無意識の恋 Second stage   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 こいしは真とライトの戦いの全貌を見ていた。

 そして真が誰にも聞かれていないと思ってボソッとつぶやいた殺してくれという言葉も聞かれていた。

 それを聞いたこいしは怒りを覚えていた。

 いつも命を大事にしてという約束を一度も守ってくれない。

 だからこいしはわからせることにした。



 それではどうぞ!


第236話 相棒として――

side三人称

 

 こいしに殺気を向けられて真はぞくぞくっと体を震わせる。

 これほどまでにこいしに殺気を向けられたのは初めてだった。今までに何度も何度も何度もいろんな相手に殺気を向けられたどころか本気で殺されかけてきた真だが、これほどまでに体が恐怖を感じたのは初めてだった。

 ここまでおびえてしまうのは自分が上手く手出しできない相手だからだろうか、奥さんだからだろうか。そんなことを考えているうちにこいしは生気のない瞳を向けながらふらふらと真の方へと歩いていく。

 

 それを見て真は思わず一歩後ずさってしまうものの、背後には紬と紗綾が居ることを思い出してこれ以上後ずされないことを感じて額に冷や汗がにじむ。

 

 これほどの殺意、こいしから感じ取ったことは一度たりともない。

 こいしが妖怪だということを考えればこれほど殺意をむき出しにすることが出来てもおかしくはないのだろうけど、今までこんなに殺意を向けられたことがないため、真は驚いてしまう。

 

「もう、これ以上真に殺しはさせないよ。私の好きな真はそんなことしない、しないんだから。だから、そんなことをする真は真じゃない。偽物。なら、偽物なら、消さなきゃね」

 

(これがこいしの本気の殺気。これほど殺意を抱いてくれているなら、もしかしたら殺してくれるかも)

 

 真はこいしの様子に少しビビりながらも、自分のことを殺してもらえるかもしれないと考えて期待を胸にこいしと戦う準備を整える。

 こいしは弾幕を周囲に浮かべ、真は刀を構える。

 本気で殺し合いが始まりそうな雰囲気が漂い、周囲がピリピリとした霊力、妖力で覆いつくされる。

 

「ダメ―っ!」

 

 その時、真とこいしの間に紬が入り込んだ。

 両手をめいっぱい広げて二人の壁になり、二人が衝突するのを防いでいるつもりなのだろう。

 

「ダメだよ。二人とも! 今は争っている場合じゃないでしょ! みんなで協力して、そして何とかこの状況を打破する方法を考えるときでしょ!」

 

 ようやくこいしと戦って殺してもらえる、そう思ったというのに紬にそれを邪魔されたことでどうしたものかと考え込む。

 こいしも真を殺すつもりで立ち上がったというのにそれを阻まれてしまったため、毒気を抜かれてぽかんとしてしまっている。

 紬はこの行動によって二人の戦いを一時的にでも阻止することが出来たのだ。

 

(やっぱりこの状況で殺し合いにするためにはこの場にいる全員に殺意を持ってもらう必要がある……なら、どうすればみんなに殺意を持ってもらえるのか……)

 

 今、真の頭は今まで生きてきた中で一番の速さで高速回転し、最善手を探し出した。

 そして見つけ出した答えは――

 

「く、くくく……お前、まだ助かるとか思ってんのか? みんなでこの幻想郷の状態、見ただろ? 無理だ無理。助からねぇよ。諦めてみんなで死のう」

 

 どうしようもなく手が付けられない状態。どう頑張っても説得できなさそうな状態。

 つまり、今まで通り強行突破だ。

 みんなは今までの真を見てきたからこそ説得でどうにかなるのではないかという希望を抱いている。だからこそ、今ここで殺さないといけないという風に思わせるような、絶対悪となる必要がある。

 絶対悪とは少し違うような気がするものの、どんな説得をしても無駄だと思わせなければ殺し合いには発展しない。こいしが真のことを殺そうとしてもほかの誰かが止めることだろう。

 

「シン、大丈夫だから。大丈夫だから、ね? みんなで一緒にこの状況を打破する方法を考えよう? ここは幻想郷なんだから。不可能なんてないんだから」

「はは、そうやって無責任になんでも大丈夫なんて言うな? 無責任に相手に希望を持たせようとするな? 俺は違う。俺は今までいろんな異変に立ち向かってきて頑張ってきたさ。だけど、今回のこれは今までのものとはレベルが違う」

 

 レベルが違うなら、それと同じように自分たちの努力方法も一レベル上げなければいけない。

 だが、今までだって全く努力をしてこなかったわけじゃないし、むしろ命の危険さえあったほどだった。それから一レベル上げなければいけないということは、つまり……。

 

「そっか……安心したよ。じゃあ、死んで?」

「ちょ、こいし!?」

「ここで揺らいだらどうしようかなって思ってたけど、そこまで揺るがない信念を持っているなら、もう死んで? もう真には誰も殺してほしくないから」

「だからといって真を殺すのは!」

 

 こいしの発言に対して信じられないといった表情を浮かべ、焦った様子で紬はこいしに言い返した。

 するとこいしは哀愁漂う雰囲気を醸し出して一瞬、「はぁ……」とため息をつくと、ゆっくりと紬に問うた。

 

「ねぇ、紬ちゃん。私たちって今までどれだけの異変の元凶を殺してきたかな……」

「えっと……」

「なのに、真だけ説得するっていうのは違うよ」

「でも、シンは異変の元凶じゃ――」

「こんなことをしようとしている時点で真は異変の元凶になっているんだよ」

 

 こいしの言葉はごもっともだった。

 今までの元凶は自分たちの敵でしかなかった。仲間じゃないし、そもそもとしてよく知らない相手が元凶だったため、躊躇うこともなく退治することが出来た。

 だが、今回は相手が仲間である真だ。だからこそみんな真を退治することを躊躇ってしまっている。

 しかし、それはただの贔屓だ。異変解決をするという以上、相手がどんな相手だろうとも平等に公平に退治するべきなのだ。

 

 紬は信じたくなかった。真が異変を引き起こさんとしているとは考えたくもなかった。

 だが、やっていることと言えば異変の元凶と何ら変わりないことだ。

 幽々子を殺してしまった時点から真は立派な罪人だ。罪人は裁かれなければならない。それが異変を解決するということなのだから。

 そしてその異変を解決するには元凶を退治しなければいけない。

 

「…………」

「だから、私が私の手で真を退治する」

「……わかったよ……」

「なに?」

「わかったよ。なら、私が真を倒す。それが相棒として、せめて私ができることだと思うから」

 

 鈴音と紗綾は何も言えないし、何も干渉できなくなってしまった。

 なにせ、二人の決意が強く、ここに加わるほどの度量など、二人には存在していなかったからだ。

 

「「私が、真を倒す!」」




 はい!第236話終了

 紬が真を倒すことに積極的になりましたね。

 こいしと紬が真を全力で倒しに行くことにし、そして鈴音と紗綾は干渉しないことにしたため、ついに真の目的が達成されそうですね。

 ちなみに霊夢はこの展開になるっていうのを察して巻き込まれるのが面倒くさいからさっさとこの場を去ったって感じですね。

 それでは!

 さようなら
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