それでは前回のあらすじ
ジーラとの戦いに勝利し、幻想郷に帰ってきた真たち。
しかし、まだ異変は解決していなかった。
崩壊がまだ侵攻してきていたのだ。
真はこの幻想郷に残るか、それとも現代へ逃げるのかという選択肢を迫られる。
果たして真はこの状況、どうするのか?
それではどうぞ!
side三人称
幻想郷のとある場所にあるマヨイガ。
そこには神楽戦で倒れてしまったみんなが避難されていた。
神楽戦でのダメージはでかく、実力者のみんなではあるがまだ戦えるほどは回復していないものの、もうすでに目を覚ましていた。
現在、永琳は正邪の傷の手当てをしていて、幽々子は比較的傷が浅い方だったため、軽くだけ処置をして縁側に腰を掛けて景色を眺めていた。
今現在、このマヨヒガにいるのはこの三人のみ、そして三人とも口には出さないものの、この戦いのことをずっと心配している。
もちろん、霊夢のことを信用していないわけではないが、これほどの規模の異変を起こす相手は初めてのため、本当に勝てるのかが不安になってきているのだ。
だから幽々子は一人、帰ってきたときにいち早く気が付けるように縁側で紫たちが帰ってくるのを待っている。
「ねぇ、永琳。今回の異変、どう思う?」
「そうね、ちょっとした不安要素があるって感じかしら」
「へぇ、それはどういう?」
「今までの異変っていうのはこの現代でその本人が力を使い続けて起こしているものというのがほとんどだった。だけど、今回は過去を変えたことが原因だというじゃない。……そうすんなり終わるとは思えないのよね」
「過去が変わってしまったのだとしたら異変の元凶を倒してもそのままなんじゃないか、ということ?」
「わからないけどね、その可能性が高いと私は考えているわ」
永琳は何となく察していた。今回の異変は元凶を倒しただけでは異変を解決することはできないんじゃないかということを。
そして消えていく幻想郷、消えていく人々。これらも一度失われているわけで、そう簡単に戻ってくるとは思えなかった。
そしてそれは永琳だけではなく、幽々子も同じことを考えていた。だからこそ、永琳に問いかけて永琳はどう考えているのかを確認したのだ。
「時間に関することはいろいろ複雑で困るわ~」
「本当にね」
二人とも時間に関係する異変、幽々子は春を無くし、永琳は朝を無くしたことがあるから、その言葉には重みがあった。
一方、二人の会話を聞いていた正邪は理解力が追い付かず、一人だけ頭にハテナを浮かべていた。だが、この今の状況で自分が口を出して聞くべきじゃないと判断して静かに聞いている。
「そういえば幽々子。あなたは確か【死を操る程度の能力】を持っていなかった? 今回の異変で死んでしまった人たちを生き返らせることはできないの?」
「出来たらやっているわよ。でも、私一人の力じゃ死へと追いやることはできても生き返らせることはできない。私、映姫、一人の神。この三人が揃うことでようやく生き返らせることができる。今は私と神はそろっているけど映姫がどうしているか……せめて私の能力を神が持っていたら違ったのだけど」
「そうなの?」
「えぇ、私の能力に神力を使用した場合、一人だけで人を生き返らせることができる。ただ、その代わりかなり体に負荷がかかってしまうのだけどね」
今まで死んでしまった人。
この幻想郷の崩壊に巻き込まれてしまった人や、龍生などの戦死してしまった人を生き返らせたいと幽々子も何度も思った。
だが、それは叶わなかった。生き返らせることに関しては彼女一人ではどうにもならなかったからだ。
だから今は待つしかない。真たちがこの幻想郷に帰ってくるその時をひたすら待つしかないのだ。
その時、突如として三人の前にスキマが開いたことで、三人の視線はスキマの中に釘付けとなった。
ちょっと前までは紫しかスキマは使えないというのが当たり前だったが、神もスキマを使えるということで、誰が出てくるかわからないので、少し警戒をする。
だが、三人はその中から出てきた人を見てすぐに警戒を解いて、表情を緩めた。
「三人とも、無事でよかった」
「「「真!」」」
そのスキマの中から出てきたのは真だった。
いつも着ているお気に入りのパーカーはボロボロになり、傷だらけで服に血もにじんでいて相当な死闘の跡だったんだろうということがうかがえる。
だが、それでも真がここに来たということは一つのことを現していて――
「真、勝ったの?」
「あぁ、勝ったよ」
幽々子の問いになんだか浮かないような表情と声色で答えた真。
その真の様子でなんとなく幽々子と永琳は状況を察してしまった。
未だに幻想郷の崩壊は
ただ、真の様子から何かがおかしいと気が付いてはいたが、状況を把握できていない人が一人。
「なぁ、今何が起こっているんだ?」
「…………幻想郷の崩壊が侵攻している。いずれこの幻想郷はすべて崩壊する」
「っ!」
真から告げられた真実。
これですべて終わりなんだと思っていたところに突きつけられた現実。
正邪はショックのあまり、声が出なかった。幽々子や永琳も察してはいたが、実際に言葉で聞くとなると、辛いものがあった。
「じゃあ、そ、外の世界に逃げるのか?」
「……どうだろうな。結果次第って感じだ」
「結果?」
「……真、あなた。そういえば何のためにここに来たの?」
真の様子からどうにも異変がまだ解決していないだけじゃないということを幽々子は感じ取り、真に要件を聞く。
その眼はいつになく鋭いもので、ふざけたことを言ったならば即座に斬るとでもいうような迫力があるほどの圧が幽々子から放たれていた。
その様子に真は一瞬、気圧されてしまったものの、すぐに元に戻って淡々とした感情など一ミリも感じさせない声で、だが表情には狂気を帯びさせて発言した。
「俺は、もう嫌になったんだよ。この幻想郷は救えない。こいしは重傷を負っているせいで外の世界には一緒に行けない。大切なものは何一つ救えない。だから、この幻想郷に消される前に、俺はすべてを自分の手で終わらせることにした。その方がショックが少ないから……」
そこまで言うと手をまっすぐ前に突き出し、その手の中に霊力刀を作り出し、霊力をその刀に込めた。
「だから、さ。まず手始めに、お前から死んでくれよ。俺の手でさ、
はい!第228話終了
今回、そして次回はマヨヒガ編になります。
真が闇落ちしたようなセリフを言っていますね。まるでパラレル真が言いそうな言葉です。
ちなみに、今のメンタルが強化された真はそう簡単に闇落ちするような弱い心の持ち主ではないです。相当強いです。
真の考えは一体何なんでしょうね?
それでは!
さようなら