それでは前回のあらすじ
彼方が刻を破壊しようとしたその瞬間、シャドウがそれを止めた。
そしてシャドウは彼方を説得し、見守るように言う。もう、終わらせようとも。
するとなんと真が彼方の予想外の行動に出た。
ついに、ジーラに攻撃を加えることに成功したのだ。
それではどうぞ!
side彼方
「え……どういう……こと……?」
私は目の前の光景が信じられなかった。
真はクレア王と限界突破を同時に使用して、そしていつも通りならば暴走してしまって見境なく攻撃し始めるはず。
なのに、真は標的を見定め、そしてついに真はジーラのその片腕を破壊することに成功してしまったのだ。
頭が混乱して正常に思考が廻らない。今まで何百回と繰り返してきたが、こんなことはただの一度もなかった。どの回ももれなく暴走してしまっていたから私はすぐに刻を破壊してきていた。
どうして? 今回はいつもと何が違うの?
「……クレア神とはクレア王と限界突破を同時に発動することによって発動することができるようになるクレアの究極形態。それはすさまじい霊力量と力を手に入れることができる代わりに制御するのが非常に困難を極める。そしてそれは神でなければ絶対に無理だと言われているほどだ。まぁ、神でも使える奴の方が稀だけどな」
シャドウの言う通り、人間は絶対にクレア神を発動することは不可能。
もし、人間がクレア神を発動してしまったら暴走してしまって体の制御が利かなくなってしまう。
そもそもとしてクレア王や限界突破を人間が使える時点でイレギュラーなのだ。それよりも制御が難しく、体への負荷も大きいクレア神なんて使ってしまった日には暴走は不可避だ。
神でさえ私はシャドウ以外でクレア神を使える人を見たことがないくらいなのに……。
「でも、あいつはイレギュラー中のイレギュラーだ。確かにあいつは能力の才能はないし、剣術の才能も特に優れているわけではない。人の倍以上の努力をし、ようやくクレアを扱えるようになったほどだ。戦いの才能だけで行ったらあいつの周りにいる奴らの方がぶっちぎりだ。修行し始めて短期間でクレアも完ぺきに扱えるようになった奴らばかりだからな。でも、あいつらじゃイレギュラーにはなれなかった。……いろいろとあるんだよ、イレギュラーになるための布石っていうのがさ」
「布石?」
私は別に最初から真のことを見てきたわけじゃないから真が今までどんな冒険をしてきたのかがわからない。
だから、布石と言われてもピンとくるものが何一つなかった。
「まず最初にあいつは人間をやめた。あいつは瀕死の重傷を負って妖怪の血を入れることによって半人半妖となった」
「あ」
確かに聞いたことがある。
昔、龍生のお父さんが幻想郷に攻めてきたときに戦って瀕死の重傷を負ってしまったせいで輸血することになったって。
そしてこいしの血を使って永琳が真を半人半妖にしたって。
「次にあいつの中に神力が入り、それが適応したことで神力を使えるようになったことだ」
限界突破を使うためには神力が必要だ。神力がなければ限界突破を使うことができない。
だからこそ限界突破は基本、神しか使えない技だし、クレア神も基本は神しか発動に至ることができない。
たまに神力を何かの偶然で使えるようになってしまったせいでクレア神を発動してしまうことがあるけど、その場合はもれなく暴走してしまう。
「あいつは徐々に徐々に人間としての存在が揺らいできているんだ。あいつは神に近しい存在へと自力で移り変わろうとしている。まぁ、自力で神になることができる奴なんていないから疑似的神といったところだがな」
「疑似的神……っ!」
「そしてさっき、最後の布石は打たれた」
「最後の布石?」
「…………一つ言えることとしたらもう心配はいらない。お前はもう、責任を負う必要はない」
目の前に移る光景、クレア神に至ったというのに暴走せず、真のまま戦うことができている真。
そうだよ。私はこの光景を見たいがために何百回と繰り返してきたんだ。
何度も心が折れかけた。もうあきらめようとも何度も思った。
でも、やっぱり私はこの光景が見たかった。真がクレア神を発動したその先の光景、次なる真の舞台、強くなって仲間たちを守れるほどの力を身に着けた本物のヒーロー。
「あとはこの異変を解決するだけだ。まぁ、今のあいつだったらもうあんなへなちょこに負けるほど弱くはないがな」
「うん」
「じゃあ、そろそろ行くわ」
「え? まって」
するとシャドウはこの場を去ろうとしていたので、私は慌てて振り返って袖をつかんだ。
なんだかこの手を放してしまったらもう二度とシャドウと会えなくなってしまう気がして、シャドウをこの場につなぎとめるためにギュッと手に力を込める。
きっとシャドウは見守ってくれていたんだ。ずっと、何百回も、誰にも気づいてもらえていない、誰の助けも借りることができない、誰にも気づかれずに私は繰り返して独りで頑張るしかないと思っていた。
だけど、私の事を見てくれている人はいた。
何か言わなきゃ、何か――っ。
だけど、喉で言葉が詰まったように思うように言葉が出てこない。
するとシャドウはそんな私の心情を悟ってなのか、それともほかに理由があるのかわからないけど、優しい声色で声をかけてくれる。
「……大丈夫だ。お前は強い。俺なんかよりもずっと強い。だから、お前は支えてやってくれ。こいつらを、お前の心を壊しかけてでもつかみたかったこの続きの物語を」
「……っ」
「お前の物語はここから再スタートするんだ。お前の粘り勝ちだ」
「ねぇ、シャドウ」
「なんだ?」
「これからも、見守ってて、くれますか?」
「……、俺は多分お前をお前として見ちゃいない。そんな奴にそんな言葉を投げかけるのはちょっと違うんじゃないか?」
「……ルミアさん、だよね」
「……あぁ、そうだ。俺はそいつに未練たらたらなんだよ。そんでお前にその面影を重ねてしまっている」
知っている。
いや、知っているというよりかはつい最近知ったというべきだろう。
この異変が始まってからシャドウが私に親切にしてくれる理由はそのルミアさんっていう人にあると分かった。
私とこのルミアっていう人に何の関係があるのかわからない。
でも、それでも、過程がどうであれ私に親切にしてくれていたのには間違いない。
「お前はお前のことをちゃんと見てくれるやつについていくといい」
「私は、シャドウがいいよ」
「……なに?」
「私はシャドウがいい。ルミアさんとか関係ない。私にとっては私のことをずっと見守ってくれていたのはシャドウだから。だから、私はシャドウじゃないと嫌だ」
「……」
「私はこれからこの先の物語を見守っていく。だからシャドウはそんな私のことをこれから先も見守っていてほしい。私たちの次のステージ、
私のその言葉を聞くとシャドウはそのまま何も言わずにこの場を去って行ってしまった。
だけど、今度は大丈夫という自信に満ち溢れていたため、無理に引き留めるようなことはしない。
多分、もう二度とシャドウと会うことはできないんだろう。でも、シャドウはきっとこれから先も私たちのことを見守ってくれる。
なら私も頑張れる。
この異変もあともうちょっと。
真がジーラを倒せばすべて終わる。
「真、頑張ってっ!」
はい!第223話終了
はいはい、またしばらく真視点の話はお休みしていましたが、ついに次回は真視点となります。
そしてついにタイトル回収しましたね。
Second stage二度目の幻想郷という意味ではなく、新しい未来という意味だったんですね。
今までの物語も真をここにつなげるための重要なものとなっていたんですよ。
もうちょっとで終わるジーラ戦。
いったいどういう経緯で真はジーラの腕を踏みつぶすことができたのでしょうか?
それでは!
さようなら
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