それでは前回のあらすじ
真とジーラの戦いはまだまだ続く。
相変わらず全然真の攻撃はジーラに当たらず、ジーラの攻撃はすべて当たるという状況に危機感を覚えた彼方は真にみんなで戦うように言うが、それを真は却下した。
龍生はそれを男の意地なんだという。
だが、今のこの状況を見ているだけでは真の力ではジーラに全く勝ち目がないように見える。
果たして真はジーラに勝つことができるのか?
それではどうぞ!
side真
いくら攻撃しても攻撃は当たらない、それどころかいくらジーラの攻撃を回避しても何らかの方法で攻撃を食らってしまう。
回避しても回避してもきりがない。攻撃がまるで俺のことを追尾しているかのように感じる。
あまりのダメージの大きさに耐え切れなくなってしまい、俺はその場に膝から崩れ落ちてしまった。
致命傷は何とか回避している。仮に受けてしまったとしても能力が致命傷を防いでくれている。
だけど、もうそろそろ限界だ。俺の能力は致命傷を受けないだけで決して不死身というわけじゃない。ダメージを受けすぎたら死ぬのだ。
そろそろ何とかしないとマジで死ぬ。
「どうだ? そろそろ限界なんじゃないか? 抵抗しないなら楽に殺してやるよ」
「へっ、やだね。誰がすんなり死んでやるもんか!」
「なら、殺すだけだな」
でもなんとなくわかってきたような気がする。
ジーラの攻撃手段は拳銃のみだ。霊力を使った特殊な攻撃をしてきたりなど、そういうわけじゃない。
単純な弾丸が、霊力が込められているわけでもないただの弾丸が俺のことを殺すために全力で追ってきている。だけど、それは俺のことを本当に追尾してきているわけではない。
ジーラが俺の行く先に先回りするように攻撃を放ってきている。つまり、そこにジーラの能力のヒントがあるのだろう。
そこから考えるにジーラの能力は未来予知系統の何か、はたまたそれができる力なんだろう。
なら簡単だ。
ジーラの能力は別に俺を追尾してきているわけでも、俺に必中するものでもない。
全く俺もさっきから攻撃を防げていないわけじゃないんだ。攻撃を防いでもその次に防げない攻撃が来るっていうだけで絶対に防げないわけじゃない。
なら大丈夫だ。もうジーラの攻撃なら対処できる。
今までの戦いで何も得ていないわけじゃないんだ。この程度の強さの敵とは今までいくらでも戦ったことがある。
死にそうになったことがある。
確かに厄介な能力を手に入れたみたいだけど、バークの方が強かった。
こんな奴に俺は負けない!
「すぅぅぅ、はぁぁぁ…………」
深呼吸をし、一気に霊力を高める。
ジーラはおそらく先読みができる能力を持っている。だから俺の攻撃も回避してきているのだ。
ならば、ジーラの身体能力では絶対に回避できない攻撃をすることができれば俺の勝利っていうことだ。
だから、全力で、ジーラを――
「ふん、今更お前に何ができるんだよ! お前の攻撃は当たらないし、お前は俺の攻撃を回避することはできない!」
「あぁ、確かにそうだ。だから、もう回避するのをやめる」
「なに?」
俺は手のひらに霊力を集め始めて霊縛波を作り出していく。もちろんこんなものをジーラに簡単に充てることができるとは考えてはいない。こんなんじゃジーラを追いつめることはできない。
でも、俺の勝利条件は最終的にジーラが回避できないほどの攻撃ができればいいんだ。ジーラにこの攻撃が当たらなくても次、その次の攻撃が当たればそれでいい。
霊縛波は通常、使用者の手から離れたら一瞬で霊力が分散し、形を保てなくなる。この技はそのくらいに繊細な技なんだ。
だけど、ひとつだけ抜け道があるとしたら、その一瞬よりも早く投げ飛ばすことだ。
それならば一つだけ方法がある。
「これは始まりだ」
そう一言だけ言い放つと俺はジーラに向かって勢いよく霊縛波を投擲した。
もちろん、ただの投擲じゃない。俺の投擲技、狙撃《スナイパー》によって強化した投擲だ。
すると俺の技はまっすぐにジーラへ飛んでいき、ジーラにあっさりと直撃したことによって霊縛波が爆発、上空に向かってレーザーが放たれ、ジーラはレーザーに巻き込まれて灰になって消滅してしまった。ジーラがさっきまでと同様に間一髪で回避したことによってジーラの背後に霊縛波は飛んでいき、それは落下することなく空中で形を保つことができなくなって消滅してしまった。
だけど、これでいい。ここまでは想定内だ。
これでジーラは霊縛波に一瞬でも気を取られてくれた。
だから俺はこの隙をついて足にクレアの霊力をまとわせ、飛行するときのように足裏から霊力を勢いよく噴出させ、速力を上げ、地面が割れるほどの力で地面をけって飛び出した。
目まぐるしく一瞬で変わる視界の中、しっかりと俺は視界の中心にジーラをとらえ、突っ走る。
そこでようやくジーラは俺に気が付いたのか、慌てて拳銃を構えて正面から俺に銃弾を放ってきた。
だけど、こんな銃弾よりも強い奴の弾幕の方がスピードが速いから見切るなんて簡単だったため、俺は刀に霊力をまとわせ、銃弾を一刀両断してそのまま突っ走ってジーラの正面までやってくるとジーラの首を一刀両断した銃弾を一刀両断したが、すぐに次の銃弾が飛んでくるというのが今までの流れから分かったため、すぐに刀を構えなおすとやっぱり飛んできたため、俺はその銃弾も一刀両断して連続で防がれて呆けているジーラに一気に接近し、ジーラの首を一刀両断した。俺はその銃弾も一刀両断したため、これでジーラの策は尽きただろうと思ったのだが、それでも冷静にもう一発銃弾を放ってきたため、ジーラはこの結果も見えていたようだ。だけど、俺はその銃弾も冷静に一刀両断し、ついにジーラの目前までやってくることができた。もうこの距離ではまともに銃なんか使うことはできない。
そのまま俺は連続で防がれて呆けているジーラの首へまっすぐに刀を振り、ジーラの首を一刀両断した。ジーラの戦闘経験だったらもしかしたらジーラの首を一刀両断できるかと思ったんだが、ぎりぎりで刀を回避されてしまった。
だけど、問題ない。
俺はこの結果も想像ついていたため、回避直後で次の動きをすぐにできないであろうジーラに足をかけることによって転ばせることに成功した。
「なっ」
「ここからじゃさすがのお前も回避することは不可能だろ!」
俺はチェックメイトだと完全に油断してしまった。
このまま刀をジーラに突き立てて、そのまま胸に突き刺せばジーラを倒すことができる。そしてそのまま俺は刀を振り下ろし、刀をジーラの胸に突き刺し、心臓を完全に貫いた。それによってジーラは完全に動かなくなり、勝負は俺の勝ちで幕を閉じた。だが、肝心なところで甘さが出る、それが俺の悪いところだってことを自分自身でもわかっていたはずなのに、俺は油断をしてしまった。
だから俺はジーラとの勝負に――負けた。
「しぃぃぃぃんんんん!」
俺を呼ぶ聞きなれた大好きな声、それを聞いてはっとなって状況に気が付くことができたが、時すでに遅しというやつだった。
パァン。
小気味いい破裂音がこの部屋中に響き渡った。
見てみると今まではジーラは右手に拳銃を持っており、その手は完全に俺に銃口を向ける体制が整ってなどいなかった。
だけど左手が新しく手にした拳銃の銃口を俺に向けてきており、煙が出ていることから発砲したて何だということが伝わってくる。
駆け寄ってくる真っ赤な彼女。赤みがかった銀髪で、真っ赤な洋服を着ていて真っ赤なリボンを付けた真っ赤な帽子をかぶった少女。
なんだか見たことがあるような見た目だが、こんなに全身真っ赤な女の子なんて見たことがない。
いや、違うな。女の子が真っ赤なんじゃない。背景も真っ赤に見える。
つまり、俺の視界が真っ赤に染まっているんだ。
眉間に感じる鋭い痛みと遠のいていく意識。
そうだ、俺はいつもそうだ。
俺は…………甘かった。
「甘いんだよ小僧! 終わりだ」
赤く染まっていく視界の中でジーラが俺の心臓部へ向かって銃口を向けてくる。
あぁ、俺の負けだ。結局、俺の戦いは何の意味もなかったんだな。
パァン。
破裂音がして銃弾が放たれたことがわかる。これで俺の意識はすべて刈り取られて地獄へと向かうことになるんだ。
そう思っていたのだが、いつまで経っても衝撃が来ることはなかった。
その代わりに、人が俺に倒れてくるような衝撃が胸に来たため、俺は何とか薄れゆく意識の中、胸に倒れてきた人物を受け止めるが、意識がもうろうとしている俺は衝撃に耐え切れずにしりもちをついてしまう。
その状態で必死に目を開けてその人物を確認してみると、俺は予想外の出来事に目を見開いて驚愕してしまった。
「あ、あぁあぁぁぁぁぁあぁぁぁぁああぁぁぁっぁぁあぁあっぁぁぁっぁぁぁっぁあぁぁぁぁっぁああぁぁああぁぁぁあぁぁぁあぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁああぁぁあっぁぁああっぁぁぁぁぁぁぁぁあぁっぁああっぁぁぁぁぁあぁぁぁっぁぁぁぁああっぁぁあっぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁあぁあぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
どうして、どうしてここに居るんだよ!
「待ちなさ――え」
遠くから紫の声が聞こえてきた。でも、今はそんなことはどうでもよかった。
それよりも今、この状況について全く頭が回らず、状況が理解できないからこんな俺にでも理解できる説明を誰かに求めたい気分だった。
いや、でもそれすらもどうでもいいや。
「こい、し」
今、俺の胸の中には胸部から真っ赤な液体を垂れ流しながら横たわっている俺の命よりも大切な少女、古明地こいしがいた。
目を閉じてぐったりとしてしまっている。
どうしてここに居るとか、マヨヒガにいたはずじゃとか、今はそんなことどうでもよかった。
この光景を見て俺は数時間前の出来事を思い出してしまう。
背後から貫かれて死んでしまったフラン。そうだ、いくら妖怪でも俺のように耐えることができる能力がなければ心臓をやられたら死んでしまうんだ。
「こいしぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ」
「ち、邪魔が入ったか。だが、それはお前が死ぬのが少し遅れたというだけだ。すぐにその女のもとへ送り届けてやるよ」
「真っ!」
さすがにここで龍生もまずいと思ったのか走り出してきたが、その時にはすでに遅かった。
銃弾がすでにジーラの持っている拳銃から放たれてしまっていたのだ。
「許さない。許さない、お前の四肢を一つ一つ千切って千切ってスクラップにして、その目ん玉くりぬいて、鼓膜を破いて、舌を引き千切って、何も感じなくなって痛覚が敏感になったところにさんざん殴る蹴るして意識を失わせてこいしやフランと同じように心臓を破壊して殺してやる」
俺はもう怒りで我を忘れてしまっていた。
俺の中はもうすでに殺意で満たされてしまっており、冷静な判断なんてできなかった。そりゃそうだ。大切な人が殺されたんだから冷静でいられるもんか。
でもこんな状況でも冷静に相手の攻撃を対処して勝利につなげることができた音恩は正直スゲーと思う。
俺にはそんなこと、無理だ。
俺の怒りがクレアの霊力によって周囲に解き放たれた。
すると俺に向かって飛んできていたはずの銃弾が俺の霊力の圧に負けたのかスクラップになってその場にコトンと音を立てて落ちた。
「な、なんだよ、これは」
「お前だけは楽には死なせない」
もう、どうでもいい。
どうせもう、こいしはこの世にいないんだ。なら、俺も生きようが死のうが関係ない。最終的にジーラを殺せば勝ちなんだ。
そう考えた俺はクレア王と
この二つの技は体に負担がかかる。そのことは極と戦った時に気を失ったことで証明済みだ。だけど、もう一つ、これを使ったことによって俺に記憶はないものの、極を傷つけることができたというのもまた事実だ。
だから、俺はもう死ぬ気でジーラを殺しに行く。
「シン、ダメ、ダメだよ! だめぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ」
そして俺は彼方の叫び声など無視して両方とも発動させた。
その瞬間、空間にパキッとヒビが入った。
はい!第219話終了
まぁ、神楽戦と比べたらジーラ戦は結構早いような気がしますが、クライマックスです。
まぁ、ジーラ戦は書くことと言えば真の攻撃が回避されてジーラの攻撃が必ず当たるということを永遠と書くしかないので、これ以上書くとだらだらと長くなってしまうというのがあってここらへんで急展開を織り交ぜました。
なんと真を庇ってこいしが代わりに銃弾を受けてしまったんですね。
動かなくなってしまいましたが、こいしの生死はいかがなものなのでしょうか?
ちなみに真はちゃんとこいしの生死を確認する前にジーラへの怒りを爆発させてます。
あと、次回からもしかしたら数話分はかなり酷似した内容になってしまうかもしれませんがご了承ください。
それでは!
さようなら
好きな主人公枠キャラは?
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海藤真
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刻雨龍生
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南雲音恩
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南雲鈴音