無意識の恋 Second stage   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 クレア王と限界突破を同時発動してしまった真はその力の強さに耐え切れなくなり、意識を失いそうになってしまう。

 だが、こいしの言葉のおかげで真は意識を取り戻し、冷静に状況を分析できるようになった。

 そして力を制御することができるようになった真はなんと、ジーラの巻き戻したあとの世界でも記憶を保持することができるようになったため、真はジーラの心が壊れるか、能力の限界が訪れるまで何度でも何度でも殺していく。

 そしてついに真の攻撃がジーラに当たったのだった。



 それではどうぞ!


第225話 みんなを殺したのは――

side真

 

「く、どう……して、違うんだ」

 

 違うというのは時を戻す前と時を戻した後の俺の攻撃がどうして違うのかということを言っているのだろう。

 確かにこの力は時を戻されたことを観測できる奴じゃなければ対応することはできず、攻撃を当てることはおろか、攻撃を回避することもできないはずだ。

 だけど、今の俺はなぜだかわからないが、ジーラの時を戻した後の世界でも記憶が巻き戻ることはなく、そのまま引き継いで時をさかのぼることができている。

 つまり、未来の行動がわかるのはジーラだけじゃない。俺も前回の自分の攻撃からジーラの動きを予測することができるようになっている。

 

「お前が、お前が居なければ俺の計画はすべて順調に進んでいた。前回も、そして今回も! 第一、お前はなぜこの改変された世界で普通にしている! なぜお前は世界に飲み込まれない!」

「改変された世界? 世界に飲み込まれる? 何言っているのかはわからないが、どうせお前の計画なんてろくでもないことだ。俺はそれを全力で阻止する」

 

 ジーラの言っている言葉の意味がよくわからないが、改変された世界というのはおそらく歴史の改変のことを言っているのだろう。これに関しては音恩が言っていた。

 だが、世界に飲み込まれるっていう言葉の意味が全く分からない。もしかして崩壊に飲み込まれるっていう意味なのか?

 意味が分からない。

 

「おかしい。おかしい、俺意外が覚えているはずがない! 覚えているはずがないんだ!」

 

 ジーラは自棄になったのか、立ち上がると俺に向かって発砲してきた。

 だが、さっきまでと同じように俺の近くにまで飛んできた銃弾は俺のオーラに飛び込んだ瞬間にぺしゃんこに潰されてしまい、そのまま地面に落ちて行った。

 

 カランと石づくりの床に軽い鉄が落ちた音が静寂の中に響き渡る。それがジーラの絶望の効果音だと感じるほどの状況だった。

 ジーラは戦えるように体作りはできていない。だから肉弾戦は論外だ。かといって銃で攻撃しようとも銃弾が俺にまで届かないんじゃ話にならない。

 

「俺は最強の力を手に入れたんだ。時を戻す、誰も彼も俺が戻した世界では記憶を保持しておくことは不可能だ!」

「お前、この幻想郷で暮らし始めてどのくらいだ?」

「あ? なんだよ。俺は生まれも育ちも幻想郷だ」

「そうか、ならいい加減気が付いたらどうだ?」

「何をだよ」

「この幻想郷ではさ、ありえないっていうことがありえないんだよ」

 

 俺はこの幻想郷で暮らしている期間は大体二年ほどだ。

 昔一年この幻想郷で暮らし、今回も一年ほど経った。

 この二年はとても濃いもので、そしていろいろな学びがあった。

 

 古風な景色、様々な種族、十人十色の能力。そしてこの二年で一番よく理解できたのは、この幻想郷ではありえないことがありえないということだ。

 誰かができないことでもこの幻想郷では誰かが絶対にできる。

 絶対にできない、この幻想郷を探しても絶対にありえないっていうことは、それこそ絶対にありえないんだ。

 

「俺は知ってるぜ、時間を戻されてしまったとしても記憶を保持できそうなやつを一人だけな。そいつは優しくて、人一倍さみしがり屋で楽しいことが大好きな奴だ。つまり、何が言いたいのかというとな、その能力を突破されることを想定していない時点で、お前の負けっていうことなんだよ」

「そんな、そんな馬鹿なことがあるはずがない。俺の計画は完ぺきだ。何もかも順調だったはずだ。俺はこの世界の神になったんだ!」

「その程度の能力を手に入れただけで神を自称されたら困るな。神の中にはただの炎を操るという能力なだけで力神にまで上り詰めたやつもいるんだ。失礼だぞ」

 

 ジーラは叫び声にも似た声でわめき続けるが、俺は関係ないとばかりに淡々とジーラに言葉を投げかける。

 だが、もうそろそろ飽きてきた。

 これ以上この男を生かしておくメリットというものはないし、今の俺だったらジーラを殺すのは簡単だ。ジーラの体力が尽きるまで殺し続ければいい。

 

 ジーラが何度も何度も時を戻してくれるおかげで体力は全然減っていない。むしろ絶好調だ。

 

 だから俺はジーラにとどめを刺すためにジーラに向かって走り始めた。

 そんな俺の姿を見て一瞬ぎょっとしたジーラだったが、すぐに俺を近づけまいと何度も何度も時を戻して俺との距離を取り続ける。

 だが、これはさっきと違うのはジーラが死に続けていないというだけだ。ジーラの体力はこうしている間にもどんどんと減っていくし、連続で能力を使用できる回数もどんどんと減っていく。

 これはただただ力を無駄に消費しているだけと言わざるを得ない。

 

 今、ジーラはおそらく俺に恐怖してしまっている。

 そりゃそうだ。戦いに慣れていない奴が急に腕を破壊されたりなんかしたら恐怖を覚えて当然だ。

 だが、戦いの上では相手に恐怖を覚えた時点で敗北したといっても過言ではない。恐怖という邪魔な感情が正常な思考を鈍らせ、誤った行動をしてしまう可能性があるからだ。

 そう、今のジーラと同じように。

 

 もう、今のジーラに勝ち目はない。

 

 次の瞬間、突如として時戻しが止まり、俺はそのままジーラへと走っていけるようになった。どうやら能力の限界が来てしまったようだ。

 情けをかけるつもりはない。こいつはそれだけのことをしたんだ。

 

 そして俺はわめくジーラに風を切る速度で接近し、刀を構える。

 

「ま、待ってくれ! 話し合おう。そ、そうだ。見逃してくれたら新しい空間を作り出してやろう! あの世界はもう捨ててその世界に移住するといい! ど、どうだ? いい提案じゃないか? おい、なんだその表情は!」

 

 ジーラの言葉に俺はあきれてもう何も言えなくなってしまっていた。

 

「お、俺を殺しても幻想郷の崩壊が止まるわけじゃない! 意味がないんだ! だ、だから殺さないでくれぇ! 死にたくない!」

「っ! だから言ったよなぁっ! 殺していいのは殺される覚悟がある奴だけだ。お前は殺される覚悟があったからこの幻想郷の人々を大量虐殺したんだろ? ならおとなしく死ねぇ!」

「そ、それは違うぞ。殺したのはお前自身だ」

「……」

 

 俺はその言葉を聞いた瞬間、刀を振るうのをやめ、止まってしまった。

 わなわなと体が震えてくる。

 

 俺が……殺した? みんなを、俺が殺した?

 そうだ。俺がジーラをあの時に殺していればみんなが死ぬことはなかったんだ。

 つまり、実質俺がみんなを殺したようなものじゃないか。

 

「真、そいつの話を聞くな!」

「あぁ、あぁぁぁぁぁ」

「お前が、お前がこの世界を破壊したんだよ! 一人一人残虐に、残酷に殺したんだ」

「てめぇ!」

「そうさ、お前が悪いんだ。お前が世界を破壊したんだ! 本当の悪はお前だったんだよ!」

 

 俺はジーラの言葉を聞くたびにどんどんと自分の罪の意識に苛まれて行ってしまう。

 本当に俺はここに居ていいのだろうか。この状況を作り出してしまったのは俺だというのに、異変解決組として仲間としていてもいいのだろうか。

 ただ自分で起こした異変を自作自演で解決しているだけなんじゃないだろうか。

 

「海藤真!」

「っ、龍生……」

「お前は誰だ、何者だ!」

「何を言って」

「良いから答えろ、お前は誰だ? 何者だ!」

「海藤……真。幻想郷の住人」

「そうか、じゃあ海藤真。お前はどうしたい!」

「幻想郷を救いたい……」

「なら、そのために今やることは何だ? そうやって打ちひしがれることなのか!?」

 

 そうだ、そうだったな。

 今は落ち込んでいる場合じゃない。一刻も早くこの異変を解決するということが大事だ。

 なら今やることはただ一つ、ジーラを倒すこと。

 

「お、おい。いっただろ? 俺を殺すなんて無駄な行為なんだよ! 俺は悪くない! 幻想郷のみんなを殺したのは――」

 

 今度は失敗しない。

 ジーラの言葉を聞いていたらどんどんと罪の意識に苛まれてしまうかもしれない。

 だから俺はジーラが言葉を言い終わる前にジーラの首を一刀両断した。




 はい!第225話終了

 ついにジーラを倒しました。

 ですが、ジーラが少し気になることを言っていましたね。

 実はこの異変はまだ終わってはいません。

 ここからさらに一転していきますよ。

 それでは!

 さようなら

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  • 海藤真
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  • 南雲音恩
  • 南雲鈴音
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