壁はどれだけ頑張っても登ることが出来そうになくて、そこで挫折しそうになってしまう。

 だけど、それを超えた先にはもっとすごい景色が広がっているんだ。

 

 それを超え、もっともっと先に進むとまた更に前よりも高い壁が待ち受けているんだ。

 超えても超えても、その先には必ず壁がある。終わりがないんだ。

 

 でも、肉体の限界はいつか来る。一人一人に強さの限界は無いが、肉体の限界は存在している。だからこそ、超えられない壁と言うのが存在しているんだ。

 まさに目の前のこいつ、海流極が俺にとっての超えられない壁なんだ。

 だけど、だけど……こいつに勝ってみたい。こいつに勝ったその先の未来を見てみたい。こいつに勝って幻想郷を救って幻想郷がこれから先も繫栄していくその姿を俺は見て居たい。

 大切な人を守れる力を手に入れたい。

 

 今はぶつかる。

 こいつが敵なのか、味方なのか、今の俺には見当もつかないけど、ただ一つわかることはこいつは俺にとって必ず越えなければいけない壁であるということだ。

 

 俺は霊力刀を作り出し、両手でガシッと握って構えた。

 すると極も俺の鏡の様に動き、霊力刀を作り出して両手でガシッと構えて来た。

 まるで鏡と戦っているかのようで少し気持ち悪くなるが、今はそんなことを考えている余裕なんて無い。

 

「っ!」

 

 俺は霊力刀に霊力を構え、一気に極へと接近していく。霊力を爆発力に替え、足から霊力を噴出することによって脚力を底上げし、今までよりも速い速度で極へと接近し、刀を振りかぶった。

 だが、俺の目の極と俺の刀が重なって見えなくなった一瞬で極の姿はなくなってしまった。

 その直後、背中に強い衝撃を加えられ、俺は地面に叩きつけられてしまった。

 

「かはっ」

 

 刀と極が重なった一瞬なんてコンマ何秒とかの世界だ。その一瞬で姿をくらまし、極は俺の真横に移動してきたわけだ。

 そんなの刀と自分の位置、そして俺の視線を完璧に把握していなければできない芸当だ。

 

「どう、して」

「言ったろ? お前の事はお前よりも理解しているって」

 

 確かに言っていた。だが、それにしても限度と言うものがあるだろう。

 

「戦っていればより強い相手と戦うことにだってなり得る。それこそ、幾度となく自分よりも強い相手と戦うことだってあり得るだろう。お前だって今しがた神楽に敗北してそれは痛いほどわかっているはずだ。そしてそんな自分より強い相手と戦うときは今までのようながむしゃらな戦い方は通用しないというのも教わったはずだ」

 

 確かに神楽と戦って俺の戦い方が全く通用しなくて、今の俺の戦い方じゃ全く勝つことはできないと感じた。

 だけど、俺には機転を利かせた戦いなんて不可能だ。今までだってそうだった。

 誰かを殴ったのだって、剣を、刀を持ったのだって幻想郷に来てからだ。

 もちろん修行などはしてきたけどダメだ。俺はこれ以上強くなることはできない。ライトの様に優れた身体能力があるわけじゃない。紗綾の様に才能があるわけじゃない。

 

「っ!」

 

 だから俺は勝機を見出すためにがむしゃらに戦い続ける。どれだけ苦しかろうとも、どれだけ過酷だろうとも、これが俺の戦い方で、俺にはこれしかないのだから必死に刀を握り、敵に攻撃を加えるために刀を振り続ける。

 こいつに勝つにはクレア王が必要だと感じたからクレア王を発動し、それを霊力刀に纏わせて極に斬りかかる。

 

 クレア王を発動すると身体能力が底上げされて幾分かマシになると思った。

 だが、次の瞬間、極は俺と同じようにクレア王を発動させてきた。

 

「クレアなら優位に立てると思ったか? クレア王なんてな、人間界では全く珍しい技でも何でもないんだ。自惚れるな」

「ぐっ」

 

 俺の刀に極は刀を合わせ、力比べをしてきたが、当然俺の力の方が圧され、徐々に徐々に俺は圧されていく。

 このままでは弾き飛ばされてしまいそうだと感じた俺はクレアの霊力を混ぜた霊縛波を左手に作り出し、右腕で刀を押しながら霊縛波を極へと叩きつける。

 だが、極も当たり前のように左手で霊縛波を作り出して俺の霊縛波にたたきつけて来た。

 その瞬間、俺の霊縛波が蒸散してしまい、極の霊縛波のみが爆発して極太レーザーが放たれて俺を吹き飛ばされてしまった。

 

「ぐ、が、はっ」

 

 点滅する視界の中、俺は絶望を抱いていた。

 どれだけ強い力で相手を殴ってもそれ以上の力で防御され、どれだけ力強く防御してもそれ以上の力で殴られる。

 頼みの綱だった霊縛波まで通用しないならいったいどうすればいいんだ。

 

「それが海藤真の戦い方なのか? がっかりだ。お前は今まで幾度となく強い敵と戦ってきたはずなのに、もう諦めるのか? お前の大切なものを守りたい気持ちと言うのはその程度の事だったのか?」

「じゃあどうすればいいんだよ! 俺には戦いの才能が無い。ライトの様に戦うために作られた人造人間ならともかく、俺は元はただの陰キャ高校生だったんだぞ! 誰かと戦ったのだって、命の取り合いをしたのだって幻想郷に来て初めてやったことだ! それまで武器を持ったことすらなかったんだぞ! 喧嘩をせず、体力測定ではいつも下の方。そんな俺に何を期待してるんだよ! そりゃ出来る事なら守りたい! 守ったその先の未来を俺は見てみたい! だけど、これが俺の限界なんだよ! 俺の能力の限界点なんだよ!」

「そのお前の勘違いが、今のこのピンチの状況を作り出しているんじゃないのか! 神楽ほどの強敵が居る中、戦力が一人減ることがどういうことなのか分かっているのか!?」

「勘違い?」

 

 俺の言葉に対して少し苛立ち紛れに返してくる極。だが、その言葉はどうにもまっすぐ俺に向かって言っているようには聞こえなかった。

 

「そうさ、何回だって言ってやるよ。勘違いだ。いいか? 今までの修行の日々を思い返してみろ。いろんな人に修行を付けてもらった日々を思い出せ。お前がそんなんだと師匠が安心できないぞ?」

「修行の、日々」

 

 俺はこれまで幾度となく修行をしてきた。その中でいろいろな人に修行を付けてもらった。

 妖夢、妖忌さん、彼方、幽香さん。全員俺に修行を付けてくれた人たちだ。みんな俺をすごく強くしてくれた。

 俺がいまここで諦めてしまったらこのみんなを裏切ってしまうことになる。

 妖夢は俺に刀での戦い方を教えてくれた。妖忌さんは俺にいろんな技を教えてくれた。彼方は俺にクレア王を教えてくれた。幽香さんは結局できなかったけど技を教えてくれた。

 

 どうしたら極に対抗することができるか、この修業の日々を思い出して……。

 そうか、俺はもうすでに戦うためのパーツは手に入れていたんだ。

 

 相手が強いなら相手の土俵に上がってはいけない。こいしと戦った時の事を思い出せ。

 こいしは絶対に俺の土俵に上がってくることはなかった。そして俺の動きを完全に把握し、俺を追い詰めて来た。

 

 今回の相手を俺は知らない。だけど、一つだけ知っていることと言えば、異常なまでに極は俺の事を知り尽くしているということだ。

 そして俺は俺を知り尽くしている!

 

「残像……」

「なるほど、考えたな」

 

 あれから修行して強くなった俺の残像は20にまで増えていた。これを一体一体確かめていくのはかなり大変だろう。

 俺は今までの戦いの中で自分よりも強い相手と幾度となく戦ってきた。

 今までの敵は今までの戦い方で何とかなっていたかもしれない。だけど、これからはそうはいかないんだ。単純に斬って倒せるような甘い敵じゃない。

 大切な人をもう失わないために、皆を守るために、俺は絶対にこの壁を越えて見せる!




 はい!第212話終了

 真対極の戦いは結構短いです。神楽戦の様に長くはならないのでご安心ください。

 しかし、極の立場がよくわからないですよね。真と対立している割には強くなるヒントを与えていますし。

 それでは!

 さようなら

好きな主人公枠キャラは?

  • 海藤真
  • 刻雨龍生
  • 南雲音恩
  • 南雲鈴音
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