無意識の恋 Second stage   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 ついに長きにわたる彼方のタイムリープが幕を閉じた。

 それは突然だった。

 真がクレア神を使用しても力に飲まれることはなかった。

 シャドウは真には才能はないが、イレギュラー中のイレギュラーなのだという。

 そしてこの光景を見届けたシャドウはこの場を去って行こうとするが、それを彼方が止め、これからも見守ってくれるように頼む。

 そんな彼方の言葉には何も答えずに去っていくシャドウだったが、彼方は安心してこの異変に立ち向かうのだった。



 ついに真がどうやってクレア神に飲まれずにすんだのか、判明します。

 それではどうぞ!


第224話 冷静さを忘れないで

side真

 

 俺はクレア王と限界突破を同時に使用した。

 もうどうでもいい。もうこの体が壊れてしまおうが、どうなろうが、今はジーラを殺すことができればそれでいい。

 俺の大切な人を殺したんだ。それくらいの報いは受けて然るべきだ。

 

 自分でもどんどんと力が湧き上がってくるのを感じる。

 でも、本当にとんでもない力だ。今までのクレア王や限界突破とは比べ物にならないほどの力が湧き上がってくる。今なら何でもできそうだという気分にすらなってくる。

 だが、それと同時に何だか力が膨れ上がりすぎて制御が難しくなってきている。

 これは俺の制御が難しい技代表である霊縛波とは比べ物にならないほどの難易度だ。

 

「くっ」

 

 苦しい。

 俺の中で力が暴走している。霊力、妖力、神力が暴走して今にもはじけ飛びそうだ。

 体中に痛みを感じる。

 やっぱり俺の体はクレア王と限界突破を同時使用できるようにできていないんだ。だから俺の体は耐え切れなくなって激痛が走ってきている。

 意識が飛びそうだ。だが、ジーラを倒す前に意識を手放すわけにはいかない。

 

 頭がかち割れそうだ。

 

「ぐ、ぐああぁぁ」

「どうした? ずいぶん苦しそうじゃないか。俺を殺すんじゃなかったのか?」

「あ、たりまえだろ。ころ……してやる」

 

 力があふれてきているのは確かだ。

 だが、体の痛みのせいで思うように動くことができない。

 

「お前がそのまま苦痛にゆがんだ表情を浮かべながら自滅するのを眺めていてやるよ」

 

 今の俺は周囲に漏れ出ている霊力だけで銃弾をスクラップにすることができるため、ジーラから攻撃を加えることができないが、このままいったら俺はこの力に押しつぶされて自滅してしまう。

 そのこともジーラは分かっているため、俺が自滅するのを待っているんだ。

 本当にいい性格をしている奴だよ。

 でも、俺もそう簡単に死ぬつもりはない。

 

 ――なんとか、何とかしてジーラに一撃を……。

 

 でもそんな俺の気持ちとは真逆に俺の意識は深い深い闇へと吸い込まれて行ってしまう。

 もうだめだ。意識が保てそうにない。

 でも、ここで意識を手放したらなんとなく、俺はもう俺でいられなくなってしまう気がする。力に飲まれて俺が俺じゃなくなってみんなをたくさん傷つけてしまうことになるかもしれない。

 ごめん、みんな。ごめん……。

 

「し……ん」

「っ! こいし」

 

 その時、突然俺の胸の中で死んでしまっていたはずのこいしから声が放たれたため、俺はびっくりして意識を取り戻し、弾かれるようにしてこいしを見る。

 

「だめ……だよ、真。怒りに任せて戦ったら本当の力を出せないよ。真の本当の強さはそんなんじゃないでしょ?」

「俺の……本当の強さ?」

「うん、真の本当の強さ、それは心の強さ、だよ」

「心……」

「決してあきらめない真は何もにも負けないんだから」

 

 ――だから、冷静さを忘れないで。

 

 その言葉を最後に、こいしは再び目を閉じた。

 だけど死んでしまったわけじゃない。こいしの言葉によって少し冷静さを取り戻した俺はこいしの心臓がまだ動いていて、呼吸のために胸が上下していることに気が付いた。

 だから俺はこいしを抱えて立ち上がると、近くまで走ってきていた龍生にこいしのことを任せてジーラへと向き直る。

 

「……お前は、誰だ」

 

 龍生は今の光景を近くで見ていたからの質問何だろう。

 だから俺はそんな龍生の質問に少し微笑みながら答えた。

 

「何言ってんだ。俺はお前の親友の海藤真だ」

「そうか……うん、行ってこい」

 

 龍生の言葉を背に受け、俺は手を上に上げて手をひらひらとすることによって答える。

 もう大丈夫だ。

 頭の痛みも治まった。力の暴走も落ち着いた。

 今なら戦うことができる。

 

 こいしのおかげで俺は冷静に力を制御することができるようになった。

 

「ち、そのまま死んでくれないなら、俺が直々に殺すだけだ!」

 

 そういってジーラは立ち上がって銃を発砲してくる。

 パァンという破裂音が聞こえてすぐに俺の方へと銃弾が飛んできた。だが、その銃弾はやはり俺に届くことはなく、俺の周囲に漂っている虹色のオーラに阻まれて空中でスクラップになって床に落ちた。

 さっきと全く同じ光景、それを確認した俺はジーラへと一直線に接近し、ジーラへ刀を振った。

 もちろん、戦いに慣れていないジーラがこんな攻撃に対処できるはずがない。

 

 ジーラは簡単に俺に首を一刀両断され、ジーラの首が宙を舞う。

 ついに殺すことができた、そう思った次の瞬間、俺の景色は一瞬にして変わり、ジーラの首がつながって俺はまだ刀を振っていない体制となっていた。

 そして、ジーラを見てみると、俺の斬撃を回避しようと動作しているのが見える。

 

 これは……どういうことだ?

 俺の行動はすべて読まれているからこそ、攻撃は当たらないし、攻撃は必ず俺に当たるんじゃなかったのか?

 だというのに、この状況は何なんだ?

 

 もう一度確かめてみるしかない。

 

「え?」

 

 そう考えた俺は今度はジーラの回避先に刀を振り、ジーラの首を一刀両断した。

 その直前にはジーラはまるで予想外だとでも言いたげな間抜けな表情をして首を一刀両断された。宙を舞っているジーラの表情も全く状況を理解できていないようだった。

 だが、その次の瞬間には再び景色が移り変わり、ジーラの首がつながって俺は刀を振る前の体勢になっていた。

 

 間違いない。これで確信した。

 ジーラの能力は相手の行動の先読みなんかじゃない。

 道理で攻撃が当たらないわけだ。

 そしてこんなこと、こんな能力を持っていない俺らが気が付けるわけがない。

 時空神でもない俺たちが時を巻き戻されたことなんて気が付くことができるはずがないんだから。

 

 ジーラは今まで俺の攻撃が当たったと同時に時を巻き戻して攻撃される前に戻り、時を巻き戻す前の事前情報を参考に攻撃を回避していた。

 ジーラにとってはさっき見た攻撃というわけだ。

 

 なるほどな……。

 なるほどなるほど……。

 なるほどなるほどなるほど……。

 

 なら、ジーラの気力がなくなるまで殺して殺して殺しまくるだけだ。

 幸い、この時戻しのおかげで俺の霊力は時を戻される前の状態になっている。つまり、この状態をいつまででも保てるし、ガス欠になることはない。

 何度だってジーラ、お前が諦めるまで何度だって殺してやるよ。

 

 それから俺は何度も何度も何度もジーラの回避方向を読んで殺した。

 ジーラは状況が全く分かっていないようで、どうして攻撃が当たるたびに理解できないとでも言いたげな表情をする。

 まさかこの巻き戻した世界で記憶を引き継いでいる奴がいるなんて思ったこともなかったんだろうな。そしてそんな奴に合ったこともなかったんだろう。

 でも、ここは幻想郷だ。

 そんな奴らは探せば普通にいるだろう。

 

 ジーラはたまたま今まであってこなかったということだ。

 

 何度も何度も殺していく。

 ジーラの心が壊れるまで何度でもエンドレスキルをお見舞いする。

 そしてついにジーラは体勢を崩して倒れた。

 そこで俺は足を振り上げ、そのまま勢いよくジーラの腕に向かって振り下ろした。

 

「あ、あぁあぁ……」

「おいおい、攻撃は当たらないんじゃなかったのか? それとも何か? 反応できなかったか? 違うだろ? それがお前の能力の限界、連続で()()()()()限界というやつか?」

「ぐあああああああああああああああああああああああ」

 

 俺の考え通りだ。

 俺の霊力は元に戻るが、能力使用者であるジーラの霊力はどんどんと減っていく。

 だから連続で能力を使える限界が存在すると思っていた。

 

 ジーラは今ので永遠に能力を使い続けることができるわけじゃないということを証明してしまったのだ。

 

 ここから俺の反撃が始まる。




 はい!第224話終了

 ついに真が覚醒。こんな経緯があったからこそ真はクレア王と限界突破の力に耐えることができたんですよね。

 真がジーラの巻き戻しでも記憶を失わなかったのですが、何か秘密があるのでしょうか?

 ジーラとの決着はもうすぐです。

 それでは!

 さようなら

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  • 海藤真
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