それでは前回のあらすじ
真は極に対して残像を作り出し、頭脳戦に持ち込もうとするものの、そんなものは極には通用せず、あっけなく真はぶっ飛ばされてしまう。
自分と同じ技を使われ、そしてさらには自分の技よりも強力な技をも使ってくる極にどんどんと絶望を抱いていく真。
そんな真に対して説教染みた言葉を並べる極。
そしてついに極は真の仲間たちを殺していくと言い放った。
その言葉に対して抑えきれないほどの怒りと殺意を覚える真。
ついに真はクレア王と限界突破を使用し、意識を失ってしまったのだった。
それではどうぞ!
side真
「あれ、俺は今までいったい……」
目を覚ました。いや、目に映る景色は未だにあの異世界のままだから完全に目を覚ましたわけではないんだろうけど、目を開けると俺は仰向けに倒れていて体から大量の血を流していた。
少しさっきまでと違うことはそこらへんに大量のクレーターと炎が見えることだ。
気を失ってしまって、それからのことが一切分からない。だけど、一つ言えることはこの状況を鑑みるに俺は極に敗北してしまったということだ。
悔しい。やっぱり俺は弱い。
この幻想郷に来て、能力を使えるようになって修行して、強くなれていると思っていた。そしてクレアを使えるようになり、装、王のクレアも使うことができるようになったことでもうほとんどの相手に負けることはなくなったんじゃないかって少し自惚れていたんだ。
だけどふたを開けてみればクレア王でも勝てない相手がごろごろと居て、俺は居の中の蛙だったということを思い知らされてしまった。
「は、ははは、ははははははははははははは」
もう笑うことしかできなかった。
己の無力さに、己の非力さに絶望し、笑い転げる事しかできなく、目に腕を置いて涙を流しながら笑い続けた。
本当に、俺が今ここに居る理由って何なんだろうな。
俺はただ普通に平和にこいしとこの幻想郷で楽しく暮らしたいだけなんだ。それ以上は何も望まない。
この世界での俺の役割って何なんだろう。
「ははは、本当に俺の役割ってなんなんだ」
「知らん、だがお前の今の役割はこの幻想郷を救うことなんじゃないか?」
「っ、極」
一人でつぶやいたつもりがすぐそばに先ほどまで戦っていた極が椅子に座って本を読んでいた。
フードをかぶっていて顔がよく見えないものの、吐血の痕と額から一筋の血が流れてきていることから俺が気を失ったあと、何かがあったのは確かだ。
それにしても、こいつこそ何なのか全くわからない。何が目的でこんなことをしているのか、敵なのか味方なのか、全く分からない。
「お前の望みはなんだ?」
「え?」
「いいから答えろ」
「……こいしとスローライフを送ることができれば幸せだ」
「そうだな。で、それを達成するにはまずは何をしなければいけない?」
「この異変を解決して幻想郷を元に戻す」
突然極は俺に問いかけてきたため、俺は戸惑いながらもゆっくりと極の質問に対して答えていく。
極からは先ほどまでの圧は全く感じないほどに大人しくなってしまっていた。
今の状態だったらさっきまでの俺の体力だったら勝てたかもと思ってしまうものの、これはおそらくクレアで制御をしているだけだ。完全に弱体化したわけじゃない。
今の俺は特に勝つことはできないだろう。なにせ、体がピクリとも動かないほどに体力を消耗してしまっているからな。
そして極は俺の回答を聞くと満足そうに頷き、本を閉じると椅子から立ち上がった。
その瞬間、椅子は消滅し、極はゆっくりと俺の前まで歩いてきた。
「そこまでわかっているなら今やるべきことはわかるだろ? そうやって嘆くことが今やることなのか?」
「……いや、戦う。どんなに厳しい戦いになろうとも戦う」
「そうだ。お前の目標を達成するには戦うしかないんだ」
「なぁ、一つ聞いていいか?」
「なんだ」
「お前は俺の敵なのか、味方なのか、どっちなんだ?」
「……どうなんだろうな。もしかしたら今のお前たちの概念、判定で言ったら俺は敵なのかもしれない。目的を達成するために罪のない人を殺めてしまっているからな」
「っ」
極が人を殺めてしまっているという言葉を聞いて息を呑んだ。
確かに極の言う通り、俺たちの今の概念では罪のない人を殺す奴は敵と言うことになっている。
そしてその目的を達成するために人を殺すというのはまるっきり異変の元凶とやっていることは同じことになってしまっている。
だけど、どうにもそれが絶対に間違っていると言えない自分が居た。
今ならわかる。この幻想郷を、こいしを救えるのなら俺は罪のない人を殺してしまうかもしれない、そう思ってしまったからだ。
「まぁ、だが俺の目的は達成した。もうここに居る必要はない」
「どういうことだ?」
「ちょっと前にさ、シャドウのやつに教えてもらったんだよ」
「何をだ?」
「自分に会うのはご法度なんだってよ」
「ん? どういう––」
いまいち極の言っている言葉の意味が分からない。
どういうことなのか聞き返そうとしたその時、俺の足元にスキマが出現し、重力に従って俺の体はそのスキマの中に落ちていき始めた。
まだ聞きたいことは山ほどあるというのに、極はこれ以上の質問を受け付けないとばかりに俺を空間から追放したのだ。
「悪いな、タイムリミットだ。そのスキマから脱出すると現世で目を覚ますはずだ。真、お前はこれからつらく険しい戦いに挑むことになるだろう。だが、どんなに辛く険しい戦いでも諦めてはダメだ。掴み取れ、己が望んだ一番の結末を自分自身の手で掴み取れ。そして最後に一つ」
「
「あ、あんた、大丈夫なの?」
「大丈夫よ。それよりも、先に進みましょう? まだ、戦いは終わっていないんだから」
霊夢と紗綾の声が聞こえてくる。
視界が真っ暗で、全身がものすごい痛い。だが、先ほどまでの痛みとは全く違う、これは神楽に攻撃された痛みだ。
俺が妖怪であったことが功を奏して耐久力が高く、これだけのダメージで済んだというところだろう。
「気を失っているみんなはどうする?」
「気を失っているみんなはこれ以上戦いに巻き込まないように私の家に運んでおくわ。あそこは幻想郷の中でも辺境の地だから崩壊するのも遅いはずよ」
そっか、会話を聞いている限りおそらく神楽を倒して戦いに一区切りがついたと言ったところだろう。
ならよかった。あのあと何があったのかは分からないけど、なんとか神楽を倒せたことにホッとした。
でも情けないな。神楽と戦っている間ずっと俺は気を失っていたということになってしまう。
しかしここで落ち込んでいても仕方がない。紗綾の言うとおりにまだ戦いは終わってなど無いのだから。
そして俺は手に伝わってくる神成りの感触を確かめ、がっしりと握りしめ、そして杖代わりにしてその場に立ち上がる。
「「「「「「「真!」」」」」」」
おそらく全員俺がやられてしまって、目を覚ますことは無いと思っていたのだろう。俺が目を覚ましたことによって驚いて声を上げていた。ただ一人、霊夢を除いて。
「遅いわよ、あんた」
「悪い」
霊夢には起きたばかりだというのに悪態をつかれてしまったが、それは霊夢が俺が目を覚ますということを信じてくれていたということなので少しうれしくなってしまった。
「なによ、悪態突かれているのに笑顔なんて浮かべて、気持ち悪いわね」
「いや、気にしないでくれ。それよりも進むんだろ? 最期の戦いへ」
「そうね、絶対にこの異変を解決して過去一番の宴会を開くわよ!」
「だな」
そして俺たちは笑いあい、最後の戦い、ジーラの待つ最深部へと気を失っているみんなを運んで行っている紫とシャロ以外のみんなで向かっていった。
はい!第214話終了
ついに異空間編終了し、ジーラ戦へと向かいます。
ただ、何回も言っていると思いますけど、神楽より強い敵は居ないですから。
それにしても、極の発言で誰なのか分かった人も多いのではないでしょうか?
ちなみにこの最終章は二種類のルートがあるのですが、まずはハッピーエンドの方を書いていきます。
ただ、もう一つの方がバッドエンドかバッドエンドじゃないか人によると思うので明言はしません。
一つ言うとしたら最初に書くルートはルート1、その次に書くルートはルート0となっております。
それでは!
さようなら
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