無意識の恋 Second stage   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 紬がやってきて真と本格的に戦いが始まる。

 紬一人の力じゃ全く真にダメージを与えることはできないが、紗綾の攻撃もあり、少しダメージを与えることに成功する。
 だが、こんな攻撃では真が死ぬことは絶対にない。

 それもそのはず、二人とも真を殺すことはなく、生きたまま改心させようとしているのだから。

 だけど、そんなことでは真の目的が達成されることはない。

 なにせ、真の目的は――

「誰か……俺を、()()()()()



 それではどうぞ!


第234話 俺はもう……

side三人称

 

「どうしちゃったの真! あなたはこんな状況になっても決してあきらめず突破口を見つけようとするような人だったじゃない」

「そうだよ。だから私は真を信用して【神成り】を託した! でも今の真はどうにかしちゃってるよ! 真は仲間たちに危害を加えるような、そんなひどい人じゃない!」

 

 紗綾と紬は必死に真のことを説得しようと試みる。だが、そんな言葉は全く真の心に響くことはない。

 なにせ、二人の説得方法は全くの的外れだからだ。

 

 真はずっと殺してもらうためにふるまっていた。立ち回っていた。

 だが、ただ殺してくれと言っても誰一人として自分を殺そうとするものはいないだろうと考えて真は敵になることによって殺してもらおうと考えた。

 だからこそこうして真は暴れているが、それでもなお真のことを改心させることができると考えて説得を続けるみんなに真は友情を感じてはいるものの、それと同時にタイムリミットが迫ってきてイライラとしてくる。

 

(この崩壊に巻き込まれて死ぬんじゃだめなんだ。おそらく崩壊に巻き込まれたら新しく再構成された幻想郷に飛ばされて俺という人格が消え去り、新しい俺という人格が入り込むのだろう。それじゃダメなんだ。俺が俺であるうちに死なないとダメなんだ)

 

 真は再び刀を構える。もちろん殺してもらうために殺意があるように必死にふるまっている。

 当たり前だ。この戦いは真が自分を殺してもらうために始めた戦いだ。みんなを殺すことが目的でない以上、殺意があるわけがなかった。

 だが、必死に霊力に殺意を込めて本気なんだということをアピールする。

 

「シンっ!」

「彼方?」

 

 その時、突如として真の目の前に飛び出すようにして彼方がスキマを作り出して現れた。

 まるで真に立ちふさがるように。これ以上みんなを傷つけないように、これ以上真にみんなを傷つけさせない様に、まるで間に入って防いでいるといった立ち姿だった。

 さすがに殺すことが目的ではない真では彼方に立ちふさがれてしまっては何もできずにただ刀を下ろすしかなかった。

 

「何やってるのさ、シン。それが君のやりたかったことなの?」

「…………」

 

 彼方の必死の問いかけに真は口を開こうとしない。

 いや、開けないんだ。

 この答えに答えるということは自分の目的をみんなに告げるということになってしまう。それだけは避けたい真はただ口を噤むしかなかった。

 

「ねぇ、答えてよ!」

 

 そんな真にしびれを切らし、少しいらだち紛れに彼方が言うと、真もいらだち紛れに彼方に言い放った。

 

「お前に、俺の何がわかるっ!」

「全部わかってるよ!」

「っ!」

「全部、分かってるよ。誰よりも力を欲していて、だけど力を欲している理由は自分のためではない。その努力も全て大切なほかの誰かのためのもの。自分以外の幸せを常に願っていて、ほかの人たちがうれしそうだと自分もうれしくなって、でも自分の幸せは二の次で……お人好しで……本当にどうしようもない人」

 

(私は何万年もの時間、ずっとあなたと向き合ってきたんだから)

 

「彼方……?」

「そんなあなたが、大切な人たちを傷つけるわけないでしょ?」

 

 ずっと真を見てきた彼方だからこそ言える言葉だった。

 何回も何十回も何百回もタイムリープをしてきて真を、幻想郷を救おうと尽力してきた彼女だからこそ真のことは本人以上に知っているといっても過言ではない。

 そんな彼女は今の真のことを非常に信用していた。

 

 真はどうしてそんなに信用してくれているのかわからないが、それでも信用してくれているということは伝わってきていて、申し訳なさそうに真は口を開いた。

 

「彼方、お前は知らないかもしれないけど、別の世界線で俺は大切な人が殺されてしまうという苦しみに耐えかねて自分の手で大切な人、大切な世界を破滅へと導いたんだ。お前の知っている俺はそうなのかもしれないけど、本当は胸の内で何を考えているかわからないぞ」

「大丈夫。今の真はまだ心が死んでいない」

「心?」

「まだ、諦めていない時の顔つきだ」

 

 そういうと彼方はゆっくりと真の顔へと両手を伸ばし、両ほほを両掌で挟んでむぎゅっと軽く押しつぶした。

 

「ね? こんなバカみたいなことをしていないで、今後のことを考えよ?」

 

(あぁ、俺だってこんなことはもうしたくはない。みんなの幸せそうな表情を守りたい。だけど、もうこれしか方法はないんだ。もう後戻りはできないところまで来ているんだ)

 

 真は深呼吸をすると静かにこの場にいる皆に聞こえるようにその事実を告げた。

 

「俺は……幽々子を……()()()

「「「「「っ!?」」」」」

「手にかけたんだ。未だに覚えてるぜ。あの幽々子の胸に刀を刺した感触、亡霊だというのに肉を斬ったような感触はちゃんとあるんだな。お前たちは俺に後戻りしてほしいようだが、俺はもうとっくに後戻りできないところまで来ている。だから、これからあるのは、俺が死ぬか、お前たち全員俺に殺されるかの二択だ。俺が改心するっていう選択肢はない。俺はもう犯罪者なんだからな!」

 

 その言葉を聞いて彼方は絶望のあまり両手から力を抜いて真の両ほほから手を放してしまった。

 その瞬間、真は拳をギュッと握りしめ、彼方に叩きつけようとする。だが、その一撃が彼方に当たることはなかった。

 

 どがっ! 鈍い音が周囲に響き渡り、それと同時に悲鳴も轟いた。

 

「ぐあああああっ!」

 

 その悲鳴は真のものだった。

 つい一瞬前までは攻撃する側だった真が突如として攻撃される側になったのだ。

 その光景に彼方も驚き、ポカンとしてしまって動けなくなっていた。

 

 真は横から殴り飛ばされたのだ。

 だが、スキマが現れたわけでもないし、紗綾や紬、鈴音は少し離れた位置にいる。

 ならば誰が殴ったのか? それは――

 

「真、分かった。ワカッタよ。じゃあ、もうコレ以上手にかけない様に、手にかけられない様に、私のスキな真の内に、シんで?」

 

 最愛の少女、古明地こいしだった。

 

 初めてだった。

 真は初めて自分の仲間、古明地こいしに殺気を向けられた。




 はい!第234話終了

 一気に物語も終盤に入ってきましたよ!

 こいしは気絶させられて放置されていたので今、目を覚ましたんですよね。

 そして今までライトも誰も彼も真に殺意は持っていなかったのですが、初めて真に殺意を向けた人物がこいしなんですよ。

 果たしてこいしの考えとはいったい?

 真戦はもうすこしで終わると思います。

 真戦が終わればあと少しです。

 ここまでお付き合いいただきありがとうございました。

 もう少し続くと思いますが、ラストまでお付き合いよろしくお願いいたします!

 それでは!

 さようなら
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