今回は久しぶりに真視点です。
それでは前回のあらすじ
こいし、紬対真の戦い。
二人は真の戦い方を知っているため、冷静に対処し、そして攻撃を繰り出す。
だが、真は今までの戦いでダメージが蓄積しており、動くことが全くできなくなってしまった。
そこでこいしは最後に真にいいたいことを言って真に神成りを突き刺した。
これによって真はついに雪原に倒れ、この世を去った。
ここからついに真の本当の計画が始まる。
それではどうぞ!
side真
俺は……死んだのか?
何もない、何にも触れられない、何も感じない。
真っ暗で不安をあおるような空間、そんな空間に目を覚ましたら俺は居た。
確か俺は異変を解決しようとしていて、だけど過去が改変されたことによって発生している異変だから元凶を倒しても異変は止まらなくて……それで俺は悪役を演じてみんなと戦って、そしてこいしと紬に殺された。
最後にあの二人に殺されたのは俺にとっては幸運だったかもしれない。ほかの人じゃなく、あの二人に殺されたというのが俺の中で大きな意味を持っていた。
どうせ死ぬなら、最後に大好きな人の顔を見ながら死にたいもんな。
憎い敵の顔を見ながら死ぬなんてまっぴらごめんだ。
せっかく命を張って助けてくれたというのに、結局こうして命を捨てるような真似をして……いや、今回のは捨てたわけじゃない。未来に賭けたんだ。
こうすることで何か進展があるんじゃないかと予感がしたんだ。
予感というと違うな。
これならいけると確信した。
「おい」
さっそく声が聞こえてきた。
これが今回の俺の奇行の目的。
『もし死んでしまったら俺が神にしてやろう』
「はぁ……お前さ、自分のことを犠牲にするの、いい加減にしろよ」
「はは、返す言葉もない」
声が聞こえてきた瞬間、俺の視界は一瞬にして真っ白の空間に変貌し、あまりのまぶしさに目をしかめてしまうが、その視界にうっすらと人影が見える。
やっぱり死んでしまったけど、こいつなら呼んでくれると思っていた。
「ったく……こんな形でこっちに来られんのは俺としても不服なんだが……覚悟はできたのか?」
「あぁ、もう大丈夫だ」
俺とシャドウは俺が死んだら俺を神にするという約束を交わしていた。
だから俺は今すぐにでも死のうとしていたのだ。死んで神になったらもしかしたらこの異変の攻略方法がわかるかもしれないから。
「それにしてもなんであんなことをしていたんだ?」
「あんなこと?」
「お前の仲間を全員敵に回すような行動だ。死にてぇならてめぇで勝手に死ねばよかっただろうがよ」
確かにシャドウの言う通りだ。
死にたいならば勝手に自殺でもなんでもすればみんなに迷惑をかけることもなく、ひっそりと死ぬことが出来た。
もちろん自殺することも考えたさ。だが、俺にはできなかった。できないというのはビビッてというわけではなく、俺の能力である【致命傷を受けない程度の能力】の特性上、自殺というものができない様になっているのだ。
死のうとすれば自分で致命傷となるダメージを受ける必要がある。だが、致命傷を受けたらそのダメージを軽減されてしまう。
そしてじわじわと自分をいたぶりつくそうとしたら途中で気を失って気が付いたら体力が回復して無駄骨に……。
俺は自殺ができない体なんだ。
「俺は能力のせいで自殺ができない。今まで何度もこの能力に助けられてきたが、今回ばかりはこの能力のことが嫌になった。そこで俺は誰かに殺してもらうことを考えた。だから俺は狂人のフリをして仲間に殺してもらうって選択肢を取った。本当にひでぇよな」
俺は自嘲気味に笑いながら話す。
本当に情けないという気持ちでいっぱいだった。あんな方法しかとることが出来なかった。
俺にとって一番の心残りは最後のこいしの涙だ。俺のせいでこいしを悲しませてしまったというその事実が何よりも胸にぐさぐさっと刺さり、今も胸の奥深くまで突き刺さっているような感覚がある。
「なら、神になったらスキマを使えるようになるが、これからあの世界に取り残された全員を強制的に外の世界にたたき出し、残ったやつらだけでも救おうって魂胆か?」
「いや、俺は情けない男ではあるが、いろいろと求めてしまう強欲でもある。それだけじゃ満足はしない」
考えなかったわけじゃない。
今、この幻想郷に残るといっているみんなを強制的に外の世界に連れていくことでみんなを救うことが出来るんじゃないかって。
でも、それじゃ深手を負ってしまっているこいしは助からない。そしてこの世界に放置しても助からないのは確実だ。
そして、それじゃ俺たちは敵に屈し、幻想郷を諦めたということになってしまう。それは癪だ。
「なら、お前は何を望む?」
シャドウのその質問。
その質問に俺は待ってましたと言わんばかりに口角を上げてニヤッと笑い、盛大な発表をするかの如くシャドウに言い放ってやった。
俺の絶望的で、そしてばかばかしい目指している最終地点を。
「俺が目指すのは俺たちの居場所、幻想郷の完全復活だ」
俺がその言葉を言い放った瞬間、シャドウはまるで凍ったように固まってしまい、そして目を見開いて驚いていた。
そしてその驚きの表情は次第に笑みに変わっていき、ついにはシャドウは大声を上げて大爆笑を始めた。
今のこの幻想郷の状況を見ていたらこの目標は絶望的の様に感じるだろう。だけど、これが俺の目指す道。俺の計画のその先にある最終地点だ。
「くはははっ! おもしれぇ。予想はしていたが、まさか本当にそんなことを考えているなんてな。あの状況で絶望せず、こんなことを考えている時点でおめぇは十分狂人だ」
俺は必ずこの幻想郷を救って見せる。
絶対に俺がこの物語を、無意識の恋物語を……終わりになんかさせない。
はい!第238話終了
さて、第二期の終盤にてようやくタイトル回収という感じで、真があんなことをしていた理由がわかりましたね。
そしてもうだいぶ前の事なので覚えている方も少ないかもしれませんが、この最終章が始まる前にシャドウが真に死んだら神にしてやると約束しているんですよね。
そしてその約束を果たすためにシャドウは今回死んでしまった真を自分の空間に呼んだというわけです。
本来ならこんな狂人は絶対に神にするべきではないんですけどね。
そして真は全く幻想郷をあきらめてはいなかったようですね。
果たしてどうやって幻想郷を救うのか?
それでは!
さようなら