それでは前回のあらすじ
マヨヒガにて今回の異変に関して考察をする幽々子と永琳。だが、正邪は状況が理解できていなかった。
そこへ突然、真がスキマを通って登場。
そしてなんと真はすべてを殺すと宣言し、その手始めとして幽々子を殺すと告げる。
果たして真の意図は如何に?
それではどうぞ!
side三人称
「だから、さ。まず手始めに、お前から死んでくれよ。俺の手でさ、
「「「っ!」」」
真が深刻そうな表情で放ったその一言を聞いて三人は目を見開いて驚愕してしまった。
今までの真の行動から考えて一番縁遠い言葉だと思っていた言葉が飛び出てきたためだ。
以前、パラレルワールドの真が攻め込んできた際、真はそのパラレルワールドの真の行動を否定していたため、こういったことは絶対にしないと思っていたのだ。
「お、お前、何言ってんだよ! どうしちゃったんだよ!」
「…………」
「な、何とか言えよ。お前はそんな奴じゃなかっただろ! 自分のことはそっちのけ、常に周りの人のことを心配し、何が何でも周りの奴らを助けようとするやつだっただろ!」
「…………」
正邪が真に語り掛けるものの、真は何も答えずにじっと三人のことを光の無い
肯定も否定もしない真に正邪はやきもきして肩を震わせる。
「あぁ、そうかよ! あんたのことを信じた私らが馬鹿だったって事かよ!」
「…………そう、かもしれないな。俺はみんなが思うほどできちゃいないよ」
「あなたにはそんなに期待はしていなかったわ。でも、ここまで心が弱かったとは思っていなかったけどね」
「すみません。俺はこういうやつなんです」
正邪は真に失望して声を荒げて真を責め立て、永琳は冷静に言葉を紡ぐものの台詞は真に失望したということを告げていた。
だが、この中で一人、真に狙われている幽々子のみさっきから一言も発さずに黙ってお茶を啜っていた。
最初こそ驚いたようだったが、幽々子は今この場で一番落ち着いているといってもいいだろう。
そしてお茶を一口すすって自分の横に湯呑を置くと、ゆっくりと顔を上げて目の前に立っている真と顔を合わせる。
「一つ、聞きたいことがあるわ」
「…………なんだ?」
「あなたはどんな絶望的な状況でもハッピーエンドを目指して打開策を死んでも探し続けることができるかしら?」
「…………」
「そう、安心したわ」
幽々子の問いに対して真は一言も発さなかったが、幽々子は微笑むとそう呟いた。
永琳は何も反応はしなかったが、正邪は全く理解ができないという反応だった。誰もが正邪と同じ反応をすることだろう。
何せ今、自分が殺されそうになっているというのにほほ笑む理由がないからだ。
「でも、私を殺すんだから、私のお願いを一つ聞いてくれるかしら?」
「ちょ、幽々子!」
「妖夢ちゃんを、頼んだわよ」
「幽々子、これから私たちを皆殺しにしようとしている殺人鬼に何を頼んでいるのさ! その妖夢? も殺されるだけだぞ!」
「……分かった。任せろ」
「その答えを聞けて安心したわ」
幽々子の切実な願いに正邪は戸惑ったものの、真は様子を変えることはなく淡々とそう答えたものの、幽々子はその答えを聞いて安心したのか、再びお茶を手に取って一口飲んだ。
それと同時に真は手のひらに霊力の刀を作り出すと幽々子に向かって一歩踏み出した。
その瞬間、真の行く先には正邪が立ちふさがり、真に思い切り回し蹴りを放った。
だが、真は正邪がこう出てくるということを事前に察していたのか、正邪の蹴りをすれすれで回避し、正邪を素通りして幽々子へと接近していく。
「さ、させない。お前にそんなことはさせな――」
「正邪!」
「ゆ、ゆこ?」
「ありがとう」
真はどんどんと刀をもった状態で幽々子へと接近していく。
それを正邪は止めようと感覚をひっくり返そうとしたものの、幽々子の声によってそれが遮られてしまい、正邪は能力の発動が遅れてしまった。
幽々子のお礼を聞いた瞬間、正邪は動けなくなってしまい、真は一瞬ためらうように固まるものの、決意を固めたような表情をしてその手に持った刀を構えた。
「やめろ、やめろ、真。早まるな」
「はぁ……はぁ……っ!」
「やめろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
「ああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
正邪が止めるにはもう手遅れだった。能力の発動はもう間に合わなかった。
真はこれから幽々子を殺す、そのことを認識してか心臓の鼓動が激しくなり、呼吸が乱れてしまうものの、深呼吸をして心臓を落ち着かせる。
そして構えをすると正邪は真を止めようと手を伸ばして叫び声をあげる。
真も真で叫び声を上げながら刀を突きだし、その刀は幽々子の胸のど真ん中を貫いた。
「あ、あぁぁ……」
幽々子の胸を貫通する真の握っている霊力刀。その光景を見て正邪は喉から直接掠れるような声を出した。
この光景は真の覚悟の現れ、この幻想郷のみんなを皆殺しするという決意。その決意を見て正邪は絶望してしまったのだ。
こうなってしまってはもう止まることはできない。もう後戻りができないのだ。
「はは、ははは……はは……ははは、はははははは…………はははっははは」
(やべぇ……変な汗がとまらねぇ……でも)
(ゆ、幽々子が殺された。ということは、次は私たちをっ!)
正邪は真の様子を見て次は自分に攻撃の矛先が向くのではないかと警戒し、本格的に戦う体制を整える。
だが、真は狂ったように笑っているだけで正邪や永琳に攻撃を向けることはしない。
そしてその数秒後、真の足元にスキマが出現し、真はスキマの中へと消えて行ってしまった。
それを見て正邪は警戒を解き、すぐさま幽々子へと駆け寄る。
「幽々子、幽々子、おい、しっかりしろ!」
正邪は幽々子の肩をゆさゆさと揺らすものの幽々子から反応が返ってくることはない。
しっかりと胸のど真ん中に剣で貫かれた痕があり、心臓が一突きされてしまっているということがわかる。
本来の幽々子はこの一撃だけじゃ死ぬことはないのだが、今の幽々子は完治していないため、この一撃も致命傷となってしまったのだ。
真に殺されてしまった。
だが、その表情は決して悪いものではなかった。幽々子の表情も決意に満ち満ちた、未来に希望を持った表情だった。
「正邪、あの真の様子を見てどう思う?」
「え、いや、……結構精神に来てるんだなって」
「まぁ、それもあると思う。だけど、私は結構心に炎が燃え滾っていると思うけどね」
「どういう……こと?」
「多分、近いうちに結果で示してくれるわ」
はい!第229話終了
真が幽々子を殺してしまいました。この結果に何の意味があるのか。
そしてどうして真は悪役のような態度をとっているのか。
この状況をどうやって打開するのか。
あと、もうそろそろ感想を摂取しなければモチベーションが下がってきているので、感想ください(切実)
感想を摂取したらモチベーションが急上昇します。僕は単純なので。
それでは!
さようなら